拝見
「拝見」は、「見ることをへりくだっていう語」や「つつしんで見ること」という意味があります。
「拝受」は「つつしんで受けること」という意味ですので、「拝見」とは意味が違うように思えるかもしれません。
しかし、この「拝受」の中には、例えば目上の人の顔を見るといった行為も含まれています。
そのため、「目上の人の顔を見る」という意味で言葉を使う際には、「拝受」ではなく「拝見」と表現することも出来ます。
「拝受」よりも「拝見」の方がやや柔らかい言葉の印象があり、かつ相手を敬う強い気持ちを表していますので、「拝見」でも十分に代用は可能でしょう。
拝領
「拝領」は、「目上の人から物をいただくこと」という意味があります。
人から物をもらう際には「受け取る」という表現が出来ますが、それが目上の人の場合にはこちらがへりくだる必要がありますので、謙譲語である「拝領」を用いるのが普通です。
「拝領します」「拝領いたします」などの言い回しをします。
「拝領」も、「拝受」同様にビジネスシーンで使われることが多いです。
しかし「拝受」よりはまだ比較的軽くて使いやすい謙譲語ですので、場合によっては「拝領」の言葉で代用することがあります。
例えば会社の社長から成績について評価され、何か特別な褒美をもらうことがあった場合に、「拝領します」と用いることがあります。
受信
スマホやパソコンを日頃から使っている人では、当たり前に「受信」という言葉を用いていることでしょう。
「メールを受信した」「添付ファイルを受信した」「画像を受信した」など、日常の中でも頻繁に「受信」の言葉は使われています。
「受信」の意味は、「電信や電波などを受け取ること」です。
情報通信機器全般や、電波の発生するもの全てに対してこの「受信」の言葉を用いることが出来ます。
そしてまた、「受ける」という部分のみ、「拝受」と同じ意味を持っています。
「拝受」の場合は謙譲語ですが、「受信」はごく一般的な語ですので、会話やメールで使う際には「受信しました」など丁寧語で用いるのが普通です。
️「拝受」の使い方
「拝受」の正しい意味や類語について理解出来たところで、使い方のポイントについてご紹介していきます。
せっかく「拝受」の意味を理解して使い方を覚えても、使う場面やタイミングが合っていないと誤用になってしまうことがあります。
また、不自然にへりくだった印象になってしまうと、相手からのこちらに対する印象も下がってしまいますので、しっかりとポイントを押さえて使っていきましょう。
以下にポイントを挙げていきます。
目上の人に使う
「拝受」は謙譲語です。
謙譲語とは、目上の人に対してこちらがへりくだった表現をする語ですので、使う相手は当然目上の人になります。
例えば会社の取引先で、こちらの会社の方が立場が下なら「拝受」と使うのは正解です。
しかし、こちらの会社の方が立場が上の場合には「拝受」を用いてはいけません。
その場合には「査収しました」「受け取りました」などの言葉を使いましょう。
丁寧な印象になるからという理由で目下の相手に対して謙譲語を使うと、相手が困惑してしまいます。
相手を困らせないためにも、不自然な謙譲語や誤用は避けて、正しく使っていきましょう。
「拝受しました」「拝受致しました」
先にもご紹介したように、「拝受しました」と「拝受致しました」の2つの言い方があります。
「拝受致しました」の場合には二重敬語になるためおかしいとする説もあれば、このままで合っているとする説もあります。
今のところ、どちらの使い方の方が正しいという結果は出ていません。
そのため、目上の相手に対してより丁寧な言い回しをしたいと考える人では、「拝受致しました」と使うことが多いです。
この考えを持っている人の場合、「致しました」「いただきました」などのかなり丁寧な言い回しを好みますが、あまり頻繁に用いたり、1つの文章の中で何度も用いると、くどい印象になってしまうこともありますので、前後の文章に注意しながら使いましょう。
また、「拝受しました」という言葉はシンプルですが、「拝受」という言葉だけで相手に対する敬意の気持ちは表現出来ていますので、その言い方だけでももちろん問題はありません。