面子をつぶされると、以後の交渉において大きく力をそがれてしまいます。
それを本能的に避けようとする行為です。
人によって各々のレッドラインは異なっていますから、注意が必要です。
17. 人の目を気にしない
中国人にとって第三者はいないも同然ですから、何をしてもかまいません。
第三者の方でも他人の好意にまったくと言っていいほど関心を向けません。
万一何かクレームがついたとすれば、そこで交渉して解決をはかればいいのです。
もし相手が権力者であればプレゼントまたはワイロの出番です。
18. 小さなことでクヨクヨしたり後悔しない
中国人は楽観的です。
事業の失敗は風水のせいにして、ただちに立ち直ることができます。
筆者は実際に、経済犯罪で逮捕歴のある人と出会ったこともあります。
そういう人たちもシャバへ戻って堂々と商売を行っています。
卑屈感のようなものは全然ありません。
また商売相手にも偏見は見られません。
お互い儲かるかどうかしか興味はありません。
まったくたくましい限りです。
19. 相手の気持ちは一旦おいておく
交渉相手の気持ちをくめば、舌鋒が衰えて交渉に不利となりかねません。
そこはあまり斟酌しないようにしているのでしょう。
中国のある鉄道駅待合室で、派手な夫婦喧嘩の始まったことを思い出します。
女が追いかけ、男は方々逃げ回っていました。
しかし後で聞いてみると、このときは、女の方から仕事を回してほしいと男に対し、営業をかけていたというのです。
日本ではあり得ない光景です。
このような迫力を持って臨まなければ、中国ではやっていけないようです。
とても相手のことを考えている場合ではないのでしょう。
20. 自分のプライバシーを大切にする
中国人のプライバシー感覚はどうなっているのでしょうか。
大切にしているようでも、わがままだからそう見えるだけというのが本当のところでしょう。
中年以上の人にはプライバシー空間という考えはあまりありません。
一昔前の公衆トイレには間仕切りさえありませんでした。
第三者は石ころですから恥ずかしくも何ともないのです。
他人に無関心でいることで、プライバシーを守っているのかもしれません。
80后、90后と呼ばれる1980年代以降生まれの世代からは、感覚も変化しているでしょう。
豊かになるにしたがい、結婚も遅くなるなど他の西欧先進国同様の傾向がみられています。
西欧とのシンクロの度合いは若い世代ほど強いはずです。