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承るとはどういう意味?正しい用法と...(続き3)

会社によっては部下が自分で自分の仕事を見つけるところもありますが、それでも大まかな指示は上司や社長が出しているところがほとんどです。

そのため、上司から部下に指示を出す際に、部下が「承りました。」と答えることが多いです。

また、会社や店の社員が顧客に対して接客を行う際に、顧客の要望を受けて「承りました。」と答えることも多いです。

これらの使い方の意味は、「謹んでお受けする」という場合が多いです。

「受け賜る」を使う場合

「受け賜わる」の「賜る」は、「もらう」の謙譲語です。

「目上の人から物をいただく・ちょうだいする」といった使い方をします。

また、同時に「与える」の尊敬語でもあります。

これは鎌倉時代以降の作法とされており、「目上の人が物などを下さる」といった使い方をします。

さらに、「神の許可を得て、通行を許してもらう」という意味もあり、「承る」とは意味が大きく違っています。

「受け賜わる」という敬語は、精神的には「自分などがもらうにはもったいないほどに素晴らしいものや名誉あるもの」をもらう時などに使われることが多いです。

「もらう」の謙譲語

目上の人から何か物をもらう場合、通常は「いただく」「ちょうだいする」といった表現をします。

例えば上司から旅行のお土産をもらう時には「ありがたくちょうだいします。」と言いますし、また飲み会などで上司から積極的にお酌をしてくれた際には「すみません、いただきます。」と言うこともあるでしょう。

そうしたビジネスシーンの中でも比較的よくある場面の場合には、「ちょうだいする」「いただく」などの表現をするのが普通です。

一方で、「受け賜わる」の表現方法を用いる場合には、通常よりもかしこまった場面が多いです。

例えば会社をあげて表彰される場合や、自分に物を授けて下さる相手が会社の社長のようにかなりの偉い立場である場合には、「承る」ではなく「受け賜わる」と使うことがあります。

「与える」の尊敬語

謙譲語が自分の行動に対して使う敬語なのに対し、尊敬語は相手の行動に対して使う敬語です。

そのため、「与える」の尊敬語としての意味を持つ「受け賜わる」も、目上の人の行動に対して使います。

例えば上司がある社員に対して特別手当を与えた場合、「上司は○○さんに特別手当を賜った」と表現することが出来ます。

口頭で伝えると、一瞬謙譲語としての意味なのか、それとも尊敬語としての意味なのか分からずに困惑してしまうかもしれませんが、落ち着いてよく言葉を頭の中で思い浮かべれば、それが謙譲語なのか尊敬語の意味なのかが理解出来ることでしょう。

どちらの意味としても使いこなすことが出来れば、その場に応じた使い方が自由に出来るようになります。

一般的に使えるのは「承る」

「承る」と「受け賜わる」とでは、その意味合いは大きく異なってきます。

謙譲語としての「承る」また謙譲語と尊敬語を兼ね備えた「受け賜わる」は、使う場面もタイミングもその意味同様に異なっています。

どちらも口頭にすると同じ言葉になって分かりづらいという人は、「受け賜わる」は特別な場合にのみ使う言葉で、「承る」が一般的に使われる言葉だと覚えておくと分かりやすくなります。

また、「受け賜わる」は自分や相手の行動に対して使える敬語で、「承る」は自分の行動に対してのみに使える敬語だということもあわせて覚えておくと良いでしょう。

「承る」の類語

「承る」は、「受ける」「聞く」「伝え聞く」の謙譲語です。

謹んで受ける(聞く)ことや、伝え聞くこと、また引き受ける意を示す謙譲語でもあり、一つの語でいくつもの意味を持っています。

そのため、「承る」には類語もたくさんあります。

「承る」と同様に一語であらゆる意味を持っている言葉はほとんどありませんが、一つひとつの意味に対して似た意味を持つ言葉はあります。

どんな類語があるのかを以下にご紹介していきます。

依頼を受ける

「依頼」は「人に用件を受けること」や「他人をあてにすること」といった意味があります。

そのため、人から依頼を受けるということは、何か頼まれごとをされるということです。

その点が上司や目上の人から指示を受けることと意味が似ています。

「依頼を受ける」という言葉を使う場合、相手が目上、同等、目下などは関係ありません。

「○○さんから依頼を受けた」という言い方が、そのままか「依頼を受けました」と丁寧な言い方になるかの違いだけです。