誰かが人一倍すごいことをした時や、自分が心から「この人はすごい人だなぁ」と感服した時などに、その人に対して「頭が下がる」と評することがありますよね。

直接本人にそれを伝えることもあれば、本人のいないところで噂することもありますし、心の中でひっそりとそう思うこともあるでしょう。

そんな「頭が下がる」という表現は、社会人になってからは何かと使う機会も出てきます。

とくにビジネスシーンで使われることも多いため、言葉の意味や正しい使い方をきちんと理解しておいた方がいいでしょう。

「頭が下がる」という言葉について、また似た言葉の「頭が上がらない」についてもご紹介していきます!

「頭が下がる」とは?

人には出来ないことをやってのけた人や、誰からも認められるような功績を残した人に対して、「まったく頭が下がります」などと言うことがあります。

日本人は他人に対して敬意を示す際や謝罪の意を示す際にはお辞儀をしますので、そのお辞儀をする動作からも「頭が下がる」という言葉が生まれたと考えられています。

実際にこれまでの人生の中で、あなた自身が「この人には本当に頭が下がるなぁ」と感じたことが一度でもあったことでしょう。

例えばどうやっても勉強やスポーツで勝てない相手だったり、自分に出来ないことをやってのけた人だったり、とにかく自分が心から尊敬出来るような相手に対して、「頭が下がる」という感情は自然と湧いてくるものです。

とくに素直に人の良いところを認めることが出来る人ほど、人生の中で頭が下がる思いをした回数が多いことでしょう。

頭が下がることは相手に対して敬意を示すことですので、何度頭を下げたところで少しも悪いことではありません。

むしろ、素直に頭を下げることが出来るのは、それだけその人の心に素直や純粋な一面があるということでしょう。

敬服なしではいられない

「敬服」とは、「感心して尊敬の念を抱いて従うこと」です。

敬服なしではいられないということは、特定の相手に対して尊敬の念を抱かずにはいられないということです。

例えば音楽をやっている人は、その道のプロで憧れる音楽家がいるでしょうから、その憧れの対象に対しては敬服せずにはいられないでしょう。

また、自分が師と仰ぐ人に対しては、その人から何かを指示されれば信じて従ってしまうことも多く、それも敬服してやまない状態だと言えるでしょう。

通常生活を送る中で、なかなか自分がそこまで頭が下がるような人はそうはいません。

友達や恋人、両親に対しても敬服とまではいかないでしょう。

信頼や愛情はあっても、頭が下がる思いとはまた別物です。

敬服なしではいられなくなるような相手とは、自分にとって心から尊敬出来たり、指示を仰げたりする人のことです。

例えば自分の人生に大きな影響を与えた人や、価値観を変えてくれた教師などに対して、敬服の感情を抱くことが多いです。

感服する

「感服」は、「深く感心して、尊敬や尊重の気持ちを抱くこと」です。

自分にとって親しい人に対しては、誰でもある程度尊敬や尊重の気持ちは持っています。

しかし親しい相手ほど、信頼しているからこそ相手に対して甘えの感情を抱いたり、自分の希望をぶつけたりすることもあり、喧嘩をした時には相手への尊敬や尊重の気持ちが薄れてしまうこともあるでしょう。

一方で、自らの頭が下がるほどに感服する相手に対しては、他の人たちに比べると尊敬や尊重の気持ちが特に強いです。

そのためその相手に対しては自分がわがままに振舞うことはありませんし、自分の欲求よりも相手の都合や気持ちを優先して考えようとする傾向があります。

いわば踏み込み過ぎず、一線を引いて礼儀を忘れない相手に対して頭が下がることが多いと言えるでしょう。

周りの人間関係で言えば、上司や教師、個人的にとても尊敬している人や先輩などがそれに当たることが多いです。

場合によっては両親がそれに該当することもあるでしょう。

「頭が下がる」の類語や関連語


「頭が下がる」という言葉は、社会人になれば誰もが当たり前に知っている言葉ですが、だからといってそこまで日常的に使われる言葉ではありません。

自分の頭が下がるような相手が例え身近にいたとしても、そう頻繁に頭が下がっているわけではありませんし、何か特別に相手に感服するようなことがあった時に、改めて相手のすごさを褒め讃えようとしてその表現を使うことが多いでしょう。

「頭が下がる」という言葉は、特別な出来事があった時に使われるのが一般的です。

同じような意味で誰かを褒めたり感心したりする時には、もっと他の堅苦しくない、分かりやすい言葉で表すことが多いでしょう。

では、そんな「頭が下がる」という言葉の類語や関連語にはどのようなものがあるのでしょうか?知っておけば同じ意味で異なる表現をすることが出来るようになりますので、ある程度類語や関連語を知っておき、使いこなせるようにしておきましょう。

1.他人の行いや心がけに心底感心して敬意を示す

「頭が下がる」とは、他人の行いや心がけに心底感心して敬意を示すという意味です。

そのため自分に対して「まったく頭が下がるよ~」と使うことはまずありませんし、仮に冗談で自分に使ったとしても、言葉の意味や使い方としては間違っていますので、本人は冗談のつもりで言ったとしても恥をかいてしまうことがあります。

私たち日本人にはお辞儀の習慣がありますが、お辞儀をする際には必ず対象となる相手がいるように、「頭が下がる」という言葉を使う際も必ずその相手が存在しています。

そしてその相手の行いや心がけに対して、「自分ではとても出来ない、すごいなぁ」と純粋に感心した時に敬意を示して「頭が下がるよ」と使うことがあるでしょう。

他人に対してこのように敬意を示す際に、他の言葉で表現するとしたら、どのような言葉が相応しいでしょうか?以下に日常的に似た意味や使用意図として用いられる言葉を挙げていきます。

その場その場で相応しい言葉を選んで相手に対して敬意を示しましょう。

まったく恐れ入る

「恐れ入る」という言葉には、いくつかの意味があります。

「相手の好意などに対して有難いと思う気持ちや、恐縮する気持ち」「相手に失礼や迷惑をかけてしまったことに対する申し訳ないという気持ち」「相手に物を頼む時や挨拶の際に用いる言葉」「あまりのことに驚き入るばかりだという気持ち」などです。

日本語には、同じ言葉の中に相手への感謝と謝罪のどちらの気持ちも込められていることがよくあります。

そのため、誰かに助けてしまった時や、迷惑をかけてしまった時のどちらの場合にも「恐れ入ります」と使うことがあり、日本人であれば暗黙の了解で、どちらの意味で使われた言葉なのかを理解することが出来るでしょう。

とはいえここでの「恐れ入る」は、「あまりのことに驚き入るばかり」という意味で類語として用いられています。

あまりのことに驚くという表現の中には、自分ではとても出来ないような真似をした人に対する驚愕や尊敬などの感情が込められています。

そのため「あの人にはまったく頭が下がります」というところを、「あの人にはまったく恐れ入ります」と言い換えて使うことが出来るでしょう。

尊敬する

「尊敬」とは、「相手の人格が尊いものと認めて敬うこと」です。

すなわち対象となる人物の考えや行動などを、敬うべきものであると自分が認識した際に用います。

もっと簡単に言えば、「自分がすごいと感心した相手に対して抱く敬いの気持ち」が尊敬です。

私たちが尊敬している人の多くは、自分にはないものを持っていたり、出来ないことをやっていたりするでしょう。

例えば自分よりも頭が良かったりスタイルが優れていたり、またはお金持ちだったり仕事で成功していたりと、自分が「こうなりたい」と思わせてくれるような相手に対して尊敬の念を抱きやすいです。

心が素直な人は、自分よりも少しでも優れた人に対しては直ぐに尊敬の気持ちを持つでしょう。

一方で負けず嫌いの人やプライドの高い人は、素直に相手を認めて尊敬することが出来ずに、相手の粗捜しをしたり、欠点を責めたりします。

尊敬という言葉は日常的にごく当たり前に用いられている言葉ですので、「あの人には頭が下がるなぁ」という言葉を堅苦しく感じた時や、もっと気軽な場面では、「あの人を尊敬する」とシンプルな言い方が出来るでしょう。

畏敬の念を抱く

「畏敬」とは、「崇高なものや偉大な人を畏れ敬うこと」です。

一般的な「尊敬」とは違い、特別にすごいと感じた対象に対してのみ用いられる言葉です。

例えば神様のように、人知を超えた存在に対しては単なる尊敬ではなく、畏敬の念を抱くでしょう。

また、歴代の優れた大統領や素晴らしい発明をした偉人など、歴史に名を遺すような特別に優れた存在に対しても、畏敬の念を抱くことはあります。

畏敬の念を抱く対象は、身近な存在ではなく、自分にとってかなり遠い場所にいることが多いです。

だからこそ通常の尊敬とは異なり、特別に畏れ敬う際にのみ用いられる言葉です。

「頭が下がる」と似た意味にはなりますが、それ以上に気軽に使うことのない言葉でしょう。

もっと特別に、相手に対して礼儀を払う際や敬いの感情を表す際に用いられる言葉です。

尊ぶ

「尊ぶ」は、「たっとぶ」とも「とうとぶ」とも読みます。

「尊いものとしてあがめる」「価値あるものとして重んじる、尊重する」などの意味があり、「尊敬」よりは重々しい意味として用いられることの多い言葉です。

「頭が下がる」という言葉自体もやや堅苦しい言葉の響きですので、同じようなシチュエーションで言葉を言い換えて「尊ぶ」と表現することも出来ます。

しかし意味に「あがめる」という表現があることからも、身近な人や師事を受けている相手に対して用いるよりも、人知を超えた存在やもっと遠くて偉大な人物に対して用いられることの方が多いでしょう。

作家駆け出しの人が大作家とあがめられている人に対して使ったり、いち社員が大企業の社長にまで昇りつめた人に対して使ったりすることがあります。

2.連想される言葉


「頭が下がる」という言葉は、感心や尊敬の気持ちを表現しています。

そしてこの言葉からは、いくつかの連想される言葉があるでしょう。

連想されるということは、「頭が下がる」と自分で感じた時には連想される言葉に置き換えて使うことが出来るということです。

「頭が下がる」から連想される言葉にはどんなものがあるのか、またどんな意味があるのかを以下にご紹介していきます。

感じ入る

「感じ入る」とは、「すっかり感心すること」です。

意義としては心に強く残り印象があることですので、自分がとても強く印象に残るような出来事があった際に、それが感心の気持ちであるのなら、「感じ入る」と使うことがあるでしょう。

「感じ入る」はすっかり感心しきることですが、この言葉の意味をきちんと理解していない人の多くは、「感じ入る」を何かしら心に感じるものがあることと誤解して捉えています。

確かに心に感じることがあるのは同じですが、それが感心の念から来ているということを理解していなければ、間違った使い方をしてしまうことがあるでしょう。

そのため「感じ入る」という言葉の意味を正しく理解して、相応しい場面で使っていきたいですね。

見上げる

「見上げる」には、単純に上の方を見上げるという意味以外にも、「立派だと思う」という意味もあります。

お辞儀が感謝や謝罪、挨拶などを意味する行為であり、またそこから「頭が下がる」という言葉が生まれたように、「見上げる」という言葉にも、自分が尊敬に値する人に対して精神的な意味で見上げるという意味が込められています。

気持ちの上では、自分がとても尊敬する人の存在が大きく感じられて、その大きな姿を自分が見上げているような心地でしょう。

人は精神的に自分よりも偉大だと感じる相手を見る時に、本来の身長や大きさよりも相手がグンと大きく感じられることがあります。

尊敬する相手を思う時につい見上げてしまうのは、そうした心理的な作用が大きく関係していると言えるでしょう。

また、「頭が下がる」から連想される「見上げる」という言葉は、心の中で感じたり、文章で著したりする際に用いられることはありますが、日常的に「あの人を見上げてしまうよ」などと使われることはあまりないでしょう。

感心する

「感心」は、「優れたものとして深く感じて心を動かされること」です。

他にも「驚き呆れる気持ちを持つこと」や「行動や態度などが立派で褒めるべきさま」などの意味もあります。

感動や深く心を動かされるさまという意味で使われることが多く、呆れるという意味で使われることはあまりありません。

行動や態度が立派な場合にも「感心するね」と使うことが多いため、基本的には良い意味として使われる言葉です。

「感心」は「尊敬」と同様に、日常的によく使われる言葉の一つです。

「尊敬」の場合には、自分よりも相手の方を上に見て敬う気持ちが強いですが、「感心」の場合には同等の立場や下の立場の人に対しても使われることが多い言葉です。

例えば「彼女はいつも整理整頓がきちっと出来ていて感心するなぁ」や「部下の仕事振りには感心させられる」など、自分でも出来ることではあるものの、それが積極的に出来ている相手に対してもよく使われます。

脱帽する

「脱帽」とは、「帽子を脱ぐこと」「帽子を脱いで敬意や降参の意を示すこと」です。

「頭が下がる」という言葉から連想される意味としては後者の意味になるでしょう。

日本人は相手に敬意を示す際には頭を下げる行為が一般的ですが、海外ではそれが帽子を脱ぐ行為に当たります。

自分が被っている帽子を脱ぐことによって、「おみそれしました」や「感心させられました」などと相手への敬意や尊敬の念を示します。

また、自分が到底かなわないと感じた相手に対しても、相手よりも自分の立場が下だと認める行為として帽子を脱ぐことがあるでしょう。

日本人は実際に被っていた帽子を脱ぐことで、相手に敬意を示すことはそこまで多くはありません。

それは単純に、室内では帽子を脱ぐというマナーが一般的なため、帽子を脱ごうにも最初から被っていないことの方が多いからでしょう。

そのため行動ではなく、言葉として「脱帽します」「脱帽させられました」と使う方が多いです。

感嘆する

「感嘆」には「感心して褒めたたえること」や「嘆き悲しむこと」などの意味があります。

感心するという意味で使われることが多いため、嘆き悲しむといった負の感情の意味を持つことを知らない人もいるかもしれません。

言葉本来は良い意味も悪い意味も含んでいますが、「頭が下がる」から連想される意味としては、前者の良い意味の方でしょう。

また、「感嘆」は文字として著されることはあっても、言葉として口にされることはあまりないでしょう。

あなたの周りでも、誰かがすごいことをやってのけた時に、「感心した!」「感動した!」などと口にすることはあっても、「感嘆した!」と言う人はあまりいないでしょう。

そのため「感嘆」と口にする時には、聴く側にやや違和感を与えることもあるでしょう。

「尊敬」は心の内でひっそりと相手に対して敬意を示すこともありますが、「感嘆」の場合には褒めたたえるという意味がありますので、直接相手に対して素晴らしいと敬意や感動の気持ちを伝えることが多いです。

使い方

「頭が下がる」の意味を理解したところで、実際にどのような場面でどう使えばいいのかを分かっていなければ、せっかく意味を知っているのに上手く使いこなすことが出来ません。

それどころか場違いな使い方をしてしまうこともありますので、意味だけでなく使い方についてもしっかりと理解を深めておいた方が良いでしょう。

「頭が下がる」はどのような場面で、どのように使うのが正しい使い方なのでしょうか?これから例文をご紹介していきますので、参考にして自分でも使っていきましょう。

言葉は実際に使わなければ身に付きませんので、「間違えたらどうしよう」と恐れずに、積極的に使っていきましょう。

例文

「頭が下がる」は、相手に対する敬意や尊敬の気持ちを表す言葉です。

「自分では到底出来そうにない」と思うことや、普通ではやれないようなことを堂々とやっている人に対して「すごいなぁ」という感心や尊敬の気持ちを込めて使いますので、あまり頻繁に使うことはありません。

自分が心から本当にすごいと思った時にのみ、その気持ちを伝えるために口にするのが理想的な使い方でしょう。

以下に具体的な例文を挙げていきます。

彼の勤勉ぶりには頭が下がる

あなたの周りに勤勉な人はいますか?

学生の内は真面目に勉強に取り組む人も多いですが、社会人になってからも勤勉さを忘れない人というのは意外と多くありません。

社会人になれば自分の仕事は一生懸命にやりますが、時には自分の仕事以外でも積極的に取り組んだり、他人を手助けしたりするような勤勉な性格の人がいます。

いわゆる「仕事人間」と言われる人ですが、仕事に関するものであれば本来自分の仕事でないことにも一生懸命に取り組む人や、または仕事の傍らで資格の勉強に励む人など、一般的な人よりもとにかく真面目で一生懸命な人が勤勉な人です。

そして誰もが勤勉になれるかというと、そういうわけではないでしょう。

元来の性格がありますので、怠け癖がある人が勤勉になることは難しいですし、なかなか意識しなければ勤勉でいることは出来ないでしょう。

自分よりも勤勉で、そんな人に憧れの感情を抱いたり、もしくは尊敬したりすることがあるのなら、その相手に対して「彼の勤勉ぶりには頭が下がるよ」と使うことが出来るでしょう。

友人のその愛国心には頭が下がる

愛国心と聞くと、偏った価値観を想像してしまう人もいるかもしれません。

けれどもそれは、「愛国心」という言葉からそのようなイメージをしてしまうだけであり、簡単に言えば「母国を愛する気持ち」です。

それはどの世界中の人にも共通して存在するものですし、自分が生まれ育った土地を愛するように、自分の国を愛する人も大勢います。

そんな愛国心を持った人たちの中でも、一際愛国心が強い人というのも存在します。

国に関する行事には欠かさずに参加したり、自分の国を少しでも他国の人に貶されたら、自分のプライドが傷ついたとでも言わんばかりに反論したりします。

愛国心が強いことは悪いことではありませんが、その愛国心を他人に押し付けてしまうと迷惑がられてしまうでしょう。

しかしそんな押しつけをせずに、個人的に強い愛国心を持っている人に対して、「きみの愛国心には頭が下がるよ」などと使うことがあります。

あの健気さには頭が下がる思いだった

健気な性格の人っていますよね。

あなたの周りにも一人や二人いるのではないでしょうか?

「健気」とは心がけや態度がしっかりしているさまですが、現代では立場の弱い者が、それでも一生懸命に困難に立ち向かっていく様を表わす際に用いられることの多い言葉です。

例えば妻が亭主関白な夫を一生懸命に支えたり、また上司に怒鳴られながらも必死になってその後をついていく部下の様子だったりと、弱い者が奮闘している姿を見た時に「あの人は健気だね」などと言うことがよくあるでしょう。

どんな人にも自尊心がありますので、自分の自尊心を貶されれば当然不愉快な気持ちになるでしょう。

そしてそれが続けば、自分に心無い言葉を向ける相手や自尊心を傷つけるような相手の側にはいたくないと、決別して離れるのが普通です。

しかしどんなに自分の自尊心が傷つけられたり、辛い仕打ちを受けることがあったりしても、それでもめげずに向かっていく人がいる時には、そんな人に感心や尊敬の気持ちを込めて「あの健気さには頭が下がる思いだったよ」などと使うことがあります。

「頭が下がる」と「頭が上がらない」の違い

「頭が下がる」と似た言葉に、「頭が上がらない」という言葉があります。

言葉の意味をよく理解していない人は、どちらも同じ意味として使うことがありますがそれは間違いです。

言葉を使い間違えないためにも、「頭が下がる」だけではなく、「頭が上がらない」という言葉の意味もきちんと理解しておきましょう。

「頭が上がらない」とは?

「頭が上がらない」とは、「相手にかなわないと思ったり負い目があるなどの理由で、対等に振舞えないこと」です。

例えば自分が一社員で、接する相手が自分の会社の会長や社長だった場合、どう考えても相手の立場の方が圧倒的に上ですので、まさに頭が上がらない思いをすることでしょう。

また、例えば過去に自分が原因で酷く傷つけてしまった相手がいた場合、その相手に引け目を感じて強く出られなかったり、頭が上がらなかったりすることもあります。

そのため自分よりも圧倒的に立場や力が強い人や、また自分が引け目や負い目を感じる相手の場合には、「頭が上がらない」という言葉を使うことが多いです。

違いを理解して、使い分けが大事

「頭が下がる」と「頭が上がらない」では、意味が異なりますので正しく使い分けることが大切です。

例えばあなたが心から尊敬出来る人がいるのなら、その相手に対しては「頭が下がる」思いでしょうし、また例えばあなたよりも圧倒的に立場が上の人を前にした時には、「頭が上がらない」状態になるでしょう。

「この人には本当に申し訳ないな・・・」と引け目や負い目を感じる相手に対しても「頭が上がらない」状態になるでしょう。

このように、自分と相手の立場や自分が相手に対して抱く感情によって使い分けが出来るようになっておきましょう。

目上の人への使い方

「頭が下がる」という言葉は、どの立場の人に対しても使える言葉なのでしょうか?

実は目上の人に対して使う時には、それなりに注意して使う必要があります。

うっかりその場に相応しくない使い方をしてしまうと、目上の人からは「失礼なやつだ」と思われてしまいかねませんし、こちらは尊敬の意を示そうとしたのに誤解を与えてしまい、怒られてしまう羽目になるかもしれません。

そのため、目上の人に対して使う時には注意する必要があります。

どんなことに気をつければいいのかを以下に挙げていきます。

「頭が下がる」は避けるのが無難

基本的に、「頭が下がる」という表現は目上の人には使わないようにしましょう。

「頭が下がる」という言葉自体は、相手に対する尊敬や敬意を示すものですので、一見目上の人に使ってもおかしくないように思えます。

しかし実際には、口にすることで何となくこちらが上から目線になってしまうことがありますので、使用は避けた方が無難でしょう。

例えばもしもあなたが数字の専門家であり、何の専門家でもない素人から「頭が下がりますね~」と言われたら、何となく違和感を覚えませんか?

数字のプロなら数字に詳しくて当たり前ですので、それを一々「すごいですね」「流石ですね」と言われるのは、プロに対して失礼に値することがあります。

もっと簡単に例えるなら、社会人になって10年目のベテラン社員に対して、新入社員が「仕事が出来るなんてすごいですね」と褒めるようなものです。

使い方によっては目上の人を小馬鹿にしているようにも感じられてしまいますので、例え相手に尊敬や敬意の念を抱いていても、「頭が下がる」という言葉は使わないようにしましょう。

直接、感謝していると伝えるのが良い場合も

「頭が下がる」という言葉の中には、敬意や尊敬の気持ちの他にも、相手に対する感謝の気持ちが込められています。

そのため感謝の言葉を口にするつもりで、「本当に頭が下がる思いです」と使うことがあるかもしれませんが、やはり目上の人にはその表現は避けた方が良いでしょう。

感謝の気持ちを伝えたいのであれば、他の言い回しをするのではなく、ストレートに「有難うございます」や「大変感謝しております」と感謝の言葉を述べた方が相手に与える印象も良いでしょう。

第三者には使っても構わない

「頭が下がる」という言葉は、第三者の立場からであれば目上の人に対して使っても良いでしょう。

問題は目上の相手に対して直接使ってしまうことですので、間接的に第三者の視点から「あの人には頭が下がるね」と使う分には違和感なく使うことが出来ますし、立場の違いもさして気にする必要はないでしょう。

使い方を間違えないように

「頭が下がる」と「頭が上がらない」は、どちらも一見同じような言葉に思えます。

そのため詳しい意味を知らないと、間違って使ってしまうことも多い言葉です。

社会に出てからも誤った使い方をしていると、周りからは「教養のない人だ」と思われてしまい、笑われてしまうことになりますので、自信を持って言葉を使うためにもきちんと正しい意味や使い方の違いを理解しておきましょう。