正しくは「モラルハラスメント」といい、それを略して言いやすい形にしたのが“モラハラ”という言葉になります。
もともと英語圏から出てきた言葉なので、スペルで確認するとmoralharassmentになります。
モラル(moral)とは、「道徳」、ハラスメント(harasment)というのは「いやがらせ」という意味ですね。
つまり、モラハラとは「道徳に反するような嫌がらせ」であるということができます。
もっと詳しく意味を見ていきましょう。
モラハラは”精神的な嫌がらせ”
モラルハラスメントという言葉は、「目に見えない心の傷を負わせられること」をさしています。
例えば、”暴力”といえば、あなたはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
おそらく、殴られるとか蹴られる…なんていう”目に見える暴力”なのではないでしょうか?それももちろん”暴力”のうちのひとつとしてとらえることができます。
しかし、そのように目に見える暴力というのは、現代社会では減ってきているような気がしませんか?
ひとむかし前では学校などの教育の現場では、必ずのように体罰が行われていました。
現代社会でそのようなことをするとすぐに問題になるだけではなく、社会生活を営んでいくのがとても難しくなるんですよね。
それでも人々というのは、相手に感じている感情を抑えることができないこともあります。
そんなときに起こしてしまうのが”モラルハラスメント”なんですね。
意識的にモラハラをする人もいれば、無意識的にやってしまっている人もいるので大問題です。
ずばり、「モラハラ」というのは、言葉による暴力、もしくは態度による暴力によって行われる”精神的ダメージを与える暴力”のことをさしています。
また、目に見える暴力とはちがい、これってなかなか他者に伝わりにくいですよね。
身体的暴力であればアザができたり、傷を負うので周りの人も助けることが可能です。
しかし、モラハラを受けてもその受けた本人が我慢してしまえば、それは「なかったこと」にもできるわけです。
要するに現代社会でいわれている”モラハラを受けている人の数”というのは氷山の一角にすぎず、潜在的にはもっと多くのモラハラを受けている人がいると想定できます。
イルゴイエンヌという人が提唱した
どの言葉でも誰かが作り出したり、どこからか誕生しているものです。
今回テーマにしている「モラハラ」という言葉は、イルゴイエンヌという学者さんが提唱した言葉になります。
彼は「目に見える暴力は罰せられるのに、そうではない罰に関してはなにもいわれることはないのはおかしい」と感じたんですね。
つまり、精神的なダメージもれっきとした”暴力”であり、肉体的にあびせた暴力と同じように罰則されたり、犯罪として認められるべきだと主張しました。
おそらくモラハラを受けている人こそ、そのように感じたことは一度でもあるのではないでしょうか。
もともと彼はセラピストだったこともあり、モラハラで悩んでいる患者さんと多く接していました。
そして、そのモラハラというものが普通のストレスとは違って、かなり深い精神的な傷を負わせることまでも知り、警笛を鳴らしたのです。
このままではまずい…と。
それもその患者数が増えていることも問題としてあげています。
このような人が気づかなければ、現代になってもなお”モラハラ”である精神的な暴力は見過ごされていたかもしれません。
また、彼はモラハラのことを”殺人鬼”とまで表現しています。
最近認知度が上がってきた
「モラハラ」というのは、今になって始まったのではありませんよね。
ひとつ前の項目でお伝えしたモラハラの提唱者イルゴイエンヌは、1998年にそれを考えています。
とはいっても、「モラハラ」という言葉がこれほどまでに普及したのは、最近になってからなんです。
さきほどもお伝えしましたが、そのようなモラハラで悩んでい潜在的な被害者がぞくぞくとそれを主張するようになったり、社会全体としても「これはまずい」というような視点をもつようになったんですよね。
これまではヤ◯ザなどに代表される肉体的なダメージ・暴力が注目されていましたが、それが減った世の中ではモラハラのような目に見えない形の暴力がいたるところに隠されているのです。
それにまさか自分がモラハラを受けているとはわかっていない人も、テレビや雑誌などで特集されることによって“モラハラ”を受けていたこと、そしてそれが大問題になりつつあるということを認識しています。
おそらくこの記事を読むまではモラハラという言葉に対して深い理解をしていなかったものの、その言葉だけでも「どこかで見たこと」があったはずですよ。