うっかりよそ見をしていたなら過失ですが、お酒を飲んで酔っ払っているのに飲酒運転をしていて人をひいてしまったとなれば罪は重くなります。
警察や検察が事故について調べて、法律に照らし合わせて罰がくだされます。
これが刑事処分です。
裁判などで被害者が加害者に厳罰を望むことで、同じ罪をおかしていても刑罰の内容が重くなるというケースもあります。
これに対して民事責任の場合は、主に金銭での補償になります。
車にひかれてしまった被害者が怪我をしてしまった、医療費もかかるし、その間仕事も休まなければならなくなった。
刑事責任や行政責任でくだされるのは加害者への罰なので、被害者の受けた被害が補填されることは一切ありません。
この部分をカバーするのが民事責任なのです。
慰謝料や損害賠償などを被害者から請求され、加害者が支払うものです。
仕事での責任の定義
どんな仕事をしているのか、どんなポジションについているのか、などで「責任」の定義は大きく変わってきます。
そのため、一概にこれと言えるわけではありませんが、一般的にはこのようなことが仕事での責任の定義とさることが多いでしょう。
1.人が引き受けてなすべき任務
社会人になって仕事をするということは、なんらかの任務を引き受けて成し遂げるということです。
社長には、社長が遂行するべき任務がありますし、新人には、新人が遂行するべき任務があります。
それぞれ内容は違いますし、責任の大きさも異なるでしょう。
しかしながら大なり小なり、仕事をするということは責任というものが必ずついてまわってくるのです。
「引き受けてなすべき任務」というととても大げさなものに聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。
たとえば新人ならば、まだ右も左もわからないしろくな仕事もできないかもしれません。
でも、だからなにもしていない、よって責任も生じない。
というわけではないのです。
新人にまず与えられる任務のひとつには、「わからないことを聞くこと」も数えられます。
わからないことをそのままにしておかず、先輩たちにきいて理解します。
それを次に役立てます。
この繰り返しで新人は成長していくのですから、立派な責任ある任務と言えます。
2.その上で、程度によるが結果についての責めを負う
わからないことがあったら先輩に聞く。
わからないのに聞かないで放置していたのなら、それは任務放棄です。
責任を果たしていないことになりますので、それについては責任を取らなくてはなりません。
きちんと謝る、今後は聞くようにする、誰に聞けばいいのかを確認するなど、責任のとり方は様々でしょう。
おかしたミスの程度にもよりますが、自分が与えられた任務というのは、よほどのブラック企業でもない限りは自分が「できること」のはずです。
自分ができることなら、なにかあったときにリカバリー=責任を取ることもできるはずなのです。
もちろん、ブラック企業で新人にできないようなことを押し付け、教えもしないのに失敗したときだけ叱責して「どうしてくれるんだ、責任を取れ」というような企業も残念ながらあります。
普通なら、新人がとりきれない大きな責任については、先輩や上司が変わりに背負ってくれるのが当たり前なのです。
「責任」という言葉を乱用して人に押し付けるだけの人もいるので、この点は注意が必要ですね。
繰り返しますが、責任というのは本来、自分で選んで自分ができる範囲で行ったことについて、ついて回るものです。
仕事上では、与えられた任務をこなすことです。
与えられていない任務や、自分にはできないのに無理強いして押し付けられた任務についてまで、あれこれ言われて叱責されるというのは大変不条理なことなのです。
上司や先輩がきちんと教えてもいないし助けてもあげないで、「それぐらい自分の責任でなんとかしろ」という場合には、上司や先輩が「部下に指導する」「部下に指示する」という自分の任務を怠り、自分の責任を果たしていないということにほかなりません。
仕事での責任の意味とは
仕事で責任という言葉が使われる場合、その意味とはどういったところにあるのでしょうか。