顧客に対してさまざまなサービスを提供する会社はたくさんありますが、社員一人ひとりが決まった客を担当することなく、常に不特定多数の客を相手にする場合にはわざわざ「クライアント」と使うことはありません。
実際に飲食店やショップ店員のように、大勢の客を相手にするサービス業の仕事をしている人で、「クライアント」と口にしている人はあまりいないでしょう。
一方で、社員一人ひとりが自分の顧客を持っている仕事の場合には、顧客のことをクライアントと呼ぶことがあります。
そのクライアントも、担当する社員によってまったくバラバラです。
一口に「自分のクライアントが~」と言っても、他の社員にはそのクライアントが誰のことを指しているのかまでは分からないことが多いです。
患者
医療関係の仕事に勤務している人たちの間では、クライアントは患者のことを指すのが一般的です。
ある医者が、自分の担当している患者に関して意見を述べる際に、「私のクライアントには◯◯の症状があり~」などと使うことが多いです。
医療の面から見ると、患者一人ひとりはあくまでも医療機関を利用する患者の立場であって、そこに個人情報や氏名などはあまり重要視されていません。
そのため、患者のことを口に出す際には個人名ではなく、クライアントという呼び方であることが多いのです。
最近では個人情報の取り扱いにも厳しくなっていますので、患者の氏名を口にするよりも、クライアントと代わりの呼び方をする方が、都合が良いとする考えもあります。
コンピューター・アプリケーション
クライアントには、コンピューター・アプリケーションという意味もあります。
コンピュータの世界では、サーバーへサービスの提供依頼を行って、そのサービスの提供を受ける側のコンピュータや、またアプリケーションなどのことをクライアントと呼んでいます。
これらは一般家庭でも当たり前に目にするものです。
分かりやすく例えるなら、私たちが日頃使っているパソコンのwebブラウザーもクライアントソフトウェアです。
またパソコン自体もクライアントマシンやクライアントコンピュータという呼び名で使われています。
私たちが当たり前にパソコンを利用しているという、それ自体がサーバーからパソコンがサービスを受けている状態なのです。
このように、顧客であれ依頼主であれコンピューター・アプリケーションであれ、クライアントという名がついているものはすべて何らかのサービスを受けている側ということになります。
クライアントの使い方
クライアントの意味や定義が分かったところで、次はクライアントの使い方についてご紹介していきます。
せっかく意味が分かっても、使い方が間違っているとその場の雰囲気を乱してしまったり、または恥をかいてしまったりする可能性があります。
クライアントという言葉をよく使う職種であれば、当たり前にそれを口にしますが、普段は口にしないような職場で「クライアントが~」と口にすると、聞く人によってはわざとらしい、気取った印象に思えてしまいます。
「わざわざクライアントなんて言い方をする必要があるのか?」と怪訝に思われてしまうかもしれません。
そのため、その場に相応しくない使い方をしてしまわないためにも、きちんとクライアントの使い方についても覚えておきましょう。
クライアントとのアポを取る
「クライアントとのアポを取る」といった使い方をする場合、そのクライアントは依頼主や顧客を指すことが多いです。
アポとはアポイントメントのことですので、依頼主や顧客との会合や面談の約束を取り付けようとする際にこうした使い方をすることがあります。
自分が担当するクライアントがいて、そのクライアントと次の打ち合わせについて相談する際に、「クライアントとアポを取ります」と言ってクライアントへ連絡をするのが一般的です。
自分一人だけでクライアントにアポを取る際には、わざわざそれを口にする必要はありません。
そのため、こうした使い方をする場合には、上司や同僚に対して自分がこれからクライアントにアポを取るという意志を伝える際に用いることが多いでしょう。
クライアントの依頼を受ける
クライアントとは、継続的な契約関係にあることが多いです。
そして契約をしている以上、度々何らかの仕事の依頼を受けることもあります。
そうして依頼を受けた際には、「クライアントから依頼を受ける・受けました」といった使い方をすることがあります。
クライアントからの依頼内容は、依頼を受ける会社によって実にさまざまです。
商品や物品の発注もあれば、クリエイティブ関係の仕事の依頼もあります。
また、広告関係の仕事の依頼もあれば、デザイン系の依頼や、探偵のような仕事の依頼もあるでしょう。
そうしたさまざまな仕事の依頼を受けることを、一言「クライアントから依頼を受ける」と表現することがあるのです。
クライアントの課題を解決する
クライアントによっては、さまざまな課題を抱えている場合があります。