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「感心する」を目上の人に伝えるとき...(続き2)

目上の人に対して「感心します」と言ってしまうと、相手によっては気分を害してしまうかもしれません。

せっかくポジティブな意味の言葉なのに、相手にネガティブに受けとられてしまわないためにも、自分の方が正しい言葉の使い方を身に付けて、相手と良い関係を築いていきましょう!「感心」という言葉の元々の意味や、それに似た意味を持つ言葉、また「感心する」を使う際の注意点などを交えながら詳しくご紹介していきます。

「感心する」という意味は?

そもそも、「感心する」という言葉にはどんな意味があるのでしょうか?辞書で引くと、「感心」とは、相手の優れた行為や技量に対して心を動かされることという意味です。

また、心に深く感じることや、相手に対して感服する様といった意味もあります。

これらの意味からも分かるように、「感心する」とは、誰かの優れた行為や技量、能力などに対して自分が良い意味で心を動かされることを指します。

すなわち、自分対誰かという、相手がいることによってはじめて使われる言葉なのです。

また、「感心する」という言葉は、自分から誰かに対して向けられているものですので、自分に対して使うことはまずありません。

もし自分で自分に「感心する」なんて使っていると、周りからは「自画自賛の偉そうな人」と思われてしまうでしょう。

さらに「感心」という言葉には、逆説的な意味もあります。

逆説的な意味とはつまり、「本来とは真逆の意味で使われること」です。

「感心」という言葉を本来ポジティブな意味で使っているのに対し、敢えてネガティブな意味として「感心する」という言葉を使うこともあります。

例えば人に迷惑をかけてばかりいる人に対して、「あそこまで迷惑をかけているのを見るといっそ感心するわ~」などと使うことがあります。

これは悪いことばかりする人に対して、本来とは逆説的な意味として「感心する」と言っていますので、どちらかと言えば相手に対する嫌味として使われることがあるでしょう。

しかし基本的な意味としては、良い意味の言葉です。

感服すること

「感服」とは、相手に大変感心して尊敬の気持ちを持つことです。

「感心」とよく似ていますが、その気持ちを持った上で、さらに相手に対して丁寧に敬う気持ちを持つ際に使われることの多い言葉です。

友達や身近な人に対して「感心するね」と言うことはあっても、「感服するね」と使うことはありませんよね。

「感心」は比較的カジュアルに使われることの多い言葉ですが、「感服」となると、より目上の人に対してや、フォーマルに使われることの多い言葉でしょう。

そのため、「感心する」といった意味の言葉を目上の人に使う際には、「感服します」という言葉で伝える人の方が多いでしょう。

類語

「感心」には、たくさんの類語があります。

その中でも、相手の行為や技量に対して深く感動や好意を抱くといった意味の類語をご紹介していきます。

例えば「尊敬」「賛美」「崇拝」「傾倒」「心酔」といった類語は、相手に自分が強く心を惹かれたり、動かされたりするといった印象の強い言葉です。

「尊敬」は一般的な類語ですが、「崇拝」や「心酔」ともなると、相手の優れた部分に対して自分が心底酔っているような気持ちも含まれています。

また、「見事」「あっぱれ」「偉い」などの類語では、相手の行為や技量に対して純粋にすごいと思う気持ちが強いでしょう。

さらに、「感嘆」「称賛」「感服」「絶賛」などの類語は、手放しで相手のことを褒めたたえているといった印象の感じられる言葉です。

同じような意味でも、自分が相手に対してどんな感情を抱いているかによって、類語を使い分けることが多いです。

対義語

「感心する」の対義語は「感心しない」ですので、「感心」の意味とは正反対の意味を持つ言葉が「感心」の対義語だと考えられます。

「感心」は自分が相手に対して良い意味で強く心を動かされることですので、その反対だと考えれば、「無関心」や「嫌悪」「不満足」「下手」「不用意」「迂闊」など、およそ自分が相手に対して感心できないような言葉が「感心」の対義語だと言えるでしょう。

「感心する」というのは意外なことがある人に対して使うもの

自分が普段当たり前に感じていることに対しては、そこまで心を動かされることはありませんよね。

例えば、機械は便利で当たり前ですし、気難しい性格の人とのコミュニケーションが取り辛くても、それを当たり前に感じていれば何ら驚くことも、感心するようなこともないでしょう。

しかし、例えば一見気難しそうな性格の人なのに、話してみたらとてもフレンドリーでこちらが驚いたときには、相手に対して「外見よりも気さくで優しい人なんだな」と感心することはありますよね。

相手が自分の予想を飛び越えて意外な行動をとったときに、それに心を打たれて感心することはあります。

つまり、「感心する」という言葉は、意外なことがある人に対して使うものなのです。

簡単に行動が予想できる人や、何かをしたところでそれが当たり前の人に対しては、わざわざ「感心する」なんて使うことはないのです。

専門的なプロの人に対しては使わない

例えば料理のプロに対して、「料理が上手だなんて感心しますね」と言えば、それはプロに対して失礼に当たります。