「使わないようにしましょう」というのではなく、「使ってはいけない」のだということをはっきりと覚えておきましょう。
「ご高配」の使い方
「ご高配」の意味や、どのようなシチュエーションでこの言葉を使うのかについてご紹介してきました。
ここからは、「ご高配」をどのように使えばいいのか、その使い方についてご紹介していきます。
以下にいくつかの例文を挙げていきますので、「ご高配」の使い方についてまだいまいち分からないという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
例文1:「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
この例文は、上司のように目上の相手に対してはもちろん、取引先の会社や、会社から顧客へのメールや手紙を送る際にも多く用いられています。
ほとんどは本題に入る前の、冒頭の挨拶部分で使われることが多いため、社交辞令として使われることも少なくはありません。
さまざまな場面で多く使われる挨拶ですので、当たり前に感じる人もいるでしょうが、この挨拶を一言入れておくのと入れないのとでは相手に与える印象が変わります。
そのためどこの会社でもビジネスマナーとして当たり前のように用いられています。
例文2:「今回のプロジェクトが上手くいったのも、皆さまのご支援、ご高配のおかげです。」
この例文では、会社で行われたあるプロジェクトが上手く行った際に、それを祝う場で挨拶として使われています。
不特定多数を前にして挨拶をする場合には、相手が部下・同僚・上司とさまざまな立場で揃っていることも多いため、そのような場合には誰に対しても丁寧な口調で「ご高配」と表現する方が無難です。
例文3:「今後とも、ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。」
この例文では、相手に対して「ご高配」を求めていることになるため、「この表現は失礼だ」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、すでに相手から気遣いや協力を得ることが決まっている場合に、その件についてくれぐれもよろしくお願いしますという意味として「ご高配」をお願いすることもあります。
会社の取引先であまり上下関係がない場合にはこうした表現方法をすることもあります。
「ご高配」の類語
「ご高配」は、目上の人から配慮や気遣いを受けた際にそれに敬意を表した言い方です。
そして、この「ご高配」にはいくかの類語があります。
同じような意味の言葉でも、その場のシチュエーションによって言い方を変える必要がありますので、「ご高配」の類語についてもきちんと知っておくことが求められます。
以下に「ご高配」の類語をいくつかご紹介していきますので、これらについても使い方をマスターしておきましょう。
お気遣い
「お気遣い」は、名詞の「気遣い」に接頭辞の「お」が付いたものです。
「気遣い」の意味は、「あれこれと気を遣うこと」や「心遣い」「よくないことが起こるおそれや懸念」などです。
例えば都市部から田舎の家に一人で移り住んだ人に対して、その地域の人たちがあれこれと気を遣い、その人が住みやすいようにと世話を焼いてくれることに対し、地域の人への敬意と感謝の気持ちを表し、「お気遣いありがとうございます。」と言うことがあります。
「お気遣い」とは、他人に気を配ってもらうことに対して感謝を表す際に用いることの多い言葉でもあります。
一方で、「お気遣い」には「心配する」といった意味合いもあります。
例えば台風で大荒れの天気の中、家へ帰ろうとする生徒に対して先生が「外は危ないから車で送って行こうか?」と尋ねたとします。
それに対し生徒が「お気遣いありがとうございます、大丈夫です。」と答えた場合には、先生が「歩いて帰るのは危なくないか」と心配していることへの返事になります。
このように相手が「心配する」形で気遣いをすることもあり、それに対して「お気遣いありがとうございます」や「お気遣い無用です」などと答える場合もあるのです。
お心遣い
「お心遣い」は、「心遣い」に接頭語の「お」を付けたものです。
「心遣い」とは、「あれこれと気を配ること・心配り」「配慮」また「祝儀・心付け」などの意味があります。
あれこれと気を配ることや配慮の意味では、先にご紹介した「お気遣い」と同様です。
一方で、「お心遣い」には、祝儀や心付けといった意味もあります。
時々目上の人から目下の人に対してちょっとしたお小遣いを渡すことがありますが、この気持ちばかりのお金が心付けです。
心付けはあくまでも気持ちによって金額に差が生じますので、例えば神社で賽銭箱に投げ入れるお賽銭も心付けですし、山中にあるトイレを利用する際に、その施設の維持費を助ける意味でお金を箱に入れることも心付けに入ります。
さらに祝儀の場合は、進学や就職、成人などのおめでたい行事ごとの際に渡す気持ちばかりのお金が祝儀です。
このように、「お心遣い」には人に対する配慮と、心付けの2つの意味があります。