また、直接言葉にする以外にも、メールや手紙で「弊社」と用いる場合があります。
例えば自分の会社の親会社に対してメールを送る際に「先日はお忙しい折、弊社に足をお運びいただき誠にありがとうございました。」などのように、文章で「弊社」と使うことも多いです。
顧客に宛てた手紙や取引先の会社へのメールなど、さまざまな場面で「弊社」を使う機会が多いため、何となくのニュアンスで使ってしまっているという人もいるかもしれません。
しかし、「弊社」が謙称だときちんと理解していないと、思わぬところで間違った使い方をしてしまうかもしれませんので、やはり「弊社」の意味や使い方を理解した上で間違いのないように使いこなしましょう。
弊社の例文
「弊社」を使った文章にはどのようなものがあるのかを、例文でご紹介していきます。
まだ使い方がよく分からないという人は、以下の例文を参考にしてみて下さい。
文章の中で必要な部分を入れ替えたり、少し内容を変えたりして自分で「弊社」を用いて文章を作ってみるといい練習になるでしょう。
使い方が分からなければ、まずはそうして自分なりに文章を作って練習することも大切です。
社会人になると言葉使いについて教えてくれない会社も多いので、本人の積極性が求められます。
必要があれば直ぐに「弊社」を用いた文章が考えられるようになっておきましょう。
例文1
「日頃より、弊社のサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。」この例文では、ある会社が主に顧客に対して多く使っている挨拶の言葉です。
口頭のみならず、手紙やメールでも文章の最初に必ず一言挨拶を付けますが、その際に「弊社」と用いることが多いです。
この「サービス」の部分を他の言い方にすれば、さまざまな応用が利きます。
例えば「日頃より、弊社の商品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。」や、「日頃より、弊社のカスタマーサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。」など、短い挨拶の中に、日頃から顧客や取引先の会社に対する感謝の気持ちを伝えることが出来ますので、冒頭の挨拶としては非常に多く使われています。
もし最初の挨拶をどのように書けばいいのか分からなくて困った時には、この例文の形を少しアレンジして使ってみてください。
例文2
「先般、弊社にて発生した発注ミスでは、貴社に多大なご迷惑をおかけ致しました。ここに社を代表して深く陳謝申し上げます。」この例文では、自社のミスで他の会社に迷惑をかけてしまったことについて謝罪をしています。
「先般」は「このあいだ」という意味があり、ビジネスなど敬語が用いられる場面では多用されています。
「先日」も似た意味ですが、ある程度の堅苦しさが必要とされる場合では「先般」と用いておくと無難でしょう。
また、「貴社」は「あなたの会社」という意味で、相手の会社のことを指しています。
より具体的な意味は後にご紹介します。
さらに「陳謝」とは、「事情を述べて詫びること」という意味があり、「謝罪」よりも丁寧で重みがありますので、謝罪をする場面では「陳謝」を用いた方が良いでしょう。
どのような仕事でも、ミスがないのが最も理想的ですが、仕事をするのが人間である以上、いつかは大なり小なりミスが出てしまいます。
そして発生したミスで取引先の会社や顧客に迷惑をかけてしまった時には、心からの謝罪が求められます。
こちらの事情で相手に迷惑をかけてしまったのですから、ミスの内容によっては信用問題にも発展しかねません。
そのため、謝罪の言葉一つとってもきちんと誠意あるものでなければなりません。
例文では発注ミスとありますが、これを火災や生産トラブル、情報通信機器の故障などと内容を入れ替えることが出来ます。
謝罪の文など使う機会がないのが一番ですが、もし何かトラブルがあった際には参考にしてみて下さい。
例文3
「この度弊社におきましては、毎年恒例となっています地域物産展への出店を予定しております。」この例文では、自分の会社が毎年恒例の地域物産展へ出店をするというお知らせをしています。
取引先の会社や顧客などに宛てて、何かしらのお知らせがある場合にはこのような文章を使うことが出来るでしょう。
今年初めての試みであれば「毎年恒例」の部分を削り、また「地域物産展への出店」部分をお知らせ内容に変更すれば、そのまま文章を使うことも可能です。
また、他の内容であっても、何かの告知をする際には「この度弊社におきましては・・・こととなりました。」のくだりを用いて文章を考えることが出来ます。
️「弊社」に似ている・関連する言葉
「弊社」は、自分の会社を相手よりも下に置いた際に用いる謙称です。
ですが本来の意味は「自社(自分の会社)」ですので、それに似ていたり、関連していたりする言葉もあります。
それら似た言葉の意味をそれぞれにきちんと理解していないと、どのような場面で正しく使えば良いのかが分からずに、うっかり誤った使い方をしてしまうかもしれません。
社会人にもなって言葉使いや敬語があやふやのままでは、上司や取引先の会社から呆れられてしまったり、信頼され難くなってしまったりします。