その違いを認め合うためにはコミュニケーション以外の方法はありません。
これが不足しているなら当然溝もできます。
ドラマや映画ではお互いの気持ちを表情などから察し合うシーンがありますが、あれは台本にそう書いてあるからできることです。
ト書きに“悲しそうな表情”と書いてあるから登場人物たちは「今は悲しんでいるんだな」とわかっているわけですし、視聴者もカメラワークや照明の雰囲気、BGMでどんな表情なのかを読み取っているに過ぎません。
日常生活ではどんな気分でもライトもBGMも変わってくれません。
それに、ドラマにしても「実はあの表情はこんな意味でした~」と騙されることすらあるのですから、どんな表情として相手に伝わるかなんてわかるはずもないですよね。
夫婦の溝が生まれるのを防ぐ対策法
今どんなに仲が良い夫婦でも、当たり前化を始めとして潜在的に溝ができる原因を抱えていることがあります。
溝になってしまわなないように、対策法を見ておきましょう。
意識するだけでも、これからずっと仲良く過ごすことができるはずです。
相手の話をよく聞く
コミュニケーションをとろうとすると、一方的に話しかけてしまう人が大半ですが、コミュニケーションをとるためには相手に話をさせることからスタートすると上手くいきます。
一度しっかり聞いてくれることがわかると、その後は自然と向こうからも話しかけてくれるようになるからです。
しかし、この“よく聞く”というのは結構難しいです。
よくある小手先の「聞き上手テクニック」というのは全然効果を発揮しません。
相手の目を見る、頷く、相槌をうつ、相手が話終えるまで口を挟まないなどなど。
こんなものは、相手の性格や二人が今まで構築してきたコミュニケーションの方法に合っていなければ何の役にも立たないのです。
まずは二人でゆったり話をする時間をとること。
「時間はいっぱいあるのに話にならない」と思うなら日々の時間の過ごし方を振り返ってみてください。
もし会話もないからしかたなくスマホやテレビを眺めているのだとしても、相手から見ればスマホやテレビを見ている人に話しかけたくはなりません。
慌ただしく動きまわっているなら尚更です。
あるいは、何を話しかけてもすぐに引き取ってしまうなら注意しましょう。
相手が話したいことを十分に話せていないのにすぐ自分に会話のターンを持ってきてしまう人とは次も会話をしたいとは思えませんし、どんな話題も自分の価値基準だけで押し通されてはストレスも溜まります。
聞き上手の本質は話させ上手です。
自分の価値観や考え方、他愛もない話を否定せずに受け入れてくれる雰囲気、手遊びを挟まずに自分のためだけに時間を使ってくれる余裕と安心感が重要で、小手先のテクニックうんぬんではありません。
自分が話しかけたくなるような空気を作れているかを見直してみてはいかがでしょうか。
基本的な挨拶を欠かさない
同じ空間にいるからこそ基本的な挨拶は大切です。
おはよう、おやすみ、いってきます、おかえり、ただいま、いただきますなど、なんでもない1日の間にもこれだけの挨拶があります。
挨拶なんてどちらかがすれば返ってくるものです。
もしそれでも相手が返さなかったり、自分が挨拶する気にもなれないなら、既に溝はできています。
根源にどんな理由があるのかを検討するべきです。
「ありがとう」
“当たり前化”を防ぐためには「ありがとう」を言葉にするのが効果的です。
「ありがとう」が効果をもたらすのは、相手に対する感謝を自覚するという点にあります。
「生きていてくれてありがとう」なんて壮大かつ漠然と言うわけではありませんから、何かしら相手に感謝したいことを探すはずです。
そこで今まで当たり前のように感じていたことも、感謝すべきだったと改めて実感できるようになります。
感謝すべきことが見つからないと思うなら、1人で暮らしていると想像してみましょう。
どちらかの収入で暮らしているなら、毎朝満員電車に揺られながら、職場でも大変な思いをして、2人が生きていくに十分なお金を稼ぎ、宝くじでもあたればすぐにでも辞めてやるような仕事を続けてくれていることは大いに感謝してしかるべきです。