例えば自分が一社員で、接する相手が自分の会社の会長や社長だった場合、どう考えても相手の立場の方が圧倒的に上ですので、まさに頭が上がらない思いをすることでしょう。
また、例えば過去に自分が原因で酷く傷つけてしまった相手がいた場合、その相手に引け目を感じて強く出られなかったり、頭が上がらなかったりすることもあります。
そのため自分よりも圧倒的に立場や力が強い人や、また自分が引け目や負い目を感じる相手の場合には、「頭が上がらない」という言葉を使うことが多いです。
違いを理解して、使い分けが大事
「頭が下がる」と「頭が上がらない」では、意味が異なりますので正しく使い分けることが大切です。
例えばあなたが心から尊敬出来る人がいるのなら、その相手に対しては「頭が下がる」思いでしょうし、また例えばあなたよりも圧倒的に立場が上の人を前にした時には、「頭が上がらない」状態になるでしょう。
「この人には本当に申し訳ないな・・・」と引け目や負い目を感じる相手に対しても「頭が上がらない」状態になるでしょう。
このように、自分と相手の立場や自分が相手に対して抱く感情によって使い分けが出来るようになっておきましょう。
目上の人への使い方
「頭が下がる」という言葉は、どの立場の人に対しても使える言葉なのでしょうか?
実は目上の人に対して使う時には、それなりに注意して使う必要があります。
うっかりその場に相応しくない使い方をしてしまうと、目上の人からは「失礼なやつだ」と思われてしまいかねませんし、こちらは尊敬の意を示そうとしたのに誤解を与えてしまい、怒られてしまう羽目になるかもしれません。
そのため、目上の人に対して使う時には注意する必要があります。
どんなことに気をつければいいのかを以下に挙げていきます。
「頭が下がる」は避けるのが無難
基本的に、「頭が下がる」という表現は目上の人には使わないようにしましょう。
「頭が下がる」という言葉自体は、相手に対する尊敬や敬意を示すものですので、一見目上の人に使ってもおかしくないように思えます。
しかし実際には、口にすることで何となくこちらが上から目線になってしまうことがありますので、使用は避けた方が無難でしょう。
例えばもしもあなたが数字の専門家であり、何の専門家でもない素人から「頭が下がりますね~」と言われたら、何となく違和感を覚えませんか?
数字のプロなら数字に詳しくて当たり前ですので、それを一々「すごいですね」「流石ですね」と言われるのは、プロに対して失礼に値することがあります。
もっと簡単に例えるなら、社会人になって10年目のベテラン社員に対して、新入社員が「仕事が出来るなんてすごいですね」と褒めるようなものです。
使い方によっては目上の人を小馬鹿にしているようにも感じられてしまいますので、例え相手に尊敬や敬意の念を抱いていても、「頭が下がる」という言葉は使わないようにしましょう。
直接、感謝していると伝えるのが良い場合も
「頭が下がる」という言葉の中には、敬意や尊敬の気持ちの他にも、相手に対する感謝の気持ちが込められています。
そのため感謝の言葉を口にするつもりで、「本当に頭が下がる思いです」と使うことがあるかもしれませんが、やはり目上の人にはその表現は避けた方が良いでしょう。
感謝の気持ちを伝えたいのであれば、他の言い回しをするのではなく、ストレートに「有難うございます」や「大変感謝しております」と感謝の言葉を述べた方が相手に与える印象も良いでしょう。
第三者には使っても構わない
「頭が下がる」という言葉は、第三者の立場からであれば目上の人に対して使っても良いでしょう。
問題は目上の相手に対して直接使ってしまうことですので、間接的に第三者の視点から「あの人には頭が下がるね」と使う分には違和感なく使うことが出来ますし、立場の違いもさして気にする必要はないでしょう。
使い方を間違えないように
「頭が下がる」と「頭が上がらない」は、どちらも一見同じような言葉に思えます。
そのため詳しい意味を知らないと、間違って使ってしまうことも多い言葉です。
社会に出てからも誤った使い方をしていると、周りからは「教養のない人だ」と思われてしまい、笑われてしまうことになりますので、自信を持って言葉を使うためにもきちんと正しい意味や使い方の違いを理解しておきましょう。