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「所存」とはどういう意味?正しい使...(続き5)

「論意」も普段使いはせず、またビジネスシーンでもあまり用いられることはないでしょう。

含意

「含意」は「がんい」と読み、「表面に表れない意味を含みもつことやその意味」という意味があります。

例えば実際に言葉にしているもののほかに、視線や表情、声色で言葉には表しきれない感情を察した場合に、相手の「含意」を感じ取ったと表現出来ます。

誰かと話をしていて、相手が「そうなんだ~すごいね!」とこちらを褒めてくれた時に、もしその目が一切笑っていなかったとしたら、恐らく本心では「すごい」と思ってはいないでしょう。

また、悪口を言われて「気にしていないよ」と笑っている人が、顔色を僅かに赤くしていたのなら、それは本心では怒っているのでしょう。

そうした言葉として、表面上には表れない相手の意図や気持ちを「含意」といいます。

心の中で思っていることという意味では、「所存」と似ていると言えるでしょう。

魂胆

「魂胆」は「こんたん」と読み、「心に持っているたくらみ」や「策略」などの意味があります。

たくらみや策略は賢くて、頭がいいからこそ出来ることではありますが、多くがずる賢い考えのもとに行われているたくらみのため、「魂胆」という言葉も世間一般には悪いものとして定着しています。

また、時々「お前の魂胆は見え見えだ!」「それが魂胆だったのね・・!」などのセリフをテレビや映画で見ることがありますが、そうした見聞きする情報も悪い意味として使われているものが大半ですので、世間一般に「魂胆とは悪いもの」という認識が広まったのでしょう。

また、心の中の考えという部分では「所存」と似ていますが、それが良い意味なのか悪い意味なのかで使い方が変わってきます。

主張

誰もが一度は聞いたことや使ったことがある「主張」という言葉は、辞書では「自分の意見や持論を他に認めさせようとして、強く言い張ること」という意味があります。

また、そうした意見や持論をまとめて「主張」と表現することもあります。

心の中の考えを意見にするという部分では「所存」と似ていますが、さらにそれを他人にも認めさせようとする少々の強引さが「所存」とは違っています。

その強引さから、「主張」はとくに強い意思表示を表わす言葉でもあり、またやや頑固なイメージもあるかもしれません。

他人には譲れない強い気持ちは大切ですが、「所存」よりもきついイメージになってしまうため、「主張」に対して「我が強い」と感じる人もいるでしょう。

見解

「見解」は「物事に対する考え方」や「価値判断」などの意味があります。

また、同じ漢字で「けんげ」と読む言葉の場合には、「心理を見極める力や洞察力」といった意味もあります。

「所存」に近い意味としては前者でしょう。

「所存」は自分の心で考えたことを意見として口にすることですので、まずは「見解」で自分なりに考えて価値判断をし、その後で考えを「所存」として口に出し、行動に移すといった流れになるのが一般的です。

️所存を使った例文

「所存」の意味や使い方が分かったところで、今度はどのような場面でその言葉を使うことが多いのか、例文で想定しながらチェックしていきましょう。

「所存」は謙譲語ですので、すべての例文が上司や目上の人に対する意見であることが前提です。

その上で、どのような例文があるのかを見ていきましょう。

例文1

「この度は弊社の商品をご利用くださり、誠にありがとうございました。今後とも、貴社のお役に立てるよう、新たな商品の開発に鋭意努力してまいる所存です。」

この例文では、ある会社の開発した商品を他の会社に購入してもらったため、それに対するお礼のメールを送信したものです。

自社が開発した商品を購入してもらうということは、いわば購入先の会社は自社にとってはお客様です。

そのため謙譲語を用いてお礼のメールを書いています。

このメールでは購入してもらったことに対するお礼を述べた後で、今後も自社の商品を購入してもらえるように、今以上に開発に力を入れて頑張っていきたいという意欲を、「鋭意努力してまいる所存です。」の言葉で表現しています。

例文2

「この度一大プロジェクトのリーダーに任命されました◯◯と申します。

皆様のご期待に添えるよう、また会社に多大な貢献が出来るように、一意専心励んでまいる所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。」この例文では、一大プロジェクトのリーダーに任命された人が、プロジェクトに対する意気込みを上司や同僚たちの前で表明しています。

「一意専心励んでまいる所存」というのは、「他に心を動かされることなく、ひたすらに一つのことに励んでいこうと思います」という意味で、この場合の「一つのこと」とはもちろん一大プロジェクトのことです。

このように、大勢の前で決意表明をする際にも「所存」という言葉を使うことは多いです。

例文3

「この度駅伝のアンカーに抜擢され、皆の期待を背負って勝利を掴む所存です。」この例文では、駅伝のアンカーに抜擢された人が、その意気込みを表明しています。