皆さん、「確信犯」という言葉は日頃からよく聞くと思いますが、どんな場面で使っていますか?おそらく多くの人が「いけないとわかっているのにあえてやる」のような意味合いで使っていると思います。

しかし、実はこれは「確信犯」の正しい使い方ではないのです。

「え?違うの?」と思った人も多いと思いますので、「確信犯」の正しい使い方、さらに他にも間違って使いやすい日本語について書いていこうと思います。

正しい日本語について一緒に勉強していきましょう。

「確信犯」、正しく使っていますか?

言葉というのは日々進化していて、昔は使われていなかった言葉が今は当たり前のように使われていたりします。

しかし、日本語とは難しいもので、広く浸透している日本語が本来の意味と全く違う意味合いで使われていることも多いです。

今回はそんな言葉の中でも間違って使われていることがかなり多いと思われる「確信犯」について考えていきます。

1. 多くの人が使う確信犯の意味を考えてみよう


初めにも書いたように、多くの人は「確信犯」を「悪いとわかっているけれどやる」「いいことではないと理解しているのに行動する」のような意味で使っているのではないですか?しかし、本来の「確信犯」の意味は、これとは大きく異なります。

1. 悪いと分かっていつつ行動すること

筆者が「こいつ、確信犯だわ・・・」とたびたび思って使っていたのが、飲み会などで同席したブリッ子ちゃんが、イケメンに近づきたいときに、「この子(筆者)は男の人と話すの得意ですけど~、私なんて男の人に相手にもされないんで慣れてないんですよぉ~」と上目づかいで話していたときなどです。

現実は、筆者は男性恐怖症なところもあり、飲み会も人数が足りないからとブリッ子ちゃんに引っ張って行かれただけで、男性と交際したことすらない化石女子でした。

逆にブリッ子ちゃんは男性にちやほやされるのが好きで、男性関係で負けるのが大嫌いな女の子。

それなのに、ブリッ子ちゃんが男性に向かってこんなことを言えば、筆者の印象は男慣れした女と思われてダダ下がり、逆にブリッ子ちゃんは男性に慣れていない初々しい可愛い女の子として映るじゃないですか。

でももちろんですが、これはブリッ子ちゃんが「筆者の印象サゲ☆私の可愛さアゲ☆」とわかって言ってることであって、こういった場合に「こいつ、確信犯や・・・」と筆者は使っていたんですね。

しかし、このような使い方が実は間違っていたと知って、筆者も驚いた次第です。

2. 確信犯の本当の意味


「確信犯」は本来「確信犯罪」の意味で、犯罪行為を指します。

「確信した犯罪」ならば、先ほどから書いているように「悪いとわかっていて悪いことをする」で正しいように思いますが、これがまったく違っています。

正しい「確信犯」は、「自分は正しいのだと信じて行う犯罪」という意味です。

ここからは、さらにわかりやすく説明していきますね。

1. 正しいと分かっていて行動すること

例えば「こんなことをすれば相手がけがをするし、かわいそうだけど・・・」と思いながら暴力をふるうのは、「悪いと思いながら」の犯罪です。

しかし「確信犯」は、「アイツは悪い奴だから暴力をふるってもいいんだ」と、自分は悪いことをしているわけではない、と思いながらの暴力のことです。

間違って使われがちな「確信犯」との違いが分かっていただけたでしょうか?相手がどうなろうと、悪い立場になろうと、痛い思いをしようと、一切悪いと思わない。

自分は間違っていない。

そう思って起こす行動を「確信犯」というのですね。

2. 自分の行動が法律よりも正しいと信じて行動すること

上記にもあるように、「自分は間違っていない」と思って起こす行動が「確信犯」です。

法律よりも正しいというとわかりにくいですが、「誰でもいいから襲ってやろう。

けがをする人が出るけど仕方ないよね。

自分が罪に問われるのはわかっているけどいいんだ」と思って起こす行動は、「確信犯」とは違います。

「自分の大事な人を傷つけたアイツは最低の人間だ。

だから自分がアイツに仕返しをするのは間違っていない」と思って起こす行動が正しい「確信犯」の使い方だと言えるのです。

3. 思想信条が影響している場合が多い

「確信犯」には、思想や信条が絡むことも多いです。

大きな宗教団体がサリンを使い、複数の死者を出すほどの事件を起こしたことは皆さんの記憶にもあると思いますが、これを実行した犯人たちも、おそらくは「教祖が言うことが絶対なんだ。

自分たちは間違った行動はしていない」と思い、実行したのだと思います。

サリンのような猛毒の薬品を使えば危険なことは誰にでもわかりますし、無差別に襲うことも当たり前ですがいけないことです。

それでも、犯人たちは「こんなことやってもいいのかな。

命を脅かす危険があるのにいいのだろうか」と躊躇したかというと、それはないと思います。

自分が崇拝する教祖が言うのだから、自分たちの行動は正しいのだ。

そう思っての行動です。

まさしくこれが「確信犯」です。

4. 法律や社会常識を犯しても構わない

「自分が正しいと信じて行動する」の所でも書きましたが、単に罪を犯すのではなく、自分は間違っていないと信じて起こす犯罪が「確信犯」です。

身内の敵討ちなどが当てはまるのではないでしょうか。

これもわかりやすく例えてみますが、筆者が「むしゃくしゃしているから誰かを襲ってやろう。

悪いことだとは思うけれどむしゃくしゃしているから仕方がないんだ」と思って人を襲うのは「確信犯」とは言えません。

逆に、「娘をひどい目に遭わせた犯人を許すことができない。

あの犯人に、母親である自分が復讐することは間違っていない。

娘にひどいことをした人間は酷い目に遭って当然だ」と思い、犯人を襲うのが「確信犯」と言えるのです。

3. 「故意犯」とはどう違う?

それでは、似たような意味で使われる「故意犯」と「確信犯」はどう違うのでしょうか。

「故意」というのは「わざと」とか「悪いとわかっているけれど」のようなニュアンスの言葉ですね。

ですので「故意犯」は「悪いとわかっているけれど起こす行為」という意味でしょうか。

ということは、日ごろ間違って使われている「確信犯」の意味をあらわすのが「故意犯」だと言えるでしょう。

先ほど書いた、飲み会でのブリッ子ちゃんの行動がまさに「故意犯」なわけです。

「こんな発言をすれば相手を貶めるとわかっていて、あえて言う」のが「故意犯」ということになります。

「わざと、相手に不利になると理解しているのに発言する」のが「故意犯」で、「自分は間違ったことは言っていない」と信じて発言、行動するのが「確信犯」です。

似ているようで違う意味のこの言葉。

違いが分かっていただけましたか?

4. 正しく使っている日本人は半分以下

このように、「確信犯」という言葉は、ほとんどの日本人が間違った意味で使っていると思われます。

かくいう筆者もそのうちの一人でした。

これからは、ブリッ子ちゃんのような女を「故意犯」だ、自分は正しいと思って起こす行為を「確信犯」だと、正しく使い分けるようにしようと思います。

5. 正しい使い方の例文

「確信犯」と「故意犯」の違いが分かったところで、改めて「確信犯」の正しい使い方を例文で見ていきます。

「自分は正しいと信じて行う犯罪」が「確信犯」ですよ。

1. 分かりやすくイメージするには「テロリスト」

正しい犯罪なんてないと思うので想像が難しいですが、「確信犯」という言葉を使う上でイメージしやすいのは「テロリスト」ですね。

現在も世界のあちらこちらで凶悪なテロ活動が行われていますが、テロリストが人を巻き込むのに「けが人が出るかもしれないのは申し訳ない」「できれば多くの人を巻き込みたくない」などと思うでしょうか?思いませんよね。

自分の信条や思想が正しいという思いからの行動であって、人に申し訳ないなどとは微塵も思いません。

こういったテロ活動を行うテロリストの犯罪が「確信犯」と表現できると思います。

お金と引き換えに何らかの犯罪をする人は、「お金はほしいけれど、そのせいで誰かを傷つけるのは、本当は嫌だ」と思いながら行動するでしょう。

これは、「確信犯」ではない。

過激な思想を掲げたテロリストが、「神は偉大なり」と叫びながら人ごみの中で自爆テロを起こす。

これは「確信犯」。

こんな感じで使います。

2. 「テロリストの行動は確信犯だ」

つまり、筆者が使っていたような「ブリッ子ちゃんが私を陥れるために嘘をつく女」を「確信犯だ」というのは間違いで、「テロリストの行動は確信犯だ」が正しい使い方です。

悪意をもって嘘をつくなどの場合や、不本意ながら行う犯罪などには「確信犯」は使えませんので覚えておきましょう。

確信犯を犯す人の特徴

繰り返して「確信犯」の意味を書いてきましたので、ここからは「自分は正しいと信じて行動(犯罪)をする」、つまり「確信犯」を犯す人にはどんな人がいるのか見ていきたいと思います。

1. 不倫・浮気体質の人

これは偏見もあるかもしれませんが(過去の痛い経験も踏まえています)、不倫や浮気をする人には罪悪感というものがありません!!なぜなら、「奥さんや彼女は大事だけど、浮気相手のことも大事なんだもん。

どちらもちゃんと好きだから、どちらにも本気だし」と開き直れるからです!!(あくまで筆者の偏見が混じっています。

笑)と、ここまで言い切るのは多少大げさかもしれませんが、不倫や浮気が「一度きりの過ち」ではなく、「何度も繰り返す体質の人」は間違いなく「確信犯」です。

パートナーはいるけれど、好きになってしまったんだもん。

出会う順番が違っただけだもん。

という具合に、自分は間違っていない、自分は本能のままに恋しているだけだ、正しいじゃないか、と思うからです。

自分は何も間違っていないと思いながら不倫や浮気をしているというのは、悪いと思いながらコソコソ行動している、ではないわけですよね。

そういうわけで、不倫や浮気を繰り返す体質の人に「確信犯」という言葉を使えるということになります。

2. 社会的倫理観が欠如している人

社会には、守るべき決まりや、いちいち口にはしなくても「当たり前」だと思われていることなど、いわゆる「社会的倫理」が存在します。

人の悪口は言ってはいけないし、お店のものを盗んでもいけません。

生きていく中で、こういった「常識」めいたものを覚えながら学んでいくわけです。

しかし、こういった「社会的倫理感」が欠如している人は、「確信犯」を犯しやすいと言えます。

人の悪口を言うときに、「なんで?実際アイツ最低じゃん」と思いながら言っている人は、悪口を言っている相手に「悪いなぁ」という感情は持っていません。

お店のものを盗んだ人が「おなかがすいてるけれどお金がないのだから盗りました」と悪びれていなかったら、これも「確信犯」です。

普通に考えて、それはいけないよ、それはマナー違反だよ、と思うことが、自分の中から欠如している人は、「確信犯」を犯しやすいと言えます。

3. 自分が世界の中心にいると思っている人

先ほど書いた、筆者の友人のブリッ子ちゃんは、計算づくでのブリッ子ちゃんだったので「故意犯」が当てはまるのですが、本当に天然の子は「確信犯」を犯しやすいです。

自分は誰よりもかわいくて、誰からも好かれていて、何をするにも優先されるべきだ、と心から思っている人は、悪意なく悪事を働きます。

男子の前で、女友達のことを「こんな子のどこがいいの?ブサイクだし頭も悪いし」などと言って女友達を泣かせても、「え~?本当のことを言っただけなのに何で泣くわけぇ~?」となります。

この場合は、ブリッ子ちゃんが筆者を貶めようと悪口を言った「故意犯」ではなく、あくまで「自分は間違ったことは言っていない、友達のありのままを言っただけだ」としか思っていないので「確信犯」と言えますね。

と言っても、こんな天然ちゃんは「悪口を言った」という自覚すらないので「それ、確信犯だよね」と言っても意味が通じません。

「テスト前なのにプリント貰うの忘れちゃった~。

だからあの子のプリント借りてきてよ♪」みたいなことも平気でやります。

プリントを取られた方は迷惑極まりないのに、天然ちゃんは悪気がない。

いつも自分が世界の中心ですからね。

こういう「私が世界の中心で、私が世界の法律なの♪」的な人には嫌な思いをさせられそうなので、気を付けたいですね。

あ、「確信犯」についての記事だったのに脱線してしまいました・・・。

4. 猪突猛進型の人

筆者もやや当てはまるのですが、猪突猛進型の人も「確信犯」を犯しやすいです。

猪突猛進型は、一度「こうだ!!」と決めたら、そこに向かって突っ走ります。

周りを見ません。

周りへの迷惑も目に入りません。

とにかくゴールしか見えていません。

その結果、「出かける約束していたのに、何で連絡もなしにドタキャンしたの??」と怒られても、「あ、そうだったっけ!!あのね、私が狙ってたワンピースが、近くのお店で割引してるってネットで見つけちゃって!!そうなったら買うしかないじゃない?だからソッコーお店に走ったんだよね!!」という具合です。

約束をコロっと忘れて相手を怒らせても、自分はあくまで欲しいものをお得に買うことにしか目が向いていないので、悪いことをしたという気持ちを持てません。

同じように、お店に5個しか入荷できませんでした、という品物を、後ろにも買いたくて並んでいる人がいるのに、「ラッキー!!この際ストックぶんもまとめて買えるじゃん!全部買っちゃお!ほんとに運がいいわぁ~♪」とカゴに全部入れてしまうようなことも平気でします。

周りが見えない人は、こういった具合に人に迷惑をかけていますが、迷惑をかけている自覚がないし、意地悪をしているわけでもないので、「故意」ではなく、すべてが「確信犯」なんですね。

5. すぐに洗脳されやすい人

宗教にのめり込むとか、パワーストーンや開運グッズを山のように買うような「洗脳されやすい人」も、「確信犯」を犯しやすいと思われます。

自分が信じて買う分にはいいのですが、「このブレスレット、絶対にお金持ちになれるんだって!!安いしあなたも買いなよ!!買った方がいいって!!」としつこく勧められるのは、信じていない人間からすると迷惑以外の何でもないですよね。

でも信じている人は、善意で勧めているだけなので、相手が迷惑に感じているなんて微塵も思っていないわけです。

また、「〇〇っていう宗教なんだけど、あなたにも入会を勧めたいのよ。

私は入信してから毎日幸せなのよ。

お布施だってたったこれだけだし、どう??一緒に活動しましょうよ」と、純粋に相手にも幸せを分けてあげたいと思っている人も、周りから見ればありがた迷惑な「確信犯」ですよね。

このような「洗脳されやすい人」は、悪気なく自分の信じるものに引き込もうとしてくるので厄介です。

間違えて使われている日本語は多い

さて、「確信犯」についてこれでもかと書きましたので、正しい「確信犯」の使い方はお分かりいただけたと思います。

しかし、「確信犯」のように、間違った使い方をされている日本語はほかにもあります。

どんなものがあるのか、また、正しい使い方についても書いていきます。

1. 役不足

「役不足」も、たびたび間違って使われます。

皆さんもよく見ると思いますが、「お前を支えるには、俺は役不足だ、ゴメンな」みたいな表現を見たことがありませんか?意味は、俺にはお前を助けてあげられる力が足りない、という意味ですね。

しかし、これは間違った使い方です。

力が足りない、ということを言いたいのなら、正しいのは「力不足」です。

では、「役不足」はどのように使うのでしょうか。

例としては、何らかの劇をやるとして、脇役に選ばれた人が「この配役は、俺には役不足だ」といった具合です。

俺は脇役に収まるような人間ではない、主役が張れる人間だ、といいたいときに「役不足」を使います。

仕事でもそうですね。

自分の仕事に自信がある人が、メインではなく、単に進行役をしてくれと頼まれ、自分は進行役ではなくメインを任されていい才能があるのに、と思ったときに「ただの進行係なんて、自分には役不足です」という感じで使います。

自分の力が足りないのを「役不足」というのではない、とお分かりいただけましたか?自分の才能では、こんなところでは物足りない、もっと大きなことができる、という具合です。

2. 煮詰まる

「煮詰まる」と聞いて、浮かぶイメージは何ですか?おそらく多くの人が、「行き詰る」というニュアンスを想像するのではないでしょうか。

考えれば考えるほど、まとまらずに行き詰ってしまう、という意味で「煮詰まる」を使いがちですよね?「今度の誕生会の出し物、何をしたらいいかアイディアが出なくて煮詰まった」のように使う人が多いと思います。

しかし「煮詰まる」は本来、「結論が出そうになる」「結論にたどり着きそうになる」という意味で使われます。

話し合いや相談などを散々重ねて、ようやくゴールが見えてきた、というときに「煮詰まる」を使います。

「お母さんへのプレゼント、何にするかさんざん悩んだけど、やっと煮詰まったわ」という使い方が正しいのですね。

意味はもちろん、「プレゼントを何にするか考えに考えた挙句、おおよそ決まった」ということです。

「煮詰まる」を「行き詰る」の意味で使っている人は、間違えないようにしてください。

 

3. 失笑

「失笑」も多くの人が間違って使っていると思われる言葉です。

「新人の幼稚な発言に失笑が漏れた」のように、「あきれて笑う」とか「思わず苦笑した」のような意味で使われることが多いです。

「この人、何言ってるの?」と多少馬鹿にしたニュアンスで笑うことも「失笑」と表現されていることがありますよね。

あきれて言葉が出ない感じの時も「失笑」と表現されます。

しかし「失笑」は本来、「あまりにおかしくて、こらえることができずに笑いが出てしまうこと」「おかしくてこらえきれずに吹き出してしまうこと」を表します。

「あきれて笑う」とか「苦笑した」のようなニュアンスで「失笑」を使っていた人は驚いたのではないですか?つまり「子供の会話を聞いて失笑した」とあれば、子供の会話にあきれて苦笑いをしたのではなく、「子供の会話の内容があまりに面白くて吹き出してしまった」という意味なのです。

もし、間違って使われる「あきれて笑ってしまう」の笑いを表現したいのなら、「嘲笑」と表現する方が近いです。

あざける、といったニュアンスなので、あきれるとか苦笑に近いです。

間違って「失笑」を使っていた人は今後間違えないようにしましょう。

【失笑の正しい使い方は、こちらの記事もチェック!】

4. 「おざなり」と「なおざり」

「おざなり」と「なおざり」は、言葉自体も似ているため、どっちが正しいんだっけ?と混乱しやすいだけでなく、正しく覚えることも難しいですよね。

ごっちゃになって「ざおなり」などと言ってしまう人もいるとかいないとか。

それはさておき、「おざなり」と「なおざり」は、意味自体はどちらの言葉も「雑な様子」や「いい加減な対処」を表しますが、使う場面がまったく違うのです。

短くまとめると、「おざなり」は「いい加減な対処をする」、「なおざり」は「何もしないで放置する」という感じです。

行動を起こすのが「おざなり」で、何もしないのが「なおざり」だと覚えると、少し混乱もしにくくなるのではないでしょうか。

「おざなりな仕事をされた」は、「雑ながらも仕事は一応やってある」のに対し、「仕事がなおざりにされた」だと「仕事自体が手を付けられずに放置された」という意味です。

ややこしいですが、「おざなり」と「なおざり」の違い、お分かりいただけましたか?

5. 潮時

「潮時」と聞いて、筆者が思い浮かべるのは「私たち、もう潮時だと思うの。

別れましょう?」といった、別れの場面です。

あるいはプロスポーツ選手が引退会見で「自分の潮時が今だと感じたからです」のような場面です。

二つに共通するのは「潮時」が「終わりの時期」を指しているということです。

しかし、これも間違った使い方をしています。

え?「潮時」って違う意味なの?と思った人も多いのではないですか?実は「潮時」は、終わりどころか「物事を始めたり終えるのにいい時期」という、前向きな言葉なのです。

野球の試合で逆転が狙えそうなときに好打者を用意して、「代打を出す潮時だ」のように使うのが正しい「潮時」の使い方です。

もちろん意味は「ここはチャンスだ、今こそ好打者を向かわせる時だ!」という意味です。

別れ話をするときに「潮時」と使ってしまうと意味が分からなくなるので注意してくださいね。

「終わりの時期」ではなく「前向きな意味で、始めたり終えたりするのにいい時期」ですよ。

6. 小春日和

「小春日和」も意外と間違いやすい言葉です。

というのも、きっと多くの人は「小春日和って、冬が終わって暖かくなってきて、春を感じるような陽気の日だよね?」と思っているのではないでしょうか。

「小さな春」と書きますし、雪が解け、太陽の光がぽかぽかと感じられるような日をイメージするのも仕方ありません。

しかしこの「小春日和」、なんと「秋の終わりから冬の始まりのころの、穏やかな陽気」を指し、俳句などでは冬の季語として使われると言いますから驚きです。

「だって小さな春じゃん!!春の始まりとしか思えないわ!!」といいたくなるのは筆者だけではないと思います。

しかし、漢字で判断するから間違いが起こるのであって、「小春日和」が旧暦の10月を指すと知っていれば、春先の陽気を表す言葉ではないと理解できます。

ちなみに「小春日和」を春先の陽気の意味で使っている人は、「冬が終わって暖かくなってきた春の陽気はなんて表現するんだよ」と思うでしょうが、「春日和」という言葉がありますのでご安心を(?)。

「春日和」は4月の季語でもありますので、これは間違いなく「春のぽかぽか陽気」を指します。

「小春日和」を間違って使っていた人は、この機会に「春日和」も併せて正しく使えるようにしましょう。

7. 敷居が高い

「敷居が高い」と聞いて、「分不相応」という意味だとイメージする人はどれくらいいますか?例を出すと、「このブランドのショップは敷居が高くて入ることもできない」のように使うイメージです。

ところがこれも、大きく意味が違う間違った使い方なのをご存知でしたか?実は「敷居が高い」という言葉には、「分不相応だ」のような意味はありません。

レベルが高いから無理、とか、自分には無理だ、という意味で使っている人は間違って使っています。

では「敷居が高い」の本来の意味は何なのでしょうか。

それは「失礼なことをしてしまったり、ご迷惑をおかけしてしまったりして、その家に行きにくい」というのが正しい意味です。

義理を欠いて、その方の家に行きづらくなってしまった様子を「敷居が高い」といいます。

ある程度年齢を重ねた人は正しい意味で使えているようですが、若い人、特に30代以下の人は「レベルが高い」という意味で使ってしまっているようです。

「ブランドショップは敷居が高い」は間違いなので注意してください。

では、間違って使われる「敷居が高い」ですが、レベルが高いという場合にはなんと表現すればいいのでしょうか?これは難しいので、そのまま「このお店は自分には分不相応だ」「このお店はレベルが高くて入りづらい」のように、そのままの言葉を当てはめるのがいいようです。

変に「敷居が高い」と誤用しないためにも、思ったままの言葉で表現する方がいいでしょう。

これからは間違えて使わないようにしてくださいね。

8. 気が置けない

「気が置けない」が間違って使われることが多いと聞いて、「え?私は『気が置けない親友が一人だけいる』という使い方をするけれど、これは間違っているの?」と筆者は思いました。

意味はもちろん「気を遣わずに、楽な気持ちで接することができる」という意味で使っていたのですが、これは間違いなのでしょうか。

しかし調べてみると、「気が置けない」は「気を張らずに気楽に付き合える」とありました。

私の理解であっている様子。

はて、誤用する人は一体どういう意味で使っているのだろうか。

ということで調べました。

「気が置けない」を、「油断ができない」という意味で使う人が多いのですね。

「気が置けない」は「気を置くことができない」、つまり「油断することができない」、ということなのですね。

確かに、字の並びや意味を考えると、「気を置くことができない」、つまり「気楽にできない」「油断できない」と思ってもおかしくありませんね。

しかし最初にも書きましたが、「気が置けない」は「気を遣わずに気楽に付き合える」という意味です。

間違っていた人は正しい意味をぜひ覚えてください。

「あなたは気が置けない友人だ」は、警戒されているのではなく気を許しているので、勘違いしないでくださいね。

日本語の正しい意味をきちんと知ろう

いかがでしたでしょうか。

「確信犯」がいかに間違って使われているか、お分かりいただけたでしょうか。

「私以外の女子のことは徹底的に悪く言っちゃおう、てへ♪」のようなブリッ子ちゃんのことを「アイツ、確信犯だわ」と使ってはいけません。

(重ねて言いますがこれは「故意犯」です)テロリストのように、「自分は正しいことをしている」と信じて起こす犯罪が「確信犯」です。

いろんな例を出して正しい意味が伝わるように解説したつもりですので、ぜひ使い方を覚えてみてください。

また、「確信犯」だけでなく、間違って使われている言葉が多くあることもお分かりいただけたと思います。

「役不足」は間違って使ってしまうと険悪な関係になりかねませんし、よく「アイツの考えには失笑しか出ない」と小馬鹿にしたつもりでも、本来の意味ですと「絶賛褒めちぎり!!」みたいになってしまうので注意したいものです。

日本語は難しいですが、美しいと言われる言葉です。

正しい意味を知って、正しく使いましょう。

参考になれば幸いです。