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確信犯の使い方をみんな間違っている...(続き6)

それに対し、「仕事がなおざりにされた」だと「仕事自体が手を付けられずに放置された」という意味です。

ややこしいですが、「おざなり」と「なおざり」の違い、お分かりいただけましたか?

5. 潮時

「潮時」と聞いて、筆者が思い浮かべるのは「私たち、もう潮時だと思うの。別れましょう?」といった、別れの場面です。

あるいはプロスポーツ選手が引退会見で「自分の潮時が今だと感じたからです」のような場面です。

二つに共通するのは「潮時」が「終わりの時期」を指しているということです。

しかし、これも間違った使い方をしています。

え?「潮時」って違う意味なの?と思った人も多いのではないですか?

実は「潮時」は、終わりどころか「物事を始めたり終えるのにいい時期」という、前向きな言葉なのです。

野球の試合で逆転が狙えそうなときに好打者を用意して、「代打を出す潮時だ」のように使うのが正しい「潮時」の使い方です。

もちろん意味は「ここはチャンスだ、今こそ好打者を向かわせる時だ!」という意味です。

別れ話をするときに「潮時」と使ってしまうと意味が分からなくなるので注意してくださいね。

「終わりの時期」ではなく「前向きな意味で、始めたり終えたりするのにいい時期」ですよ。

6. 小春日和

「小春日和」も意外と間違いやすい言葉です。

というのも、きっと多くの人は「小春日和って、冬が終わって暖かくなってきて、春を感じるような陽気の日だよね?」と思っているのではないでしょうか。

「小さな春」と書きますし、雪が解け、太陽の光がぽかぽかと感じられるような日をイメージするのも仕方ありません。

しかしこの「小春日和」、なんと「秋の終わりから冬の始まりのころの、穏やかな陽気」を指し、俳句などでは冬の季語として使われると言いますから驚きです。

「だって小さな春じゃん!!春の始まりとしか思えないわ!!」といいたくなるのは筆者だけではないと思います。

しかし、漢字で判断するから間違いが起こるのであって、「小春日和」が旧暦の10月を指すと知っていれば、春先の陽気を表す言葉ではないと理解できます。

ちなみに「小春日和」を春先の陽気の意味で使っている人は、「冬が終わって暖かくなってきた春の陽気はなんて表現するんだよ」と思うでしょう。

「春日和」という言葉がありますのでご安心を(?)。

「春日和」は4月の季語でもありますので、これは間違いなく「春のぽかぽか陽気」を指します。

「小春日和」を間違って使っていた人は、この機会に「春日和」も併せて正しく使えるようにしましょう。

7. 敷居が高い

「敷居が高い」と聞いて、「分不相応」という意味だとイメージする人はどれくらいいますか?

例を出すと、「このブランドのショップは敷居が高くて入ることもできない」のように使うイメージです。

ところがこれも、大きく意味が違う間違った使い方なのをご存知でしたか?

実は「敷居が高い」という言葉には、「分不相応だ」のような意味はありません。

レベルが高いから無理、とか、自分には無理だ、という意味で使っている人は間違って使っています。

では「敷居が高い」の本来の意味は何なのでしょうか。

それは「失礼なことをしてしまったり、ご迷惑をおかけしてしまったりして、その家に行きにくい」というのが正しい意味です。

義理を欠いて、その方の家に行きづらくなってしまった様子を「敷居が高い」といいます。

ある程度年齢を重ねた人は正しい意味で使えているようです。

しかし、若い人、特に30代以下の人は「レベルが高い」という意味で使ってしまっているようです。

「ブランドショップは敷居が高い」は間違いなので注意してください。

では、間違って使われる「敷居が高い」ですが、レベルが高いという場合にはなんと表現すればいいのでしょうか?