「御社」とは、相手が属する会社などを敬った形で表す言葉です。
つまり、まずは相手に対して敬いの気持ちを持ち、その上で相手の会社をいう場合に「御社」と呼称しています。
「御社」は丁寧な言い方であるのはもちろんですが、さらに「貴社」よりも親しげで、柔らかい言葉の響きがあります。
かしこまった場面でも、またややくだけた場面でも用いることが出来る呼称ですので、「貴社」か「御社」かを迷った時には、「御社」と使っておけば間違いはないでしょう。
御社の例文1
「この度は、御社のおかげで無事に成功を収めることが出来ました。ご尽力ありがとうございました。」この例文は、相手の会社の協力もあり、無事に自分の会社のプロジェクトなどが成功を収めた際のお礼の言葉です。
会社同士が関わり合って何かを成し遂げたり、仕事を進めたりした際には、必ず相手の会社に対する感謝の気持ちを表す必要があります。
その際には、相手の会社を敬って「御社」と呼称するのが普通です。
こうした感謝の言葉や挨拶は、ビジネスの世界では日常的に行われています。
そのため「御社」という呼称を使う機会も多く、新社会人になって早々に覚える言葉でもあります。
御社の例文2
「◯月◯日の打ち合わせについてですが、当日は午後1時頃に御社にお伺いいたします。」この例文では、会社同士の打ち合わせの日時についての確認をしています。
このように、ちょっとした連絡のやり取りの中でも、相手の会社を指す際には「御社」という呼称を用いることが多いです。
「御社の考えはごもっともです。」「御社にぜひご確認していただきたいことがございます。」など、あらゆるやり取りの中で、とにかく相手の会社を指す場合には「御社」という言葉を用いるようにしましょう。
普段から「御社」を使う癖をつけておくと、自然と口からその言葉が出せるようになります。
️使い方を間違えると大恥をかく!
「弊社」「当社」「御社」など、同じ会社でも、それぞれの立場によっては呼称がまったく違ってきます。
そのため、どんな相手に対してどんな呼称を用いれば良いのかをきちんと理解していないと、使い方を間違えて大恥をかいてしまうことになります。
例えば相手は自分よりも立場が上の会社なのに「当社」「わが社」と使ってしまったり、また相手の会社は自分の下請けなのに「弊社」と使ってしまったり。
その場や立場に合った正しい呼称を使いこなすことが出来なければ、「教養がない」と馬鹿にされるだけでなく、「なんて失礼なんだ!」と相手の怒りを買ってしまうこともあります。
社会人になった以上は、きちんと敬語を使いこなすことが当たり前に求められます。
敬語の過ち一つで取引がご破算になってしまうことも実際にありますので、自分の発言には責任を持たなければなりません。
「弊社」「当社」「御社」もまた、自分や相手を正式な会社名で表す代わりに用いる呼称です。
うっかり誤用して大恥や責任問題にならないように、くれぐれも注意して呼称を使っていきましょう。
就活や面接でも頻出の言葉なので注意
「弊社」「御社」などの呼称は、社会人になってからしか使わないというわけではありません。
社会人になる一歩手前の、就活の頃から頻繁に用いる機会が増えます。
そのため、学生の頃からある程度使いこなせるようになっておかなければ、就活や面接で大失敗をしてしまうかもしれません。
よく面接の練習で、「御社を希望した理由は~」や、「御社に入社出来たら◯◯をしたいです」など、相手の会社に対して発言する場面があります。
このような場面では、先にご紹介した「貴社」は用いずに、「御社」一択が正しい使い方です。
「貴社」は口頭では相手に誤解を与える可能性もあるため、必ず「御社」と呼称します。
また、「弊社」や「当社」「御社」それぞれの意味をきちんと理解していないと、うっかり面接官の「当社では・・」という言葉につられて自分も「当社に入社しましたら・・」などと誤用してしまう可能性があります。
学生はまだ使い慣れなくて苦戦することも多い呼称ですが、何度も言葉にして馴染ませておくようにしましょう。
会話や文面での違いにも注意
それぞれの呼称は、会話や文面によっても使い分けることがあります。
例えば自分の会社を表現する際に、口頭で「わが社」ということはあっても、それをそのまま文面にすることはありませんよね。
文章に表す際には、「当社」の呼称を用います。
また「弊社」の場合には口頭でも文面でも同じように使いますが、「貴社」「御社」の場合には、「御社」は口頭と文面のどちらにも適用しますが、「貴社」は口頭では誤解を招く可能性があるため、文面としてのみ用います。
このように、会話の中と文面とで呼称を使いわけることも多いため、そうした呼称の違いにも十分に注意しましょう。
️それぞれの会社の呼び名を覚えましょう
それぞれの会社の呼び名をしっかりと覚えておくと、必要な場面でいちいち頭を悩ませることもなく、すんなりと言葉が出てきます。