「そんなあかん」は「そんなことはいけない」という意味です。
女性がそんなに好意を持っていない男性の誘いを断る時には結構気を使うものです。
あまりにきつく拒絶したら、相手が気分を害して恨みを買うかもしれません。
そんな時にも大阪弁というのは一役買ってくれます。
「あかんわ」とか「できへんわ(できない)」、「やめとくわ(やめておきます)」などの大阪弁を使って断ることで、やんわりとワンクッション入ったような感じになるので、断られたほうも、そこまで腹が立つということもないと思います。
付き合ってるの、誰にも言ったらあかんで
大阪弁で女性にこんなことを言われたら秘密を守ろうとするでしょう。
関西圏以外の男性は大阪弁を話す大阪の女性と付き合うことに憧れている人も多いと聞きます。
それは、こういったようなセリフを大阪弁で行って欲しいという願望があるからではないでしょうか。
映画やドラマでかわいい女優さんが大阪弁で話しているのなどをみると大阪の女の子っていいなあと思うことが多々あります。
昔はテレビなどで女性が堂々と関西弁を話すことなど、ほぼ皆無でしたが、今は関西出身のタレントなどは堂々と関西弁、大阪弁を話しています。
そんな言わんといて
そんなこと言わないでという意味ですが、やはりこれも標準語より柔らかい印象を受けます。
関西人は全体的に人懐っこく、誰にでもフレンドリーというイメージがありますが、その理由としては関西弁の柔らかさにあるのだと思います。
標準語なら角が立つので言わないようなことでも、大阪弁などならそこまで角がたたないので言うことができる。
ズバズバ言い合うのでそれだけ距離が縮まりやすくなります。
こんな方言もあるの?面白い大阪弁
全国的にはあまり知られていない大阪弁というのは結構あります。
他県の人が聞くと何のことを言っているのかがわからないと思いますが、大阪人にとっては聞きなれた言葉です。
ここでは普段馴染みのない珍しい大阪弁を紹介したいと思います。
こそばいやんか
「こそばい」は「くすぐったい」という意味です。
ですから「くすぐったいじゃないか」ということを言っているのです。
くすぐるというのは「こそばす」という風に言います。
但馬地方ではでは「こそばいい」とも言うようです。
「こそばい」がくすぐったいという意味を持つというのは、大阪弁だけに限らず、京都の言葉でも同じ意味を持っています。
関西圏なら全ての地域で通じる言葉でしょう。
ただ、「こそばゆい」という言葉は標準語でもありますので、関西以外の人でも意味を理解できる人は多いと思います。
大阪弁なんだけれど、他県の人も意味が理解できそうな言葉としては「ぬくめる」というのがあります。
ぬくめるは「温める」ということです。
コンビニなどで、勝った弁当などを温めて欲しい時に「これちょっとぬくめといてくれる?」と頼むわけです。
「ぬくめる」は温かい、ぬくもりなどからイメージがしやすいのではないでしょうか。
モータープール
さて、これはなんでしょうか?
ある名詞を指しています。
プールなので泳いだりできる施設かなんかをイメージする人も多いかもしれませんが、正解は駐車場のことです。
モーターは自動車を指し、プールはプールする(溜める)という意味で、自動車を溜める場所=駐車場ということなのです。
東京などの関東圏の人は全く馴染みの薄い言葉でしょう。
関西でも若者はわからない人も多いのではないでしょうか。
何十年と続く古い駐車場などは、今でも堂々と「モータープール」と看板を掲げて商売をしています。
逆に、比較的最近にできた駐車場は、そういった表示をしているところはほとんどないように思います。
炊いたん
まず「炊く」という動詞ですが、関西以外の人々にとって「炊く」といえば、お米を炊く時にしか使わないと思います。
しかし、関西圏で炊くというと「煮る」ことや、料理などを火力で温める時にも「炊く」を用います。
ですから「かぼちゃの炊いたん持ってきたったで」と言うのは、「かぼちゃの煮物を持ってきてあげたよ」という意味になります。
動詞「炊く」の使い道が、関西ではいろんな意味を持っているということになります。
一つの動詞が関西だけ別の意味を持っているという例は他にもあります。
これは兵庫県の一部だけですが、「めげる」という言葉です。
めげるというと、普通は落ち込む、意気消沈するとかいった意味を想像すると思いますが、兵庫の一部でめげるは、物が壊れるといった意味を持ちます。
「この時計がめげた」は「この時計が壊れた」という意味で使うのです。