これは、良いものも悪いものも同じようにして扱うことの例えで、良いものの例えが味噌になっているんですよね。
ですので、“自慢”とまでは言わなくても、やはり味噌は、良いことを表わしていることになるんです。
この辺りの意味を知ると、手前味噌が自慢を表わしていることも、もう想像付きますよね。
だけど、なぜ味噌が良いものの代表や、自慢を表わすものとなったのか…そこにこそ、手前味噌と言う言葉が生まれた原点があるようです。
かつて味噌は各家庭で自家製で作られた
日本人には昔から欠かせない調味料であり、良いものの例えとしても挙げられているお味噌。
味噌はかつて、各家庭で自家製で作られていたと言います。
今はほとんど、自宅でお味噌を作るご家庭はありませんよね?代表的な味噌メーカーも誕生し、スーパーで調達するのが当たり前です。
でもスーパーが無かった時代。
そして味噌の製造工場が無かった時代にも、お味噌は日本の家庭にとって、欠かせない調味料だったわけです。
各家庭で作っていた自家製味噌。
これがいわゆる手前味噌の原点ですよね。
現在のような意味として深読みしなければ、単純に「私の家庭で作った味噌」なのです。
つまり趣向をこらして作っていた
「私の家で作った味噌」…これはつまり、その各家庭の味なんですよね。
各家庭でそれぞれが趣向を凝らしたりすることで、それぞれの家庭のお味噌の味があったということです。
手作りのお味噌は、大豆・米麹・食塩で作られます。
使う大豆や米麹、塩によっても微妙に味は変わってくるでしょうし、配合量によっても違います。
さらに熟成期間によっても甘口や辛口、コクなども違ってくるそうです。
昔は各家庭で手作りされるのが当たり前だったお味噌は、まさに“家庭の味”を表現するものだったんですよね。
転じて味噌=ポイントという意味に
そんな自家製味噌には、趣向や工夫を凝らした点があり、つまりそれが、ポイントという意味にもなっていったということです。
また、我が家独自に工夫して作ったお味噌は、自分の自慢にもなったことでしょう。
「手前味噌だけど、よかったら」なんて、ご近所さんにおすそ分けしたり、「手前味噌だけど、ちょっと味見してみない?」なんて謙遜しつつ、我が家のお味噌の味を自慢していたりもしたんじゃないでしょうか?
調味料の味は、そのままその家庭のお料理の味にもなっていくものですよね。
それだけ重要なものだし、お味噌の味で、その家庭の好みも分かってしまうくらいだったんじゃないかなって…当時を想像しちゃいます。
自家製の味噌を自分で褒める=手前味噌
ひとつの自慢であり、家庭の味を左右するポイントでもあった。
自家製のお味噌はかつて、そんな存在だったわけです。
それが、“手前味噌”が自分で自分を褒めることや、自慢の意味になっていったということなんです。
昔の各家庭のことを思い浮かべたら、手前味噌が自慢を意味するようになったのも納得ですよね!
これって、各家庭でお味噌を作らなくなった今の時代だったら、生まれていなかった言葉だったんですよね。
由来を知ってみると、日本の古き良き時代の風景も、目に浮かぶようですね!
️手前味噌の使い方
由来を知ると、「謙遜しつつも自慢したくてたまらない」そんな家庭の可愛らしいお母さんの姿も目に浮かぶようで…手前味噌と言う表現にも、なんだか親しみを持てる感覚がしますよね。
結局は自慢したいんだけど、そこに謙遜を加えるところが、日本人らしい奥ゆかしさなのかもしれません。
だけど今は、この手前味噌と言う表現は、聞き手に不快感を与えないようにするための便利な言葉として使われているんですよね。
発言の中に上手に取り入れることで、自分の主張を通したり、嫌味に聞こえないように自慢話をしたりできるのです。
先程は、手前味噌を使うシーンやどんな人が使うのかについてご紹介しましたが、ここでは“手前味噌”の使い方についてご紹介していきたいと思います。
手前味噌を上手に使ってみたいな…と考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね♪