というのも、江戸時代において”優秀だ”と幕府から認められた人―なにかしらの功績を残した人―に対してそれなりの”官位・位”などを与えることを認めた、ということを示すために「受領」という言葉が使われていたんです。
現代では「モノやお金をうけとること」として使うことのできる言葉ではありますが、江戸時代においては「幕府が認める」という意味でつかわれていたということになりますね。
現代ではこのような表現で「受領」という言葉は使われませんが、このような意味合いとして使われていた事実があるということも一つの知識として頭に入れておくといいでしょう。
「受領」の読み方
これまでに「受領」という言葉には、いったいどのような意味があるのかについてお伝えしてきましたね。
もうその言葉の意味を理解することはできたのでしょうか。
おそらくできているかと思いますが、そのなかには「読み方がわからないのよね」なんていう方もおられるはずです。
たしかに、よく見かける言葉とはいえ、読むことの難しいと感じる言葉ってこの世の中にはたくさん存在していますよね。
そのなかに「受領」という言葉が含まれてしまっている人も少なくはないでしょう。
ということで、ここでは「受領」という言葉の読み方について解説しています!
「え?解説するまでもなくない?」なんて思っている方もおられるかもしれませんが、「受領」という言葉には、二通りの読み方がありますし、それぞれに使うシーンが異なるのでそのことについてしっかり把握しておきましょう。
この読み方も間違ってしまえば、とても恥ずかしいことになってしまいますからね!
じゅりょう
多くの人が「受領」という言葉を“じゅりょう”と読んでいます。
ずばり、さきほどお伝えした「お金やものなどを受け取るとき」に使うのがこの読み方の「受領」になります。
つまり、現代では「じゅりょう」という読み方で使われているということになるんですね。
まちがっても「じゅりょ」「うけりょう」なんて読まないように気を付けましょう!
ずりょう
「受領」という言葉には、「じゅりょう」という読み方のほかにも別に読むことのできる言葉があります。
それはずばり「ずりょう」という読み方なんですね。
どのような意味を持っているかといいますと、さきほど「受領」という言葉の意味でお伝えした二つの目の意味合いとしてこの言葉を使うときの読み方になります。
つまり、歴史上における読み方になります。
さきほどは、“江戸時代”において使うことのできる言葉ということでしたが、「ずりょう」という読み方をするのは“平安時代”のことまでにさかのぼります。
それも江戸時代のものとはちがって、国の官僚などについた人がもともとついていた人(前任していた人)から引き継ぎを得るときに使う言葉になります。
現代のビジネスシーンでも引継ぎはありますが、なんと平安時代にはすでに「ずりょう」という言葉で引き継ぎ作業が行われていたんですね!
それだけ「ホウレンソウ」がどんなに大切なのかを身に染みて感じることができるのではないでしょうか。
「受領」の使い方
すでにいろいろな角度から「受領」という言葉について解説してきましたね!
そのように意味を理解するだけでもすぐにこの言葉を使いたくなってしまう人もおられるのではないでしょうか。
そのような方こそ、「受領」問言葉の使い方に気を付けてほしいんです!
というのも、人というのは新しく知った言葉を“深く理解しないまま”に使うことによって間違った使い方をしてしまうことが多いからなんですね。
そのようなことにならないために、ここでは「受領」という言葉の使い方についてお伝えしています。
それぞれの例文を見ることで、「受領」という言葉がどのように使われているのかを確認していきましょう。
上記、確かに受領しました。
この文章は、どのような意味を持っているでしょうか?まずは意味を考えてみましょう。
ずばり「上の件については、たしかに了承しました(受け取りました)」という意味になりますよね。
つまり、“上記”に当たる部分に相手側からの要求するものが記載されていたのでしょう。
そのことを飲み込みますよ、受け入れますよ、という意味合いになります。
これはモノや金銭だけではなく、取引における“条件”であることもすくなくありません。
つまり、「受領」という言葉は、モノやカネなどの見えるものだけではなく“見えないもの”までにも使うことができるということになります。