おおざっぱに言えば、学校で互いに同調し承認欲求を満たし合いながらストレスを解消して苦痛な家庭に帰っていくというのが反抗期の生活サイクルだったのではないでしょうか。
友人との仲間意識が醸成されて一生の親友がこのときできるかもしれません。
ストレス発散にも機能することを考えると、友達第一になることは自然なことです。
親からの自立を考え始める
自我の確立はまさに自立心の芽生えに他なりません。
自立とは他者の援助なしで物事をやっていくことです。
物事を一人でやっていこうと思うと、どうしたいのか、どうやっていくのかという目的と方法を自身で考えねばなりません。
これは自我によって決定されるものなのです。
また、親や学校の先生の強制されることを嫌がれば、自ずと自分で自分の道を歩まねばなりません。
結果的に強い自立心が生まれます。
精神的に不安定になる
とは言え、反抗期はあくまで精神成熟の過程に過ぎません。
端的な言い方ですが、「親や先生の意見が正しいことは内心ではわかっているけど、従いたくない。
言いなりになりたくない。
自分の意見は自分で見つけたい」というのが反抗期の子どもの根底にあります。
この意思に、「なぜ従いたくないのか」と問われて論理的に答えられる子どもはそういないはずです。
なぜなら自分の行為の根拠となる自我が確立していないためです。
反抗期は「親や先生から与えられる正解」と「その正解は自分が導き出した答えではない」という二つの意識のせめぎ合いですから、問題が解決せず、当然精神的に不安定になります。
親の「晩ご飯できたよ」が「早く晩ご飯食べろ」に脳内変換されるくらいには心は動揺しているのです。
体の変化が大きい
反抗期は第二次性徴、つまり思春期と重なることが多いというのは前述の通りです。
男子であれば肩幅が広がり、体の線が強くなって声が低くなります。
女子は体の線が細く、シルエットが柔らかくなります。
それぞれ男の子は男らしく、女の子は女らしく体つきが変化します。
身体の変化というのは見た目に変わります。
これは子どもにとって不安なことでもあります。
親が、「首がなかなかすわらない」、「なかなか二本足で立てない」、「同い年の子はもう喋った」など子どもを他の子どもや一般的なデータと比較して心配するように、子どもも身体的変化を他者と比較して不安になったりするのです。
また、もちろん変化そのものに対する戸惑いというのもあるはずです。
これらは心に負担としてのしかかるわけですから、同時期にやってくる反抗期に大いに影響します。
【男の子】親がとりがちなNGな行動
反抗期は男子女子共に異性の親に対して強く当たる傾向にあるかもしれません。
「うるせぇ、ババァ!」に代表される暴言は男の子が母親に対して発する台詞でしょうし、「お父さんのパンツと私の洗濯物を一緒に洗わないで!」という男親にとっては辛い言葉は女の子の台詞の代表例でしょう。
異性の親は特に子どもに対して注意を払う必要がありそうです。
男女別に考えていきましょう。
お母さんが細かく注意をする
母親は良く気が利き世話焼きで面倒見が良いというのが通説です。
女性の方が子どものちょっとした変化にも気がつきやすいという意見もあります。
これは本来非常に良いことなのですが、反抗期の子どもにとってはとても面倒なのは想像に難しくありません。
「あれしろ、これしろ」と押しつけや強制に通ずるようなことでなくとも、心配するときの台詞、例えば「忘れ物はないか」などの気遣いの言葉は反抗期の子どもにとっては自立心を傷つける言葉に感じられ、自我を尊重されていないという憤りを覚えることもあるでしょう。
子どもがわかっていることを改めて母親が言葉にしてしまうと、「うるせぇ、ババァ!んなこたぁわかってんだよ!」という台詞に結びつきやすい流れです。