「現にある・生きている」「保ち持つ」「生きながらえる」「いたわり尋ねる」「思う・心得る」などの意味があります。
そこに存在していることや生きていること、思っていることなどを一文字で表しています。
また、「所存」としての意味は、「思う」です。
「所」がところや場所を示し、「存」が思うことであるのなら、「所存」とは正に、「心(場所)」に「思う」ことでしょう。
ある・いる
「存」には、「ある・いる」といった意味があります。
今この場所に自分という存在がある、自分の求めている運命の相手がどこかにいる、といった、物や人が存在することを示しています。
「ある」を漢字で表すと「在る」となりますが、これも存在という意味から漢字があてられています。
生きている
「存在している」ということは、すなわち「生きている」ということです。
もちろん無機質な物質の場合には生命は宿っていませんが、そこに確かに「存在」はしているでしょう。
命あるものの場合も、当然その場所に「存在している(生きている)」状態です。
それは目に見える確かな形で表現されることが多く、命が宿っているものは皆等しく「生きている」のです。
あらしめる
「あらしめる」は、「あるようにさせる」「存在を示すようにさせる」といった意味の言葉です。
そのため「存在」や「ある」を表わす「存」の意味の一つとされています。
「あらしめる」を使った例文には、「不屈の努力が今の自分をあらしめた」や「彼女の崇高な考えを周囲にあらしめる」などがあります。
「あらしめる」は普段使いとしてはほとんど使われることがなく、小説や記事などで目にする機会がある程度でしょう。
️「所存」に似た言葉
「所存」は、自分の心にある気持ちや思い、考えなどを目上の人に伝える際に用いる言葉です。
そしてこの「所存」には、似た意味を持つ言葉がいくつか存在しています。
どんな言葉が似た意味を持つのかを以下にご紹介していきますので、参考までに覚えておくと良いでしょう。
旨趣
「旨趣」は「ししゅ」「しいしゅ」と読みます。
「事柄の意味や理由」という意味があり、また「趣旨」とも表現します。
また、「心の中で考えていること」という意味もあり、この意味が「所存」と似ています。
とはいえ、例えば「これから一生懸命に励んでいく所存です。」という文章を、「これから一生懸命に励んでいく旨趣です。」と表現することはまずありませんよね。
例え意味は似ていても、ビジネスシーンや公的な場面では、「旨趣」ではなく「所存」が用いられるのが一般的です。
そのため、「旨趣」という言葉の意味はおろか、その言葉自体聞いたことがないという人もいるかもしれません。
もしも「旨趣」を使う場合には、「私の旨趣は◯◯にあります」といった使い方をするのが望ましいでしょう。
旨意
「旨意」は「しい」と読み、「考えや意図」を意味します。
同じ読み方に「恣意(しい)」があり、こちらは「自分の思うままに振舞う心や気ままな考え」という意味があります。
時々「恣意的な判断」などの言葉を見たり聞いたりする機会がありますが、これは「気ままで自分勝手なさま」という意味ですので、「旨意」とは意味が異なっています。
もし「旨意」を用いて例文を作る場合には、「個人的な旨意はない」や「こちらの旨意を察して欲しい」などになります。
論意
「論意」は「ろんい」と読み、「議論で、言おうとしている主な意味」「論じていることの主意」といった意味があります。
「所存」に近い意味は後者です。
「所存」の場合には「心に思っていることや考え」「意見」といった意味ですので、自分の意見を述べる際によく使いますが、「論意」の場合には「論じていることの主意」ですので、単に自分の意見を述べるというのとは少し違っています。
とはいえ、「自分が何を言いたいのかを相手に伝える」という部分では、「所存」と意味が似ているでしょう。