という事になるのでしょう。
つまりルールを守って理路整然とした動きの反対という事になりますね。
静かにしていなければならないはずの場所で一人が騒いだためにその他の大勢の人がそれにつられて扇動され騒ぎが更に大きくなったような状態、とも言えるでしょう。
いずれにしても「てんやわんや」な状態になってしまうと大幅に組織の生産性は後退します。
統率が取れていない組織ほど脆いものはありませんからね。
てんやわんやの語源
それではここからは「てんやわんや」の語源について触れていくことにしましょう。
一体どうして騒がしく大勢の人が勝手な動きをする状態のことを「てんやわんや」と呼ぶようになったのでしょうか?
恐らくそこには多くの人が納得できる秘密があったに違いないのでしょうね。
語源は2つの説がある
「てんやわんや」の語源には大きく分けて2つの説があるようです。
その2つの説を調べていく事に致しましょう。
てんやわんやの語源・1つ目の説
それではまず1つ目の「てんやわんや」の語源の説から参りましょう。
てんでん+わや
「てんやわんや」の語源の1つ目は「てんでん」+「わや」という組み合わせです。
つまり「てんやわんや」は「てんでん」と「わや」という言葉がひっついて合成された言葉、という意味合いです。
しかし、これだけではもう一つ、詳しい解説になっていませんね。
そもそも「てんでん」という言葉の意味も不明ですし、「わや」という言葉も「?」ですよね。
ではその言葉について更に深く見て参りましょう。
てんでん:手に手に・手々
「てんでん」は「手に手に」あるいは「手々」、という意味があったようで、それらがいつしか「各自」「銘々」という意味に転嫁していったようですね。
まあどうして「手に手に」が「各自」になってゆくのか、何とも不思議な言葉の展開ですが、日本語の多くが元々の語源をたどってゆくと今とは想像もつかないような表現になっているものが結構、たくさんある事を考えると、ここは深く詮索しすぎない方がいいのかも分かりませんね。
「手に手に」や「手々」という言い方は「一人一人」、あるいは「各自」「銘々」という複数の人間があるところに集まっている状態、というように解釈しておいてよろしいでしょう。
わや:無理・無茶
「わや」。
これは「無理」とか「無茶」という意味になる一種の関西弁です。
「さっぱりわややは」という言い方を聞いた事がおありの方ならば理解しやすいかも分かりませんね。
「さっぱりわややは」を平たく言いかえれば「全くダメだ」「出来ない」という弱音を吐いた言い方になります。
この「わや」が「わんや」という言い方に変化してゆき「てんでん」の方もそれに合わせて言いやすいように「てんや」と変わっていった、というところが自然の流れでしょう。
「てんやわんや」は「てんでん」と「わや」が合成され長い年月の後に人々が言いやすい言葉に変わっていって、現在の「てんやわんや」と変化していった、というのが1つ目の語源という事になるのでしょうね。
てんやわんやの語源・2つ目の説
では次に「てんやわんや」の2つ目の語源の説を紹介していきましょう。
わや:ワイワイ・ワヤワヤ
「てんやわんや」の2つ目の語源の説は「わんや」に当たる「わや」が「ワイワイ」騒ぐという意味の「ワヤワヤ」が語源である、という説もあります。
何かちょっと聞き取りづらい構図になってしまいましたが、詰まるところ、「ワイワイガヤガヤ」とやっている姿はいつの時代にも当然ながらあった訳です。
「てんや」は元々、「各自」、「銘々」という意味合いで取られてきていましたからその後ろに「騒がしい」を意味する「ワヤ」が変化してくっついて行ったとしても何ら不思議なことはないでしょう。
日本語というのは変化しながら今日の姿に収まっているかのように見えます。
ところがそれは仮の姿であって、今後もこれからも今の言葉が完全に定着するという保証はありません。
そういった歴史の流れを考えたら、あながち「わや」元々「ワイワイ」という言葉の変化したものなのかも分かりませんね。