そして、自分が何をしてもどうにもならないなら、執着したところで物事が好転するはずもないことがわかるでしょう。
悪口大好き人間による悪口で悲しい思いをしても、そいつは悪口を言うのが好きなのですから、こちらが悪口の内容部分を改善しても、また別のことで悪口を言うのです。
いたちごっこで考えるだけ無駄です。
この悲しみが自分を強く成長させていると解釈しよう
そう思うとそうなる、というプラシーボ効果みたいなものです。
なんの効果もない小麦粉を錠剤に固めたものを、病気の患者に「めちゃくちゃよく効く」と詳細な説明をして飲ませると状態が回復した患者が多いという事例は実験によって証明されています。
ただ安静にして寝ていれば3日で治る風邪も、薬を飲むことで3日で治ったのであって、飲まなければもっと長引いていただろうと考える人も多く、飲まないことで実際に長引いてしまうという人もいます。
薬を飲むか飲まないかという安心感の違いです。
思い込みは人を強くします。
言ってみれば、今悲しくても、それ自体が悲しいという思い込みなので、この経験が自分を成長させているのだと思い込むのも簡単なことといえます。
ポジティブな受け止め方が大切
悲しみを忘れたい、対処したいと思う時点で結構ポジティブになってきている証拠です。
忘れたいと思うということは、その悲しみを与えた出来事は既に過去のものとして捉えられているということに他なりません。
過去のことだと認識さえできれば、あとはどうにでもできます。
そのまま放っておけば忘れられるし、自分を成長させてくれた経験だと思うことでポジティブな記憶に上書きもできるし、笑い話にしたり、思い出話にすることだってできます。
まとめ
幾度か記載しましたが、悲しみはその質によって、無理矢理消し去ることだけを良しとするようなものではありません。
当然ながら、悲しみの渦中にいる人間に対して「そんなものはまやかしだ、いいかげん立ち直れ」などと言い捨てる権利は誰にもありません。
本人が、まだ悲しみの中に身を置きたいと願うなら、それもそれで良いのです。
でも、もし悲しみの中にいるのが辛くて抜け出したいなら、自ら対処していきましょう。
悲しみを周囲にアピールしても、効果的な手助けをしてくれる人に出会えることなんてまずないのですから、自分のことは自分で大切にしてあげるのが回復への一番の近道です。