そのため目下の相手や自分と同等の立場の相手には「所存」という言葉は使いません。
また、ビジネスや公的な場など、かしこまった態度や言動が求められる場面では「所存」は大いに役に立ちますが、日常生活の中で「所存」と使うと、堅苦しく人によってはわざとらしく感じてしまうかもしれません。
そのため、プライベートで使う時には「思う」や「考えている」などのごく一般的な言い方をするようにしましょう。
「◯◯する所存です」
「所存」という言葉を使う時は、「◯◯する所存です」と言うのが基本です。
例えば「今度のプロジェクトを全力で頑張りたいと思います。」という場合には、「今度のプロジェクトを全力で頑張る所存です。」となります。
また、例えば「一人ひとりの顧客に対して丁寧な接客を心がけていくつもりです。」という場合なら、「一人ひとりの顧客に対して丁寧な接客を心がけていく所存です。」となります。
「所存」は、「◯◯だと思います」「◯◯だと考えています」「◯◯するつもりです」などの言い換えとして使うことが出来ます。
「思う」や「つもり」の場合には、相手によっては「思うなら早くやれ」や「つもりじゃなくてやるって言い切れ」などと指摘をすることがあります。
しかしこれらを「所存」という言い方をすることで、相手に対する敬意とこちらの意志を同時に表すことが出来ますので、これらの指摘を受けることはほとんどないでしょう。
「◯◯と思う所存です」は間違い
時々、「◯◯と思う所存です」という言い方をする人がいます。
一見とても丁寧な言い回しのように思えるため、相手に敬意を払おうとしてこのような言い方をしてしまうことがありますが、この言い方は大きな間違いです。
何故なら、「所存」とは「心に思っていること」「考え」「意見」といった意味があります。
つまりは「思っている」ことですので、それにさらに「思う」という言葉を付けてしまうと、「◯◯と思う思いです。」と二重の言い回しになってしまいます。
とてもしつこく、くどい印象になってしまうため、「所存」を使う時には「思う」や「考え」といった言葉を重複して使わないように注意しましょう。
️漢字を解体して考えてみる
「所存」は、「所」と「存」の2つの漢字から成り立っています。
どんな言葉でもそうですが、たった一語だけでたくさんの意味を表わす漢字もあれば、いくつかの漢字が重なることで1つの意味になる言葉もあります。
例えば「合縁奇縁」や「春夏秋冬」「日進月歩」などの四文字熟語の場合には、4つの漢字が組み合わさることで1つの意味を表わしています。
そのため「所存」をもっと詳しく調べる場合には、漢字を解体して考えてみることも大切です。
「所」の意味
「所」は、「しょ」や「ところ」と読みます。
空間的な場所や、人や物が存在する場所を意味し、住所や地域、あるいは限定された場所を指します。
また、具体的な場所を指すこともあれば、抽象的な場所や場面、範囲などを意味することもあります。
地位や立場、事柄や程度を表わす場合もあり、「所」の一文字だけでたくさんの意味があります。
また、使い方によっては「掴みどころがない」や「ところで」など、他の言葉と合わせて用いることもあります。
ありか
「所」は、ありかを指す場合に使うことが多いです。
例えば「財宝のありか」「書類のありか」など、どこにそれが存在しているのかを示す際に、「所」を「ありか」として使います。
曖昧な場所の場合もあれば、ハッキリとそれがどこにあるのか分かっている場合もあります。
また、どこにあるのかそのありかを尋ねる場合もあります。
位置・地点
「ところ」は地図の読み方で用いると、位置や地点を表わします。
どの地点に目的の場所があるのか、経度や緯度の位置、地点といった数値的なものを表わす際にも頻繁に用いられます。
ところ・場所
「ところ」は、そのまま場所を示す場合も多いです。
「博物館の場所はどこにあるのか」「どこの公園で待ち合わせをするのか」など、場所を尋ねたり、決めたり、示したりする際によく用いられます。
「存」の意味
「存」は「そん」「ぞん」と読みます。