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やさぐれる人の9個の特徴(続き2)

実はこれは、言葉のイメージからの誤用によるものだったんです。

今ではこういった意味合いも間違いでは無いようですが、本来は違うということなんです。

「やさぐれる」という言葉は、「やさぐれ」に「る」をつけて動詞化したもので、「やさぐれ」が大元の言葉になっています。

そして「やさぐれ」は、「やさ」と「ぐれ」のふたつが合体して出来た言葉になっているそうです。

この分解したふたつの言葉をそれぞれ見ていくと、「やさぐれる」の意味も捉えることが出来るのです。

まず「やさ」とは、「鞘(さや)」のことで、鞘を逆読みしたのが「やさ」なのだそう。

鞘とは、“物を納める外側のおおい”のことを言います。

刀をしまう筒状のものがありますよね。

あれが鞘です。

「もとさや」という言葉がありますよね?

一旦仲が悪くなったカップルや夫婦が、結局寄りを戻す時に使われる、あの「もとさや」。

この“さや”も鞘の転用なんです。

この様に鞘には、“物や人が納まる決まった場所(定位置)”のような意味合いがあることが分かります。

「やさぐれる」の“やさ(鞘)”も、まさにこの転用で、この場合は“家”を意味しています。

そして「やさぐれる」の“ぐれ”は、「外れる」という意味なのだそう。

不良になる場合などの「グレる」とは、意味が違うということなんです。

つまり「やさぐれ」の意味は、“家”を“外れる”ということで、“家出人”や“宿無し”が本来の言葉の意味になるのです。

元々は、やくざや不良たちの間で、隠語として使われていたみたいですよ。

「家出した」なんて言うのがかっこ悪かったり、言いづらかったりして?「やさぐれる」と言うようになったとか…。

1. 家出したり、家がない状態

というわけで、「やさぐれる人」というと、本来は“家出した人”や、“家が無い状態の人”のことを指しているわけです。

だけど、「グレる」という言葉が入っていることから混同され、「グレる」のイメージにある、“無気力でなげやりになる”ことや“すねる”という意味でも使われるようになっていったそうです。

「グレる」の意味は、“正しい道を踏み外す”ことや“不良になる”ことを指したり、“食い違い”や“見込み違い”を表わしています。

この「グレる」については、皆さんも馴染があるのではないでしょうか。

筆者もこちらの方がよく聞く言葉なので、「やさぐれる」についても「グレる」と混同していました。

でも混同されてしまったのも、仕方のないことのように思えます。

それは、「やさぐれる」の「ぐれ」が“外れる”を表わすようになった由来については、はっきりしていないからです。

一方、不良になるなどの「グレる」は、「ぐりはま」と言う言葉に由来していることが分かっています。

「ぐりはま」は「蛤(はまぐり)」をひっくり返した言葉で、それが「ぐれはま」とも言われるようになっていき、「グレる」と言う言葉に発展していったそうなんです。

「ぐりはま」は、蛤の貝殻をひっくり返すと合わないことから、“物事が食い違う”ことを意味しています。

ですので「グレる」というと、“道を踏み外す”ことや“不良になる”ことの意味へと繋がっていくんです。

「やさぐれ」の意味である“家出人”も、ある意味では道を踏み外した“グレた人”とも言えますよね。

このことからも、蛤から発展した「ぐれる」も、家出人を表わすやさぐれの「ぐれる」も、意味合いは似ているように思えませんか?

どちらにしても、不良等を表わす言葉でもあるので、意味が混同してしまったのも仕方ないのかな?なんて思ったりもするんです。

2. 拗ねてふくれる

「やさぐれる」の本来の意味から外れて、「グレる」の意味と混同されていくと…「やさぐれる」は“拗ねてふくれる”という意味としても認識されるようになりました。

まさに、グレている人の様子を表わしていますよね。

本来は“家出人”を表わす「やさぐれ」ですが、家出をするような人…つまり不良な人のことを表わすようにもなっていったということです。