それは、受け取る相手によってはちょっと鼻につく態度でもあるでしょう。
だけど、そこで便利なのが“手前味噌”になるわけです。
「自慢だけど」って言っちゃうと鼻につく。
だけど、「手前味噌ですが…」というと、ちょっと謙遜も入るし柔らかな印象を受けますよね。
それに、自分で自分を褒めちゃっているだけなのか、自慢気でちょっと傲慢な態度なのか、手前味噌と言われただけでは分かりません。
自慢を手前味噌と置き換えることでその意味を濁し、やはり、角が立たないように出来るということです。
自分で自分を売り込むこと
角が立たない、柔らかい表現を可能にしてくれる手前味噌。
だけど結局は、自分で自分を褒め、自分で自分を自慢しているんですよね。
つまり、相当なアピールもしているということで、“自分で自分を売り込んでもいる”わけです。
「手前味噌ですが…」というのは、日本の謙遜の文化があるからであって、相手に嫉妬心など余計な感情を生ませないための気遣い。
実際は、自分で自分を褒めちゃうくらいに誇れるものがあって、自慢できるほどに自信も持っているということになるのでしょう。
手前味噌は、自分を売り込むための、日本ならではの表現方法だということですね。
自画自賛
ここまでの意味を総合すると、手前味噌は“自画自賛”の意味ともとれるわけです。
一応謙遜しつつも、結局は自画自賛。
気を遣って「手前味噌ですが…」とか「手前味噌で恐縮ですが…」なんて言ってはいますが、そこには確固たる自信があるんです。
なので手前味噌という言葉を使う人は、自信家であるとも言えるのかも。
この辺が、年配の人からしか聞かれない理由なのかもしれませんね。
言葉自体が昔からあるものでもあり、年配の人の方が慣れ親しんでいるということ。
それに加えて、熟成が必要な味噌というアイテムであるということが、ある程度の経験を積んいる年齢の人が使うにふさわしいのかもしれません。
経験に裏打ちされた、にじみ出る自信があってこそ、自画自賛である発言も出来るのかもしれませんしね。
【自画自賛については、こちらの記事もチェック!】
️手前味噌が使われるとき
さて、自慢を意味する手前味噌ですが、この言葉はどんな時に使われるのでしょうか。
筆者のイメージでは、年配の方が使う印象がありますし、謙遜も交えるとは言え、結局は自慢になる手前味噌。
若輩者が使ったら、やっぱり角が立つ言い回しなんじゃないかとも思えてしまいます。
それに使い方を間違えたら、やっぱり鼻に付いちゃうんじゃないかな?と、ちょっと心配にもなります。
ただ、控え目な日本人にとっては、アピールだって時には必要です。
日本人らしい謙遜を交えた手前味噌を使ったら、自己表現のひとつとして活用できるのかもしれません。
デキる人が使うという手前味噌。
これは一体、どんなシーンで使われるものなのでしょうか。
少しかしこまった場で使われる
手前味噌は、少しかしこまった場で使われることが多いそうです。
確かに、日常会話で「手前味噌ですが…」なんて、あまり聞いたことがありませんよね?
筆者のイメージでは、政治家さんとか著名人が言っていたような、そんな印象があります。
つまり、ちょっとお堅い場で、お偉いさんが使っていることが多いイメージということです。