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自愛の正しい使い方は?正しい例・間...(続き5)

「お身体を大切になさってください」

自愛の違う言い方例の1つ目は「お身体を大切になさってください」です。

自愛が相手の健康をきにかける言葉だというのはもうお分かりだったですよね。

「お身体を大切になさってください」はまさに自愛をそのまま翻訳したような言い方なのです。

ただこの場合の「なさってください」という表現はより一層、相手の安否について気をもんでいるというか、心配でたまならい心理が描かれているような感じも致します。

この辺りが日本語の持つ独特の味わい深い一面なのでしょう。

「お体にお気をつけくださいませ」

自愛の違う言い方例の2つ目は「お体にお気をつけくださいませ」です。

何だ、先ほど例で出て来た「お身体を大切になさってください」とほとんど変わらないじゃないか。

と、お思いもの方も多くいらっしゃる事でしょう。

確かにこの文章、読んだ感じでの意味の大差はあまりないでしょう。

しかし、よくよく注意して見てみると「お身体を」と「お体に」ではからだの漢字が違ってきます。

「を」と「に」の違いも出てきます。

さてこの2つ、用途的にはどういう感じで使い分けるべきなのでしょうか?

まあ、あまり文法的に難しく見ても日本語は難しいです。

余計に分からなくなってしまいます。

ここは簡単にかんがえていくことにしましょう。

と言っても、あくまで私の主観と経験値からによるのですが。

ここで紹介した「お体にお気をつけくださいませ」はどこかビジネスライク的な冷たい感じはしませんか?

部下や秘書が仕えている上司やオーナーに対してこのような言い方をよくするのを聞いたことがあります。

つまり近い人間関係ではあるのですが、どこかに上司と部下の境界線があって踏み越えてはならない一線が存在している関係の時に使用する言い方、とでも解釈できそうです。

一方の「お身体を大切になさってください」は、上司と部下の関係というよりも強い愛情関係がベースになった言葉のように感じられます。

しかしその関係は夫婦や恋人同士ではない、違った人間関係から来ている深い愛情をはらんだ関係性を想像させます。

どのような関係かはご想像にお任せしますけれどもね。

とにかく、相手の身体の事を労わる言葉一つとっても表現の仕方が功も変わってきます。

日本語が外国の方にとったら習得が難しい言葉である、というのがよく分かるような気がしますね。

「ご健勝をお祈り申し上げます」

自愛の違う言い方の例の3つ目は「ご健勝をお祈り申し上げます」です。

この「ご健勝」の意味は、身体や心が健やかな事、元気な事、という意味になります。

ほとんど「ご自愛」と同じ意味の言葉であることが分かりますね。

「ご健勝」は様々な場面で広範囲に用いられる馴染みの多い言葉です。

挨拶分の冒頭や締め、結婚式などのスピーチ、各種の講演会など、使用される場面や用いられる相手が限定されていませんので本当に様々な場所で重宝されている言葉ですね。

基本的に相手が目上であっても目下であっても会社の関係者であっても男性であっても女性であっても何ら問題はありません。

自由に使えます。

使われた方も全く違和感を感じない言葉です。

そういう意味では「ご自愛」よりもはるかに一般的で日常的な言葉かも知れません。

ただ、それだけ広範囲に広まっているから何か「特別感」というか「有難味」が少々、欠けている感じもするかもしれません。

そういった意味で考えれば「ご自愛」を上手に使った方が一層、相手の心に食い込んでいくチャンスは広がっていくかもしれませんね。

とにかく、言葉は臨機応変に、時と場所をよく考えて使うべきです。

気の利いた一言が言えるかどうかでその人の人間性や人柄が大きく評価されるかもしれません。