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「感心する」を目上の人に伝えるとき...(続き3)

何故なら、「感心」とは自分にとって意外な相手に対して使う言葉ですから、「料理が上手くて感心する」と言うことは、元々は相手の料理の腕前をたいしたことがないと思っていた、ということになるからです。

相手は料理のプロですので、料理の腕前があるのは当たり前のことです。

それを「流石ですね」と褒めることは良くても、「感心しますね」と褒めるのはまったく褒めていることにはなりません。

時々言葉の使い方を誤って、その道の専門家に対して「感心」と使ってしまう人がいますが、大抵の場合はその言葉で相手は気分を害してしまいます。

「感心」は専門的なプロの人に対しては使わない言葉だということを、きちんと頭に入れておきましょう。

例「こんな美味しいものを作ってくださり感心しました!」は失礼に当たる

例えば料理のプロが作った食事をとった後で、相手の腕前を褒めようとして「こんな美味しいものを作ってくださり感心しました!」と言ってしまったら、相手に対して失礼に当たってしまいます。

本人は褒めているつもりでも、プロにとっては「たいした腕前じゃないと思っていたけど意外と料理が上手いんですね」と言われているような気分になるからです。

決してそんなつもりはなくても、言葉の使い方を間違えてしまうと、相手はこのように受け取ってしまいます。

その道のプロというのは、自分の専門分野に対して並ならぬ情熱と同様に、プライドを持っています。

「感心する」という言葉は、そんなプロのプライドを刺激して、傷つけてしまうことがあるのです。

年下の人に対して使うことが多いのが「感心する」という言葉

「感心する」という言葉は、目上の人にはNGとされていますが、その一方で同じような立場の人や、とくに年下の人に対しては使われることが多いです。

上司が部下に「君の働きには感心するよ」と褒めることがあるのも、立場が上の人間から下の人間へと向けることのできる言葉だからこそです。

立場の上下と同様に、年長者から年若い人へ向けて「若いのに感心だね」と使うことも多いですし、さして年齢が離れていなかったとしても、年上から年下の人間に対しては、一般的に褒め言葉としてよく使われています。

例「子供が勉強や掃除などの家事ができて感心する」

大人から見たときには、子供は多少わがままに育っていても不自然ではありません。

むしろ、学生の頃ぐらいまでは、家の掃除や食事といった家事は、親がやってくれていて当たり前だと思っている人も多いでしょう。

世間一般的には、子供の内は家事に対して気が回らないというのが普通の考えですので、その中でもせっせと家事を手伝う子供がいたときには、素直に感心して「家の手伝いができるなんて感心するね。」と褒めることがあります。

また、勉強に関しても進んで一生懸命に勉強をしている子供には感心する大人は多いですし、それもまた褒め言葉として「感心だね」と伝えることがあります。

子供からすれば「感心だね」と褒められるのは素直に嬉しいと感じますし、それで「上から目線で言われている」と思うことはありませんので、お互いに褒める側と褒められる側とで、良い関係を築くことができるでしょう。

言い方では悪い気をしないという人も

人によっては、目下の人や年下から「感心しますね」と言われても、そこまで気にならないという人もいます。

大らかで優しい人や、素直な性格をしている人の場合、「感心ですね」と褒めてきた相手が例え自分よりも立場が下の人間だったとしても、その言い方や表情から、「ああ、好意的な意味で言ってくれているのだな」ということを察します。

すると相手の気持ちが理解できるからこそ、言い方でいちいち目くじらを立てることなく、素直に「ありがとう」と余裕を持って受け取ることができるのでしょう。

また、一見気難しい性格の人が相手でも、「○○さんて本当にすごいですね!感心します!」とこちらが裏表なく無邪気に伝えれば、苦笑しながらも悪い気はしないということもあります。

年上の人や立場が上の人が、「感心ですね」と言われて悪い気がしない場合の多くは、そう言ってきた相手の性格が純粋だったり、悪気がなかったりすることが大半です。

相手に悪気がなく、素直にすごいと思っているからこそ、間違った使い方だとしても、悪い気はしないのでしょう。

反対に、裏表のある人や嫌味っぽい口調になりやすい人が「感心ですね」と言えば、途端に相手は上から目線で失礼だと憤慨してしまうこともあります。

言い方や「感心」と口にした人の性格によって、相手に与える印象は大きく変わります。

気にしないという人もいるが基本的には間違えないようにしよう!

大らかな性格の人や、優しい性格の人は、年下や目下の相手が「感心ですね」と自分に言ってきてもあまり気にすることはないでしょう。

一瞬「ん?」と気にはなっても、そこでいちいち怒ったり、あれこれとお説教をしたりはせずに、笑顔で聞き流します。

しかしもしそれが毎回続くようなら、優しい笑顔がなくなって、怒ったり不機嫌になってしまったりするかもしれません。

優しい人ほど普段はいちいち注意しないため、一度怒ったときには怒りが限界を超えていて、何度謝ったところで許してくれないこともあります。

また、相手の優しさにこちらが甘えることによって、別の場所で異なる相手に対しても誤った使い方をしてしまい、そこで怒られたり、大恥をかいてしまったりするかもしれません。

そうならないためにも、基本的には「感心」の使い方を間違えないように気をつけましょう。

どの様な使い方がある?「感心する」を違う言葉で言うとどうなる?例文もあります!

目上の人に素晴らしいと思う気持ちを伝えたい、けれどもどう言えば上手く伝わるのか分からないという人のために、ここからは「感心する」を別の言い方で表現する方法についてご紹介していきます。

ここで別の表現方法を覚えておくと、社会に出てからも役に立ちますし、身に付けておけば咄嗟のときに間違った使い方をしてしまうリスクも減らせます。