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手前味噌とはどういう意味?デキる人...(続き5)

ここで使われる手前にも、いくつかの意味があるんですよね。

位置関係のことではない

手前味噌の手前の意味のひとつには、“自分の目の前”とか“自分に近いほう”の意味があります。

「手前にあるそれとって」とか、「手前の信号を右折して」とか…また「目標達成の一歩手前の段階」など、自分の手の届く範囲や近い場所という、位置関係を意味するものを手前と表現することがありますよね?
だけど、手前味噌の手前はこの位置関係の手前ではありません。

また、「子供の手前、下手なことは出来ない」とか「言っちゃった手前、断れない」など、自分の立場や体裁を表わす言葉としても手前は使われますが、手前味噌の手前の意味は、これでもありません。

それから手前の意味には、「お手前を拝見します」などの、腕前やお手並みのことも手前と表現されますが、手前味噌の手前の意味としては、これもちょっと違うんですよね。

でも、ニュアンスとしてはちょっとだけ、この手前の意味も含まれていると思います。

自分のこと

手前味噌の手前が意味するところは、大きく分けてふたつあります。

そのひとつは、“自分のこと”なんです。

そしてこの場合、謙遜の意味になっているようです。

「私」という所を「手前」と表現することで、へりくだった言い方になっているということですね。

そういえば時代劇なんかで、「手前の生まれは〇〇で…」なんて言っているのを聞いたことがありませんか?今は時代劇を見たことが無いっていう人も多いかもしれませんけどね…。

筆者は子供の頃、何故かTVで時代劇を見るのが好きだったので、時代劇の中の人のセリフであったな~なんて思い浮かびました(笑)

手前は、昔ながらの言い回しであり、自分を謙遜した表現ということです。

なので手前味噌は、「私の味噌」と言い換えることも出来るんですね。

味噌の意味も判明しないと、「だから何?」って感じですけどね。

自家製のこと

また、手前味噌の手前が意味するところには、“自家製のこと”も含まれているようです。

なので、手前味噌は「自家製味噌」ってことにもなりますね。

だから何で、自家製味噌がイコール自慢なの?って思っちゃいますが、それは手前味噌の味噌が意味するところを知ると納得出来るんです。

それにここで、先ほどご紹介した手前の意味である“腕前”や“お手並み”のことも頭に入れておくといいかもしれません。

自家製味噌を美味しく作るのには、その腕前や技量も必要です。

つまり、味噌が美味しければ、味噌作りの腕前があるってことになって、それは自慢にもなりますよね。

こんなニュアンスも、手前味噌が自慢を意味することになった由来に関わっているのだと思うんです。

日本語って面白いですよね。

組み合わさった言葉の意味を紐解いていくと、その言葉が生まれていった当時のことが、いくらでも想像出来ちゃいます♪

ここで使われる味噌とは

さて、手前味噌の手前は、“自分のこと”や“自家製のこと”の意味であることが分かりましたね。

では味噌は、何を意味しているのでしょうか?
これはそのまま、調味料のあの“お味噌”。

なのでやっぱり直訳すると、手前味噌は「自家製味噌」になるんです。

ですが…味噌も、実は色々なニュアンスで使われている言葉ですよね。

「ここがミソなんだよ~」と言えば、「ここがポイントなんだよ~」と言った意味になりますよね。

これも結局は自慢のニュアンスですけど、自分が趣向を凝らした点や、工夫した点などを味噌という表現に置き換えていますよね。

隠し味的なミソを加えたことが、自分のひらめきによって生まれたものであると、自慢げに話す時に使われていたりします。

こんな使われ方をすることからも、味噌自体に“自慢”の意味があるとされているんです。

なので、この意味を引用すれば、やはり手前味噌は「私の自慢」と解釈することも出来ますよね。

味噌にはこれ以外にもことわざで、「味噌も糞も一緒」なんて使われ方もしています。