相手の気持ちに共感する(あるいは理解し受け入れる)ことを習慣化すれば、それは他人と同じ気持ちを抱くことにも繋がるので分かち合えることも多くなるのです。
ちなみに共感力を鍛えるには、相手の立場になってその人の気持ちを考えたり、他人の体験を自分に置き換えて想像してみたり、感情移入の仕方を学ぶ為に読書(特に文学的小説がオススメ)をするのが効果的と言えるでしょう。
常に分かち合うのはNG?
「常に誰かと分かち合っていたい!」と考える人もいるかもしれませんが、自分の気持ちを“全て”他人と共有するのは流石に難しいです。
「気持ちを分かち合いたい」という欲求の根底には様々な思いがあると考えられます。
例えば、「分かち合う(=共感・共有)することで仲間意識を持ちたい」とか「自分と同じ気持ちを持つ人がいることを確認して、1人じゃないのだと安心したい」とか「自分の気持ちを周りに受け入れて欲しい」など…。
ですが、他人の気持ちを“全て”理解・共感することができないのと同様に、周りもこちらの気持ちを“全て”理解・共感することはできません。
上でも説明しましたが、分かち合うには同じ気持ちを抱く必要があります。
また、常に誰かと気持ちを分かち合うには、お互いに「分かち合いたい」と意識していなければ難しいでしょう。
そもそも、簡単・難しい、できる・できない、という問題以前に、常に分かち合おうとするのはNGです。
例えば、空気を読んで無理やり周りと合わせたり、本心とは裏腹にSNSの「いいね」ボタンを押す人も少なくありません。
それに、誰かと分かち合わずに“自分だけが持っておきたい気持ち”というのもあるでしょう。
無理に気持ちを分かち合おうとするのではなく、自然と気持ちを分かち合えた瞬間1つ1つを大切にしていけば、十分に満足できるはずですよ。
場合によっては不快にさせてしまうこともある
常に分かち合うのがNGなのは、場合によっては相手を不快にさせてしまうことがあるからです。
嬉しい・幸せ・楽しいといったポジティブな感情なら良いのですが、悲しい・辛い・苦しいといったネガティブな感情ばかり分かち合うのは、相手もウンザリしてしまうでしょう…。
こちらは心の負担が減るので、つい「誰かと分かち合って気持ちを軽くしたい」と考えてしまうのも仕方がないのです。
ですが、相手からは「この人と一緒にいるとこちらまでネガティブになるから嫌なんだよな…」などと思われてしまう可能性もあります。
また「分かち合う」からは少しずれますが、他人の気持ちに共感しすぎるのも場合によっては相手を不快にさせてしまう恐れがあるので気を付けなければなりません。
人間には「分かって欲しい」という承認欲求がある一方で、「他人の癖に自分の気持ちを理解した気にならないで欲しい」とか「自分のことをそんなに簡単に分かって欲しくない」という矛盾した気持ちを抱くこともあるのです。
例えば、誰よりも必死に努力して苦しいことを乗り越えた人に対して、同じ努力をした訳でも苦しい思いをした訳でもないのに「自分もその気持ち、分かるよ」などと言うのは、(例え本当に共感できたとしても)その相手に失礼とも取れるのではないでしょうか?
その相手だって、他人にそんな簡単に共感されても腑に落ちないでしょう。
相手の気持ちを察した上で、ただ黙って話を聞いたりアドバイスや意見交換ができる(=相手が求める適切な対応が取れる)関係なら、良好なお付き合いを継続できる可能性は高いです。
しかし、ただ共感するだけではお互いに成長は見込めませんし、常に同じ気持ちを抱いていたら自分がもう一人いるみたいで付き合うのも億劫になってしまう場合もあります。
だからこそ相手に共感するだけでなく、“適度に”気持ちを分かち合える関係を築くのが理想なのです。
先ずは分かち合う人を見つけよう!
今回は“分かち合える人がいることの5個のメリット”に加え、“分かち合う瞬間”や“分かち合うことの条件”について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
上でも説明しましたが、気持ちを分かち合うには相手を見つける必要があります。
家族・友達・恋人といった身近な人はもちろん、気持ちを共有できるなら普段は関わりのない見ず知らずの人でも構いません。
「赤の他人と気持ちを分かち合う機会なんて、そうそうないんじゃない…?」と思われるかもしれませんが、そういう機会は意外と多くあると言えます。
例えば、SNSに投稿された動物の可愛い動画を見て、それに寄せられた「可愛い!」「癒される」といった他の人達のコメントに共感するのも立派な気持ちの分かち合いです。
好きなアーティストのライブで他のファンと一緒に興奮や楽しさを感じるのも、知らない人と気持ちを分かち合う瞬間の1つでしょう。
分かち合える人を見つけたらその存在を大切して下さい。
そうすれば相手も「もっとこの人と気持ちを共有したい」と感じて、分かち合える機会も自然と増えるはずです。