あれれ?四国地方というと、さきほど「しんどい」という意味で「疲れた」ことを表現するとお伝えしましたよね。
そう、方言というのはこの四国地方に関わらずひとつの言葉に対していくつもあるものなんです。
要するに四国地方では、「疲れた」という気持ちを「しんどい」と「せこい」で使うということなんです。
少し理解しがたいかもしれませんが、そのまま受け止めましょう。
たいそい
「たいそい・・・だと!?」なんてあまり聞きなれない言葉にびっくり仰天、腰を抜かしてしまった人もいるのではないでしょうか。
このように標準語でも使われていない言葉となると理解しやすいですよね。
あなたはモノのレベルとか重さなどを表現する言葉として「たいそう~である」という言葉を知っているでしょうか。
この「せいそい」とは、まさにその言葉で覚えると覚えやすいかもしれません。
たいそう疲れてしまっている状態なんですね。
中部地方(石川)
この言葉は、主に中部地方の、しかも石川県で使われています。
そのため、石川県の方と交流するときには「この人何をいってるんだろう?」と最初のうちは理解できないかもしれません。
しかし、これまでの方言もそうですが「疲れた」という言葉を使うときの表情ってありますよね。
元気よく「疲れたゼィッ☆」なんて言う人なんていないはず。
その表情にも注目してみると分かりやすいかもしれないですね。
せつない
「せつない」というと、標準語を使用している人や多くの人の知見では「切ない」という漢字が頭に浮かぶはず。
ずばり、心がもの寂しくなる気持ちを表しているんですね。
しかし、この言葉を「疲れた」と表現する地域では、まったくそのような意味合いでは「せつない」という言葉を使いません。
体が疲れすぎて悲鳴をあげているので、心がせつなくなってしまうんです。
そのため、「せつない」で「疲れた」という意味合いになります。
北陸地方
これまた「せつない」という方言は、北陸地方で使われています。
四国地方と同様に北陸地方もひとつの言葉にたいして、いくつもの方言をもっている地域なんです。
そのため、さきほどご紹介した「だるい」と同様に「せつない」も「疲れた」という意味になります。
その他珍しい「疲れた」の言い回し
これまでに「疲れた」という言葉にたいしてなんらかの方言をもっている地域、そしてそれがどのよに表現されていたのかをお伝えしてきました。
すでにご紹介してきた方言だけでも「こんな言葉で”疲れた”なんて伝えられても分からないよ!」なんて感じてしまっていることでしょう。
しかし、これまでにお伝えしてきた「疲れた」の方言はなんとなく想像力を働かすことが出来れば、「疲れた」という言葉の意味につなげることができるもの。
しかし、そのような考えだけではまったく想像できないような方言も存在しているんです。
ここでは、特に珍しい「疲れた」という言葉の方言をお伝えします。
がおる
「が、がおるだと・・・!?」なんて白目を向いてしまった方がいるかもしれません。
しかし、実際にこの方言を使っている地域では日常茶飯事に「疲れた」という気持ちを「がおる」という言葉で表現されているんです。
宮城県のいたるところで聞かれる言葉なのですが、特に”仙台弁”として使われていることが多いです。
仙台というと、宮城県の県庁所在地でもあるので観光の拠点にする方も多いのではないでしょうか。
そんな東北の中でも都会といわれている仙台にも、方言が存在してます。
また、「がおる」は疲れたという意味だけではなく、元気がなくなっている様子や病気などで体や心が弱っている状態をあらわすこともあります。