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承るとはどういう意味?正しい用法と...(続き2)

しかし「聞く」が一般的に音をきくことを指しているのに対し、「聴く」では通常よりもさらに神経を集中させて、音を耳で捉えるといった意味合いがあります。

そのため日常会話のように何気ない話の際には「聞く」を使い、音楽を耳にしたり、真剣に相手の話に耳を傾けたりする場合には「聴く」を使います。

どちらも声に出すと同じ言葉ですが、文字で書くと意味合いが少し変わってきます。

そして「謹んで聞く」は、「聴く」ではなく「聞く」という漢字を用います。

漢字本来の意味を知ると、「謹んで」ときたのなら「聴く」と使うのが正しいように思えるかもしれません。

しかし、「聴く」だと耳にするものが限定されてしまうため、広く耳に出来る「聞く」の字が使われています。

「伝え聞く」の謙譲語

「承る」は「謹んで受ける・聞く」という以外に、「伝え聞く」の謙譲語でもあります。

「伝え聞く」とはそのまま「人から伝えられ、自分が聞いた」という意味です。

例えば「○○の件については、××さんより伝え聞きました。」と話す際に、それが目上の相手だったなら謙譲語に言い換えて、「○○の件につきましては、××さんより承りました。」となります。

上司が「承る」の正しい意味を理解していれば、話しての意図するところが「××さんより謹んで受けた」ではなく、「××さんより伝え聞いた」ことであると察するでしょう。

もし上司が「承る」の意味をきちんと理解していなかった場合には多少会話が噛み合わなくなってしまいますが、その際にはさらに言葉を言い換えて、「××さんよりお話を伺っております」などと言えば、上司は納得することでしょう。

ともあれ、役職のある立場ともなれば、「承る」を「伝え聞く」の謙譲語であることくらいは理解しているのが当然と言えば当然でしょうから、そこまでこちらが気にして言葉を選ぶ必要はないでしょう。

シンプルに「伝え聞いた」という言葉を「承りました」と謙譲語に言い換えれば問題はありません。

引き受ける意の謙譲語

「承る」は、「引き受ける」ということを意味する謙譲語でもあります。

元々「謹んで受ける」という意味もあるため、引き受ける意の謙譲語であっても何らおかしくはないでしょう。

例えば目上の人から何か依頼事をされた際には、「引き受けました」ではなく「承りました」と答えます。

「承る」は謙譲語

これまでご紹介してきた意味からも分かるように、「承る」は謙譲語です。

謙譲語は相手を自分よりも上におき、自分がへりくだったものの言い方をする敬語の一種です。

要するに相手を立てる言葉使いが謙譲語です。

他の多くの謙譲語と同様に、「承る」も相手に敬意を払った言い方ですので、言葉を受ける相手も決して悪い気はしないでしょう。

ただし、謙譲語は相手が目上の人の場合のみ用いる言葉です。

同等の立場の人や目下の人に対しては謙譲語を用いません。

同等で相手が尊敬出来る人であれば尊敬語ですし、それ以外の同等の立場もしくは目下の人に対しては丁寧語を使います。

「承る」と「受け賜る」の違い


「承る」は、「受け賜わる」という漢字でも表すことが出来ます。

言葉にすればどちらも同じに聞こえますが、漢字で書くと意味が変わってきますので、誤った使い方をしてしまわないように意識して言葉を使わなければなりません。

私たちが普段よく使うのは「承る」の言葉で、「受け賜わる」という言葉を使う機会はほとんどないと言ってもいいでしょう。

それほど「受け賜わる」は普段使いをせず、またビジネスシーンでもあまり使う機会がありません。

しかし、普段使わない言葉こそ、うっかり意味を忘れてしまいやすいですし、正しい使い方を理解していないことが多いです。

そのためどちらの使い方もしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

「承る」と「受け賜わる」はどう違うのかを以下にご紹介していきます。

「承る」を使う場合

「承る」はより受動的で、相手の指示や依頼を丁寧に理解するといった意味があります。

そのため「承る」は目上の相手の意思を何より尊重する場面で使うのが望ましいでしょう。

会社の上司と部下の関係がそのいい例です。

会社では、基本的に上司が部下に仕事の指示を出します。

最初に上司が仕事のやり方を教えて、後は部下が毎日同じ仕事のルーティンをするところもあれば、毎日のように違った仕事があり、上司がそれを部下に毎回割り振るところもあります。