いくら「職人に定年がない」と言っても、技術を身につけたところで生かせる場所がなければ意味がありませんよね?
他にも、職人によっては以下のデメリットが考えられます。
コミュニケーション能力が必要
「職人」と聞くと、一人で黙々と作業をするイメージがあるかもしれませんが、仕事仲間とのチームワークが大切となる作業が含まれる場合や、仕事の依頼を受ける為に顧客の信頼を獲得していくのに、コミュニケーション能力は必須となります。
特に、将来的に独立を目指すのであれば尚更、営業をかける必要があるので、人とのコミュニケーションが苦手だと苦労するでしょう…。
自分の地位が上がれば上がる程、関わる人も多くなってくるので、技術以外の面でも気を配る事が多くなるのです。
身体に負担がかかる
職人業は身体に負担がかかる事も多いです。
例えば、長時間立ちっぱなしで数々の作業をこなしたり、重い物を運んだり、手を酷使したり…。
最近は女性の職人も増えてきていますが、体育会系の男性でも「大変だ」「キツい」と感じる仕事もあると思うので、体力的に自信がない女性は体力作りもした方が良いでしょう。
職人業は精神的にもハードですが、体力的にもかなりきついと思うので、何十年と続けていくには体のメンテナンスは必須ですね。
収入がなかなか増えない
「一流」と言われるレベルまでくれば稼ぐ事も出来ますが、大抵の場合は一人前の職人になったからといって、収入が一気に増える訳ではありません。
一人前になったとしても、周りから評価されなければ仕事は入りませんし、同時に収入も思う様に伸びないでしょう。
良くも悪くも実力主義の世界とはそういうものなのです。
さらに独立にはお金がかかりますし、商売が軌道に乗るまでは利益が出ない状態に耐える必要があります。
また、手仕事は作れる数にも限界がありますし、例え作っても売れなければ収入になりません。
職人への道は平坦ではない上に、ラクして稼げる様な仕事でもありません。
職人として何十年もやっていくには、毎日まじめに働く事はもちろん、創意工夫や試行錯誤が欠かせません。
想像以上に厳しい世界なので、余程好きでなければ続けられないでしょう。
集中力やスタミナが人一倍求められる
上でも何度か説明しましたが、職人業には集中力やスタミナが人一倍求められる事も少なくありません。
細かい作業だけでなく、単調な作業を集中して繰り返し続けなければならない場面もあるでしょうし、「疲れた、もう休みたい…」と思っても作業を続けなければならない事もあると思います。
その苦労も実際にやってみないと分からない部分もあるかと思いますが、好きな事に対しても集中力が続かない人や諦めの早い人、それからスタミナがなさ過ぎる人は、職人業には向かないと言えるかもしれませんね…。
一人前の職人になるためにはどれくらい時間がかかる?
続いては、“一人前の職人になるためにはどれくらい時間がかかるのか”、職業別にご紹介していきたいと思います。
もちろん、修行の仕方や技術が身につくペースにも個人差があるので、はっきりした事は言えませんが、大体の目安をまとめてみたので参考にしてみて下さい。
1、料理人
料理人は見習い3年一人前になるのに10年かかるとも言われています。
もちろんジャンルなどによっても多少は異なるでしょう。
例えば、寿司職人の場合は「飯炊3年握り8年」などと言われ、一人前になるには10年以上の修行期間が必要とされているそうです。
調理師の専門学校や養成学校に行けば、2年程で料理の基本的な技術が学べると思います。
最初から学ぶ料理のジャンルを絞り複数年かけて学ぶ方法などもありますが、専門学校では和洋中各ジャンルの料理や製菓の基礎知識を満遍なく習得出来るコースもあります。
学校によって体系は異なりますし、講師には現場で活躍する一流のシェフが在籍する場合もあると思うので、様々なポイントで学校を比較して選ぶと良いでしょう。
卒業後はレストランや、料理店で実際に料理を学ぶのが一般的です。
そして、早く仕事を覚えるかが一人前の料理人になる近道です。
「料理人になりたい!」と本気で思うなら、すぐに店で働き始めるのもアリでしょう。
2、鳶職
鳶職人とは、建物を作る時に必要な足場を組み立てる職人の事。
一人前の鳶職人になるには、大体の目安で3~5年の時間が必要になります。