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確信犯の使い方をみんな間違っている...(続き5)

例としては、何らかの劇をやるとして、脇役に選ばれた人が「この配役は、俺には役不足だ」といった具合です。

俺は脇役に収まるような人間ではない、主役が張れる人間だ、といいたいときに「役不足」を使います。

仕事でもそうですね。

自分の仕事に自信がある人が、メインではなく、単に進行役をしてくれと頼まれ、自分は進行役ではなくメインを任されていい才能があるのに、と思ったときに「ただの進行係なんて、自分には役不足です」という感じで使います。

自分の力が足りないのを「役不足」というのではない、とお分かりいただけましたか?

自分の才能では、こんなところでは物足りない、もっと大きなことができる、という具合です。

2. 煮詰まる

「煮詰まる」と聞いて、浮かぶイメージは何ですか?

おそらく多くの人が、「行き詰る」というニュアンスを想像するのではないでしょうか。

考えれば考えるほど、まとまらずに行き詰ってしまう、という意味で「煮詰まる」を使いがちですよね?

「今度の誕生会の出し物、何をしたらいいかアイディアが出なくて煮詰まった」のように使う人が多いと思います。

しかし「煮詰まる」は本来、「結論が出そうになる」「結論にたどり着きそうになる」という意味で使われます。

話し合いや相談などを散々重ねて、ようやくゴールが見えてきた、というときに「煮詰まる」を使います。

「お母さんへのプレゼント、何にするかさんざん悩んだけど、やっと煮詰まったわ」という使い方が正しいのですね。

意味はもちろん、「プレゼントを何にするか考えに考えた挙句、おおよそ決まった」ということです。

「煮詰まる」を「行き詰る」の意味で使っている人は、間違えないようにしてください。

3. 失笑

「失笑」も多くの人が間違って使っていると思われる言葉です。

「新人の幼稚な発言に失笑が漏れた」のように、「あきれて笑う」とか「思わず苦笑した」のような意味で使われることが多いです。

「この人、何言ってるの?」と多少馬鹿にしたニュアンスで笑うことも「失笑」と表現されていることがありますよね。

あきれて言葉が出ない感じの時も「失笑」と表現されます。

しかし「失笑」は本来、「あまりにおかしくて、こらえることができずに笑いが出てしまうこと」「おかしくてこらえきれずに吹き出してしまうこと」を表します。

「あきれて笑う」とか「苦笑した」のようなニュアンスで「失笑」を使っていた人は驚いたのではないですか?

つまり「子供の会話を聞いて失笑した」とあれば、子供の会話にあきれて苦笑いをしたのではなく、「子供の会話の内容があまりに面白くて吹き出してしまった」という意味なのです。

もし、間違って使われる「あきれて笑ってしまう」の笑いを表現したいのなら、「嘲笑」と表現する方が近いです。

あざける、といったニュアンスなので、あきれるとか苦笑に近いです。

間違って「失笑」を使っていた人は今後間違えないようにしましょう。

4. 「おざなり」と「なおざり」

「おざなり」と「なおざり」は、言葉自体も似ているため、どっちが正しいんだっけ?

と混乱しやすいだけでなく、正しく覚えることも難しいですよね。

ごっちゃになって「ざおなり」などと言ってしまう人もいるとかいないとか。

それはさておき、「おざなり」と「なおざり」は、意味自体はどちらの言葉も「雑な様子」や「いい加減な対処」を表します。

しかし、使う場面がまったく違うのです。

短くまとめると、「おざなり」は「いい加減な対処をする」、「なおざり」は「何もしないで放置する」という感じです。

行動を起こすのが「おざなり」です。

何もしないのが「なおざり」だと覚えると、少し混乱もしにくくなるのではないでしょうか。

「おざなりな仕事をされた」は、「雑ながらも仕事は一応やってある」