「不条理」が道理に合わないこと、道理に反することを指しますが、「理不尽」は道理を尽くさない、道理が足りない、納得できないという意味です。
「理不尽」の方は、道理を尽くさないことなのです。
簡単に言うと「滅茶苦茶(めちゃくちゃ)」なのです。
「無茶苦茶(むちゃくちゃ)」とも言いますが、意味は同じです。
まったく筋道が通らないことです。
さらには、どうにもならないほどに壊れてしまい混乱することです。
「くちゃ」は「めちゃ」の強調語で、「めちゃ=とても、すごく」を強調しているのです。
「めちゃ」は関西に多い表現で、京言葉にも「めちゃ」はよく出て来るようです。
「荒唐無稽」なことなら「めちゃですわ」とでも言うのでしょうか。
TVの人気番組で、「めちゃ×2イケてるッ!」という番組があったり、「めちゃコミック」という国内最大級の電子コミックストアもあるのです。
若い人も、「ものすごく大きい」というのを、「めちゃでかい」などと、「めちゃ=ものすごく」を多用するようです。
「めちゃくちゃ」を縮めて「めちゃ」と一言でも表現しますが、「めちゃ」の意味は広いようです。
「荒唐無稽な計画だ」というのも、「めちゃな計画だ」と表現もできます。
若い人には、「めちゃ」のほうが使いやすくて理解しやすい言葉でもるようです。
筋違い
「それは筋違いな話です」と言われると、「それは見当違いな話です」と言われていることと同じです。
「筋違い」とは、本来ある物に対して斜めの方向に位置することで、道を聞かれたときに「そのお店は、交番の筋違いにあります」などと位置関係を表現する時に使われる言葉です。
これが転じて、道理に外れた言動をするさまや、見当違い、おかど違いという意味に使われます。
「筋違いな要求を突き付けられた」とか、「わたしに文句を言うのは筋違いだ」などと使われます。
「筋違い」も現実とは異なることを押し付けるので、荒唐無稽と同じ感覚で使用されます。
大工さんや接骨院でも「筋違い」の言葉が出てきます。
建築家の言葉では「筋違い」は「すじかい(筋交い)」と呼んで、地震や台風などによって家が傾かないように壁に斜めに取りつける柱のことを言います。
家を補強する時には必要な補強部材で、木造建築では耐震性を高めるための工夫なのです。
また、スポーツ障害で起こりやすい症状が、「肉離れ」と「筋違い」「捻挫」です。
「肉離れ」や「筋違い」は、筋肉や腱(けん)が衝撃を受けたり、無理に伸ばされてしまって起こる外傷のことです。
これがひどくなると故障となって運動を制限されてしまうのです。
首の筋を寝違えると、痛くて首が回らなくなることのもなります。
筋違いとは、道理に反することを指しますが、建築業界や整体の業界でも使われる言葉なのです。
3.連想される言葉
「荒唐無稽」という熟語には、いろいろと連想される言葉があります。
空想
誰でも、時にはボーっとしていろんな空想をする時があります。
電車に乗って座って窓の外の景色を見ながら空想にふける時もあるのです。
昨夜に仲間と入った居酒屋のアルバイトの娘のことを思い出します。
なんだか雰囲気が良くて、自分には特に優しかったように思えたのです。
一言二言話しかけた時の会話の内容から考えると、きっと文系の大学で学んでいるはずだとか、会話の時のイントネーションから東北の出身ではないかとか、空想してしまうのです。
さらには、今はもちろん独身で彼氏もいないはずだとか、彼女目当てに来ている客も多いはずだとか、私生活に関することまでいろいろと空想してしまうのです。
空想はいくらでも夢を膨らませることができて楽しいものです。
しかし、この夢だけを追いかけて、現実離れした空想、つまりは妄想を語ってばかりいると、みんなに敬遠されてしまうのです。
妄想とは、病的な状態でもあるのです。