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弊社とはどういう意味?当社・貴社・...(続き3)

「敬語なんて適当でも、自分に実力さえあれば昇進出来る!」と考えている人も中にはいるかもしれませんが、少なくとも日本国内では、礼儀作法や常識をきちんと身に付けていない人は、どんなに能力があっても辿り着けるところには限界があります。

ものすごく仕事のスキルが高くても、社長に対して無礼な言葉使いをしてしまった結果、会社をクビになってしまうこともあるのです。

一方で、能力はそこそこでも、きちんと正しい敬語や言葉使いが出来、人間関係もそれなりに立ち回れる人の方が、地道ではありますが確実な出世を狙っていきやすいのです。

他の敬語同様に、「弊社」に似た呼称についてもきちんと知っておくと、必要な場面で正しく使いこなすことが出来、周りからの印象も悪くなることはないでしょう。

️社内で自分の会社のことを指す場合

社外で自分の会社のことを指す場合には、「弊社」を用いるということはすでにご紹介しました。

では、社内で自分の会社のことを指す場合には、どのように表現をすれば良いのでしょうか?例えば社外の場合には、「弊社」でなくとも会社の正式名称で相手に伝えることも出来ます。

しかし、同じ会社内の人に対して、会社の正式名称で指すことはまずないですよね。

では自分の会社のことを社内の人に言う時には、何と呼称すれば良いのでしょうか?以下にご紹介していきます。

当社

「弊社」よりも、「当社」という言葉の方が見聞きすることが多いという人もいるでしょう。

「当社」とは、「この会社」や「この神社」といった意味があります。

神社として使うことはほとんどないため、一般的には「当社といえばこの会社」と意味を覚えておくと良いでしょう。

例えば社内で上司が部下に対して、「当社ではこのようなやり方をしているため、あなたも覚えておいてください。」と使うことがあります。

また大勢の集まる企画やプレゼン発表の場で、「当社ではこのようにプロジェクトを進めていこうと考えております。」と言うこともあります。

「当社」は、自分の会社の呼称の中でも比較的丁寧な言い方です。

そのため、社内ではもちろん、社外でも「当社」を用いることがあります。

例えば下請け会社へ対してはこちらがへりくだった言い方をする必要はないため、「当社」を用います。

また、相手に対して自分の会社側の方が自信がある場合にも、「当社ではこのように考えております」と使うことがあります。

当社の例文1

「いつもお世話になっております。先日ご提案をいただきました件について、当社で精査いたしました結果、残念ながらご期待に添えることは出来ないとの結論に至りました。」この例文の場合は、相手を自分の会社と同等か、または下に置いた文章の作りになっています。

丁寧な書き方はされていても、「あなたの提案内容は受け入れられませんよ」とハッキリと断りを入れており、またそれに対して「残念」という言葉を使ってはいても、「申し訳ありません」と謝罪の言葉は使っていないため、会社側の自信を感じさせます。

このように、会社側がへりくだることがない文章の場合には、文章の内容や受け取る側によってはやや不愛想な印象に感じることがあるかもしれません。

そのため「当社」を社外に対して使う場合には、よほど「使ってもいい相手」である必要があります。

当社の例文2

「当社の来期の目標売上は60億円です。みなさん一人ひとりが頑張っていきましょう。」この例文は、会社の社長から社員たちへ向けたものです。

すなわち、社内に対して使われています。

「当社」は基本社内に向けて使われるものですので、社長が社員に使うことはまったく問題も違和感もありません。

また、社内のどの立場の人が使っても問題はありません。

社長や役職を始めとして、一社員でも積極的に「当社」の呼称を使っていけます。

とはいえ、日頃から「当社」と使う機会は実際にはそこまでないかもしれません。

大勢の前で何かを発表する際や、飲み会の音頭の時など、一対多数に向けての時に使われることが多いでしょう。

わが社

「わが社」は「我が社」と書きます。

「私の会社」という意味ですので、もっぱら社内に対して使われています。

「当社」の場合には「この会社」という意味であり、丁寧な呼称ですので、社内の誰が使ってもまったく問題はありません。

しかし一方で、「わが社」の場合には、その呼称を使える人物はある程度限られてきます。

例えば会社に就職し立ての新人が、「わが社ではどのような業務形態をしているのですか?」などと呼称を使っていたら、誰もが違和感を覚えることでしょう。

「わが社」という呼称を使うには、最低でも数年はその会社に勤めている人がふさわしいという暗黙の了解があります。

そのため、社長や部長、課長などの役職者が「わが社をもっと盛り上げていこう!」と言っていれば自然に受け入れられますが、会社のこともよく知らない新人や一社員が「わが社をもっと盛り上げていきましょう!」と言っているのは、誰もが違和感を覚えてしまいます。