インテリのエネルギーはすべて自らの立身出世に使われるようになります。
そして中国の文明は完全に停滞してしまいます。
そのせいでしょうか、それからは北方少数民族、金、元、清などの支配を受ける時間が多くなります。
大きな大陸
中国大陸は地域により風土は全く異なっています。
北方では主食はいまでも饅頭で、米はサブです。
上海を含む長江デルタ地帯は米が主体です。
福建省や広東省は山が海岸までせまり耕地に恵まれていません。
このことが食いはぐれて海外へ出る人が多い原因となっています。
習慣も各地で大きく違います。
中国人はよく「中国の習慣では、」などと言います。
しかしこれは自分の出身地でしかも自分の一族の周囲にしか通用しない習慣であることが多いのです。
それを聞いて簡単に中国がわかったと思ってはいけません。
中国が抱える問題
中国はたくさんの深刻な問題を抱えていますが、中国人にとってはそうでもないようです。
中国社会は常に戦いの連続です。
問題の多い状況には慣れ切っていて、いちいち悲観的になることはありません。
むしろ金儲けのチャンスとして積極的に捉えているフシすらあります。
一人っ子政策のその後
一人っ子政策は2016年1月から、二人っ子政策に変わりました。
つまり国家が夫婦の子ども数に口を出すのをやめたわけではありません。
国家衛生計画生育委員会という役所を守る必要もあるからです。
同委員会は一人っ子政策のため膨大な人員を抱えていました。
彼らは長い間暗躍を続け、二人目を生もうとした夫婦に対し、徹底的にからみつきました。
あまりのひどさに中央から暴力禁止、侮辱行為禁止などの通達が出たほどです、田舎ではとくに陰湿ないじめが続きました。
こうした連中から解放され、社会はほっとしています。
政策変更後一年経ちましたが、実際に二人目を生む人は各地方政府の予測を下回っているようです。
格差社会
中国はもともと皇帝や高級官吏が富を独占する社会でした。
毛沢東によってみな貧乏という平等社会が現れたのは、歴史上の奇観でした。
1979年に開始された改革開放によって、貧富の差は急拡大し、中国はいつもの状態に返っていきます。
みな商売をして儲けようという意欲にあふれています。
隙あらば独立を考えている人、必要とあれば人を出し抜くことも厭わない人、は数えきれません。
ひどい格差は中国史では常態です。
現代だけが特別深刻な状況というわけではありません。