そんなときには“枕詞”のような前置きとして使うことが前提になります。
さきほども例に挙げていますが「僭越ではございますが…」というんですね。
そのあとに、本当に伝えたい事、身分不相応なことを伝えることになります。
「僭越ではございますが…」なんていう枕詞が含まれている言葉を使うことによって、相手に失礼な気持ちをさせなくて済むこともあります。
代替の表現
これまでに「僭越」という言葉をどのようなシーンで使えばいいのか、またその言葉にはどのように使うことで効果的に使うことができるのかについてお伝えしてきましたね!
しかし、それでもまだ「僭越」という言葉についてなかなか理解できない・・・それに自分なんかがこんな難しい言葉を使うこと自体が“僭越”だと感じる人もいるかもしれません。
そのような方たちのために、ここでは「僭越」という言葉を代替するにふさわしい言葉をいくつかご紹介しています。
それぞれ例文などを確認しながら、「僭越」と同じ意味を持っていることを確認していきましょう。
ぶしつけながら
「ぶしつけながら」という言葉は、「無礼ながら、礼がなっていないけれども、不作法なさま」という意味を持っています。
漢字にすると「不躾」とかくことができます。
“躾”というのは、子供のころから誰もが親から受けているものですよね。
それがなっていない、しつけをされていないくらいに無礼なことをしているというニュアンスがあるといえば、わかりやすいのでは煮ないでしょうか?この言葉は、「無礼である」ということを自覚しているということで「僭越」という言葉に言い換えることができます。
例えば「ぶしつけながら、今回は欠席させていただきます」というと「失礼なことはわかっているのですが、今回は欠席します」という意味になりますね。
これは本来は欠席するような立場でもないということになります。
そのため、「僭越」と言い換えることが可能だということですね!
差し出がましいようで恐縮ですが
この言葉は二つの言葉が合体していますね。
「差し出がましい」という言葉、そして「恐縮だ」という言葉になります。
「差し出がましい」というのは「しゃしゃりでること、余計なことをいうこと」という意味があります。
そこに「それを申し訳なく思っている」というへりくだった言い方である“恐縮ですが”という言葉をつけることによって、申し訳なく思っているけれどもこれだけは言わせてもらう…というニュアンスの言葉になります。
このようなニュアンスは、「僭越ではございますが~だと思います」と主張するときの“僭越”と同じ意味を持っていますよね。
自分の立場をわきまえているし、相手に失礼になることもなんとなくわかっている。
それでも黙っていることができないということになります。
そのため、「僭越」という言葉と同じ意味として使うことができるようになります。
恐れながら
「恐れながら」というのは「恐縮ですが、失礼だとわかってはいるのですが」という意味になります。
この言葉は日常生活の中でもよく使われる言葉ですね。
そのため、「僭越」という言葉を使うことに少し抵抗を感じるのであれば、この「恐れながら」という言葉に言い換えて使うのがいいでしょう。
「恐縮ですが」と感じているといことは、心の底に「これからすること/いうことが申し訳ないと感じている」という意味になりますよね。
つまり、自分を相手よりも下の身分にみていたり、さらにはそのような状況で伝えるのも申し訳ないことだと自覚しています。
これは「僭越」という言葉の意味とピッタリあてはまるので、「恐れながら」という言葉と「僭越」という言葉はイコールで結ぶことができるということになります。
失礼を顧みず申し上げますと
この言葉は「失礼だと思っていますがそれを気にせずにあなたに伝えますと…」という意味になります。
これはかなりくだけた表現方法にしていますが、それでも「僭越」という言葉と同等の意味を持っているということができますよね。
「失礼だと思っている」ということは、「僭越」という言葉の意味にも含まれていたように「自分自身の身分や立場が低いこと」をしっかりとわきまえているということになります。
そのため、「僭越」という言葉とほぼ同じ意味として使うことができるんですね!「僭越ではございますが…」というような枕詞として、「失礼を顧みず申し上げますと」というように使うことができます。
出過ぎた真似かもしれませんが
「僭越」という言葉には、自分の持っている度合いを超えるという意味がありました。