日々の生活で、私たちが使うタイミングが少ない言葉だからこそ、突然そのチャンスが訪れたときにしっかりと正しい表現ができるよう、ここで学んでいきましょう。
人災という言葉を使う具体例からご紹介していきたいと思います!
化学物質の汚染や流出
化学物質とは、たとえば原子や分子など自然の力で生み出されたものをそう呼びます。
また、人間が実験をして人工的に合成したり、人間の手により化学反応を起こさせたものもそう呼びます。
これらの化学物質が、たとえば何らかの環境の変化により汚染してしまったり、人間の手によって流出させてしまった場合には、これは紛れもなく「人災」となるでしょう。
それほど、化学物質とは取り扱いに気をつけなくてはなりません。
たとえば、化学物質には安全なものもあれば、流出により人に害をもたらすものもあります。
それを知らずに、対策を何もとらなかった場合には人間のほうに過失があります。
さらに、化学物質と携わりを持つ研究者の中には、危険を知っていてもそれを回避するだけの技術は持たない者や、危険を知っていても回避する行動をとらない人もいます。
化学物質を取り扱う人間がどんな携わり方をしても、化学物質による汚染や流出が起きた場合には「人災」となってしまいます。
そのため、化学物質は誕生したときから何らかの危険がいずれあることを考え、それに対しての対策をきちんと考えて行動しておかないといけないのです。
人災を起こさないためには、なんと言っても人の力が必要不可欠なのでしょう。
交通機関の事故
交通機関の事故も、人災にあてはまります。
交通機関といえば、道路はそもそも人間の手で作り出したものですよね。
また、車以外の交通手段といえば、電車や飛行機などがありますがそれらは人間が運転をしています。
それらの操作の誤りがあったとしてもまぎれもなく人災になりますが、たとえば電車の脱線事故や飛行機の内部の機械の故障などもときにはあると思います。
しかしそれらはすべて人間が作業して作ったものになるため、整備不良は立派な人災となってしまいます。
故障や事故の可能性を考えて作り出さないとならないため、交通機関を作るということはとても大変なのかもしれません。
物が原因で起きたとしても、その物を作り出しているのがそもそも人間なので、このように考えると世の中には意外とたくさんの人災が潜んでいるのかもしれませんよ。
爆発事故や火災
工場の爆発事故や、火災も人災にあてはまるとされています。
なぜこれらが人災になるのかというと、工場の爆発事故の場合、工場製品自体がもともとは人間の手によって作られていますよね。
そのため爆発のほとんどの原因は、人間が製品を作る過程で問題に気がつけなかったことが原因となります。
もしも、作る時点で「この構造ではいずれ爆発が起きるかもしれないから、改善しよう」と考えることができていたら、爆発事故は防げたかもしれないのです。
また、火災の場合は火災が起こる原因には2パターンがあります。
1つ目は、火災が山火事などの自然災害によって起こった場合です。
風や摩擦によって起こった火災は自然とできた炎になるため、これは人災とは言いません。
しかし同じ山火事でも、もしもそれが人間がタバコのポイ捨てしたことでそれが移り火となり家事が起こってしまった場合、これは人災となります。
自然現象で起きたものか、人間の行動が原因で起きたものか、それらの理由について言葉の使い方が異なるため気をつけましょう。
原子力事故
原子力による事故といえば、東日本大震災の福島県原子力発電所による事故が記憶に新しいかもしれませんが、原子力のパワーはもちろん人の力で止めることができませんし、発生は自然災害でもある地震が原因で起こったことのため、一見は災害のように思えるものです。
しかし、こちらは実は人災だといわれています。
原子力事故は、発電所を製作していた運営側が震災がいつか起こることを想定をした対策をとっていなかったことが原因だったといわれているのです。
さらに、突然の大きな災害に監視や監督機能がしっかりと機能できなかったことも、危害を増やしてしまった要因だったといわれています。
東京電力も普段から大きな事故に対する準備をしていたわけではないのでしょうね。
さらに、こちらの原子力事故に対しては、日本の政府や規制当局のほうもまったく危機管理体制が整っていなかったと言われています。
人災とは、人が直接手を加えずとも、人がその対策を怠ることで被害が出てしまった場合のこともそう呼ぶため、こちらはまさしく人災の事故であるといえるのかもしれません。
東日本大震災のような大規模の自然災害が、いつまた起こるかわからないので、今度はしっかりといつ何か起きても良いように対策をとってほしいと思います。