鳶職人は、年功にとらわれない完全実力主義の世界です。
鳶職人を養成する様な専門の学校はなく、基本的に学歴を問われる事もありません。
鳶職人になるには、中学や高校卒業後に鳶職人や土工など専門の建設会社で働き始めるのが一般的です。
雇用形態は勤務先によって異なりますが、日給や月給制を取るところが多く、最近は改善傾向にあるものの、社会保険などの福利厚生が十分でないところも少なくないので、気になる場合は就職前にしっかり確認しておきましょう。
見習いの内は先輩から現場で教わりながら仕事を覚えます。
ただし、法律で18歳未満の高所作業は禁止されているので、18歳になるまでは高所作業を伴わない運搬などの業務を行う事になるでしょう。
3、石職人
石職人とは、石工(いしく)とも呼ばれ、採石場から石を切り出したり、石に細工をしたりする職人の事です。
お城の石垣や橋、公園・石碑・お墓などで石職人の仕事は目にする事が出来るでしょう。
石職人になるには、色々な現場をこなし沢山の作品を作る必要がありますが、見習い期間は人によりバラバラで、最短で6〜7年、長くて15~20年以上かかる人も珍しくないのだとか。
石の据え付けを覚えるのに3年、石の手加工を覚えるに10年はかかると言われ、石の特性や癖を覚えるだけでもそのくらいの数年は必要なのだそうです。
石職人になる為には、美術・芸術系など彫刻科がある学校を卒業した後、石材店などで修業をして経験を積むのが一般的です。
また、矢穴掘りや矢締めといった技法を取得する必要があり、関連する資格としては厚労省管轄の石材施工技能士の国家資格があります。
石材施工技能士の資格は、養成校を出ていたり実務経験を有する人だけが受験出来るので、所得するにはプロの石工の下で修行し、技術を習熟する必要があるでしょう。
4、織物職人
機織りの技術だけであれば、1年〜数年で習得可能ですが、オリジナルのデザインや工夫を凝らしたものが製作出来る様になるまでには、少なくとも10年程度はかかると言われています。
織物職人になるのに資格や免許は特に要りませんが、職人として成功するには、多くの人に評価されるだけの美的センスが必要になるでしょう。
織物を学べる専門学校もあり、織物の技法は東北から沖縄まで各地に存在するので、好きな技法を現地で勉強するのがオススメです。
専門学校を卒業後は織物の会社に就職する道もあります。
5、和菓子職人
一人前の和菓子職人になるには、10年以上の修行期間が必要と言われています。
基本的な事は3年程度で習得可能ですが、オリジナルのお菓子を作るには、10年程度の経験が要るのです。
和菓子の材料は洋菓子に比べて種類が少なく、少ないからこそ材料の品質を見極めたり、材料の扱いがはっきりとした味の差となって現れるもの。
よく、「餡炊き3年餡練り3年」とか「餡炊き10年」などとも言われますが、ここまで技術習得に時間がかかるのは、和菓子がそれだけ繊細だからでしょう。
和菓子職人になるには、高校卒業後に就職or弟子入りするか、専門学校へ行くかで分かれます。
就職なら、和菓子店や和菓子メーカーで働くか、和菓子店に弟子入りする事になるでしょう。
専門学校を卒業したり、製菓衛生士や菓子製造技能士といった資格を取る事が就職に有利になる場合もありますが、就職先によっては余計な知識を持っていない素人を好むところもあると思うので、希望する店や会社が決まっているのなら、直接そこへ問い合わせてみて、まず何をするべきか相談してみるのも手です。
進学するなら、和菓子の専門学校や製菓専門学校の和菓子コースで学んだ後、菓子店や和菓子メーカーに就職するか和菓子店に弟子入りするという方法があります。
専門学校は高卒から受け入れてくれるところが大半ですが、中には中卒で入学出来るところもあるので、色々と調べてみて下さい。
時間や経済的に余裕があるのなら、専門学校で基礎を学びつつ、人脈を作る事も将来に役立つかもしれません。
また、学校で基礎を学ぶのは、修行期間の短縮にも繋がる可能性があるでしょう。
6、大工
大工とは、木造建造物の建築・修理を行う職人です。
大工になるのに特別な資格は必要ありませんが、技能を示す資格として「大工技能士(1〜3級まで)」というのが存在し、受験するにも実務経験が必要になります。
大工の基本的な仕事はおよそ3年程度で覚えられ、早い人はその段階で現場を任せてもらえるそうです。
初めの2年程(あるいはそれ以上)は清掃・物品の運搬・道具の手入れなどの雑務が中心となり、この期間は親方や兄弟子の技術を見て学ぶ貴重な時間でもあります。
また、数十種類に及ぶ道具の名称や用途、作業工程などは、この時期に自分でコツコツ覚えるのが基本です。
話は戻って、基本的な事を覚えるのは3年程度ですが、大工として一人前と言われる様になるには、通常10年程度かかります。
技術を身につけ独立するまでには、早くて5~10年の期間が必要になると理解しておいて下さい。
7、指物師
指物師(さしものし)とは、指物大工とも呼ばれ、釘を1本も使わずに木の板同士をしっかりと組み合わせて木工品を作る家具職人の事です。