受け入れ先も衣食住の面倒は見てくれるかもしれませんが、最初の数年の収入は小遣い程度だと思いましょう。
逆に言えば、お給料を期待しなければ、弟子入りを受け入れて貰える訳です。
それから、仕事のやり方も順を追ってではなく、その時の仕事を部分的に教わる事が多いと思います。
つまり、学校の様に1つずつ丁寧に教えては貰えません。(弟子にあれこれ教えていたら作業も出来ないし、時間が無駄になってしまうから)
基本的には、見習いとして師匠や先輩の手伝いをしながら、上の人の仕事を見て学ぶ自主的な姿勢が求められます。
教えて貰うのではなく、自力で仕事をコツコツ覚えていくスタイルですね。
さらに、最初は掃除や片付けといった下働きが中心で、なかなか本格的な作業をさせて貰えない事も珍しくありませんし、また弟子入りすると技法は師匠のやり方に限定される事になります。
弟子入りは、プロ(師匠や親方)の仕事を間近で見れて、実地経験を積む機会が沢山ある分、1人前になるのも早いという大きなメリットもありますが、上の説明を見てお分かりの通り、弟子入りするには相当の覚悟が必要です。
入門して数日も経たない内に荷物をまとめて逃げ出すなんて事にならない様、よく考えてから決断した方が良いでしょう。
3、体験教室などに行く
中には体験教室などに通い、技術を学ぶという方法もあります。
伝統技術の継承・生涯学習・地域振興など様々な目的により、各地で体験教室や講座が開かれているもの。
インターネットなどで探してみると、ガラス工芸・陶芸・宝飾加工・靴やかばん作りなど、趣味としても楽しめる体験教室や講座が沢山ヒットするはずです。
もし近所でそういうのが行われていなかったとしても、通信講座などを利用して学ぶ人もいます。
体験教室は初心者向けなので、本格的な技術を教えて貰いたい人には向かないかもしれませんが、初歩的な技術だけ教えて貰い、そこから独学で技術を極める人もいるのです。
作品展に出展し専門家に評価して貰うのも、技術を磨く方法としてはアリですね。
それから、教室によっては中級・上級者向けのクラスがあったり、教室の先生に専門家を紹介して貰い、そこから弟子入りするという手順も存在します。
とにかく、体験教室や講座は費用も手頃なので、技術を習得する事が出来そうかを見極めるにはピッタリだと言えるでしょう。
4、就職する
自分が目指す職人に合った工房やメーカーに就職するのも方法の1つです。
就職先を選ぶ際は、自分がどんな技術や能力を身に着けたいかはもちろん、機械化や分業制が進んだ大手と個人経営の様な小規模のところとでは学べる技術や待遇も違ってくるので、その辺りも考慮すべきでしょう。
まずは、工房やメーカーの求人をチェックし、必要な資格など、就職の条件を聞いてみましょう。
希望する就職先の求人が見つからない場合は、一応電話で確認を取ってみたり、アポイントメントを取った上で先方に足を運び、直接交渉してみると良い方向に話が転がる可能性もあるかもしれません。
また、最近は後継者不足の影響で跡継ぎを募集している工房も増えているそうです。
ただ上手く雇って貰えたとしても、技術がない未経験者の場合、最初はバイト&見習い扱いとなる事も覚悟しておきましょう。
まぁ、収入面で言えば、弟子入りよりは良いかもしれませんね。
就職先の例を挙げると、大工の仕事を学ぶ為に工務店に就職したり、彫刻の仕事を学ぶ為に工房に就職したり、お菓子やパンの製造を学ぶ為にメーカーや店舗などに就職したりと、働く場は多くあると思います。
ただし大手企業だと、技術職で入社したとしても、部署異動などで全く関係ない仕事をする羽目になるなんて可能性もないとは言い切れません。
実際に働きながらなので色々と苦労はあると思いますが、学ぶ事は多いはず。
仕事というのは体で覚える事が大切なので、弟子入り同様、実地が踏めるのは就職の大きなメリットと言えるでしょう。
もし、技術的な向上を目指すのであれば、弟子入りや就職をして経験を積むのがオススメです。
一方、技術だけでなく色々な知識を吸収し視野を広げたいのであれば、進学をしてから職人を目指すのも良いでしょう。
どちらにせよ、一人前の職人になるには相応の時間が掛かるので、出来るだけ明確な人生設計を立て、それに合わせてどの様な手順を踏むか決めた方が良さそうですね。
職人になるには?メリット6個
それではいよいよ、職人のメリット・デメリットについて説明していきたいと思います。
まずは、“職人のメリット6個”からです!
1、定年がない
職人はその腕が認め&求め続けられる限り、その技能を活かし働く事が出来るので、定年がないとも言えます。
自分さえ働く事が出来る状態であれば、生涯に渡って職人としてやっていく事も出来るでしょう。
2、自分のスタイルで働ける
一人前の職人になれば、自分のスタイルで働けるのもメリットの1つでしょう。