その後厚底は若い女性を中心にまた流行りましたよね。
70年代ロックファッションといえばロンドンブーツ。
ロンドンで流行していたグラム・ロックのファッションがきっかけで流行しました。
アメリカのロックバンドKISSのメンバーが、顔を黒と白に塗って派手なステージ衣装を身に着け、火を吹いたりタバコを吸ったりと驚きのパフォーマンスを行っていましたが、彼らが履いていたのもロンドンブーツでした。
底が厚いものだけでなく、丈の長いもの、中には膝まであるような長いブーツなども流行しました。
ブーツを履きやすいように、パンツの丈に『ブーツカット』と呼ばれるものが定着したのもこの時代です。
厚底ブーツを履くと、身長が高く、足が長く見えるのがポイントです。
5、アランセーターが大流行
アイルランド西岸のアラン諸島が発祥なのでアランセーターと呼ばれているこのセーター。
フィッシャーマンセーターという別名もあります。
実は6世紀頃からアラン諸島で編まれていたと言われ、セーターの柄には漁が無事に終わり大漁で夫や彼が戻って来るように、という願いを込めて奥さんや彼女が手編みしていたのです。
本来はそれぞれの家で柄が異なっていて、代々母から娘に伝えられていました。
万が一不幸にも事故などが起き、遺体となってしまったときには、船員が着ているセーターの柄で身元を判別していたのです。
今もなお人気のセーター
縄編みの柄がもこもこしてキュートなので、現在でも多くの人に愛されていますよね。
アラン諸島の漁業基地に出入りしていたスコットランド人のガンジーセーターがフィッシャーマンセーターと合わさり、アラン諸島独特の柄から現在のいわゆるアランセーターへと変化していきました。
これを真似てスコットランドでセーターが作られるようになり、クリスチャン・ディオールが注目してアメリカにも渡りました。
ガンジーセーターは紺色ですが、特別なときのためには白い毛糸で編んだそうです。
現在はいろんな色のアランセーターがありますね。
6、ジーンズがトレンドアイテム
昔はジーンズといえば作業服でした。
それがカジュアルファッションとして認識され始めたのも70年代。
アメリカで若者たちが自由や反抗の象徴としてジーンズをファッションに取り入れ始めたのがきっかけです。
今では会社によってはオフィス・カジュアルとして認められることもありますが、未だにジーンズパンツがオフィスで認められにくいのには、こうした背景があるからなのです。
作業服、汚いもの、だらしないもの、反抗的、というイメージが、上の世代の人たちには根強く残っているのですね。
ジーンズを若者のファッションアイテムとして流行らせたブランドといえば、カルバン・クライン。
言わずと知れた、70年代を代表するデザイナー、カルバン。
クラインのブランドです。
モデルのブルックシールズが発言した、「カルバンのジーンズと私の肌の間には何も入れない」の名言が話題にもなりました。
ジーンズ以外にも、アメリカ東部の伝統的な服装、『アメリカン・トラディショナル』、略して『アメトラ』を用いたシンプルで機能的なデザインのファッションを発表。
ニューヨークのキャリア・ウーマンを中心に、働く女性たちの間で評判になりました。
薄手のデニムシャツも流行し、大きめのシャツをだぼっと着るのがおしゃれだったんです。
”パンタロン”・”ホットパンツ”が人気を集めた
1960年代にイギリスのモデル、ツイッギーが来日し、ミニスカートのブームが起こります。
人前で脚を見せることに抵抗がなくなるという下地ができたところだったので、70年代のホットパンツが欧米から入ってきて、一気に若い女性たちの間に浸透したのです。
バンドTシャツにフレパンツの組み合わせなどに代表される王道もヒッピースタイルに含まれます。
7、男性にはタイトな服が人気
流行したフレアパンツも、体のラインが見えるタイトめなスタイル。
ベルボトムも元々はヒッピースタイルでした。
上の方はぴったりしているのに、裾は大きく広がっているところが、金管楽器のベルの形に似ている、ということでベルボトムと呼ばれるようになったんです。