みなさんは「やぶさか」ってどういう意味か知っていますか?

根っからの日本人だけど、日本語がわからない!って時ありますよね。

聞いたことはあるけど、本当の意味を知らないなら、いざ使ってみても使い方を間違ったりして恥ずかしいかも・・・。

今回は、そんな現代の日本人の中でも、知られているようで知られていない日本語「やぶさか」について調べてみましょう♪

「やぶさか」がわからないと恥?

「やぶさか」って言葉、普段使っていますか?

日本人ならその意味わかりますよね!?

「やぶさかではないですよ~」

って使っている人の言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、その本当の意味がいまいちわかないってことありませんか?

でも、だからといって「やぶさかって何ですか?」って今更聞けないですよね・・・。

もしかしたら、なんとなく使っている言葉だと、ニュアンスやイメージでその言葉を使っている、ってことがあるかもしれません。

そうすると、本当の意味は分かっていなくて、じつは間違って使っていた!なんてこともあるかもしれません。

社会人として、日本人として、それでは恥ずかしい思いをしてしまうかもしれませんので、ここでちゃんと意味と使い方をチェックしていきましょう。

「やぶさか」という言葉を、自分が使っているとしても、周りの人が使っているとしても、

ちょっと調べてみることで、こんな意味もあったんだ!と新しい発見があるかもしれません。

「やぶさか」ってどういう意味?

では、さっそく「やぶさか」ってどういう意味なのか調べてみましょう!

皆さんが思っている意味やイメージと本当に合っているかを試してみてくださいね♪

辞典に載っている意味

「やぶさか」の意味を辞典で調べてみると、じつは一つの意味を持つだけのことばではない、ということがわかります。

「やぶさか」は、それ自体では「躊躇するさま、けちなさま、しみったれ」という意味があります。

つまり、「気が進まない」「気乗りしない」「あまりやりたくない」といった気持ちを表す言葉のようです。

さらに、「思い切りの悪さ」、「物惜しみするさま、けちなさま」という意味があります。

否定的な意味

つまり、この「やぶさか」に打消しを伴った表現で、よく一般に使われる「○○するにやぶさかではない」という表現は、

本来、「○○する努力を惜しまない、喜んで○○する」といった積極的な意味なんです。

「物惜しみしない」「躊躇しない」ということにもなります。

でも、実はそうはいっても多くの人は、そのような積極的な姿勢を表す表現としてだけでなく使っているのが実情です。

直接的な意味をとらえると、「やぶさかではない」と言われたときには、「喜んでします!」という意味になるのですが、

「やぶさか」という言葉自体に、気が進まないとかやりたくないといった気持ちを持っています。

それで、それを否定する言葉なので、逆に意味になるわけなのですが、

ニュアンスとしては、「やりたくないわけでもない」「やってもいい」「どちらかといえばやりたい」というような感じにもなります。

辞書からは、このような「仕方ないけどやってもいい」的な意味合いは受け取れないのですが、

小説や実際の会話のシーンなどではそのようなニュアンスで用いられていることが多いようです。

多くの日本人は「え~本当はやりたくないけど、仕方ないからやってもいいよ」というような意味で使っています。

つまり、ちょっとツンデレ。

「本当はやりたくない」という気持ちを否定して、「でもやります!」というような感じです。

「まあ、してあげてもいいけど」「というか、むしろしたいけどね」といった感じでしょうか。

「仕方なく・・・」というような、ちょっとネガティブな要素を持たせつつも、それを自分で否定して「むしろやります!」という意味なんですね。

でも、実際は「やぶさかではありません!」=「喜んでします!」というのが本来の意味なんです。

だから本来は、「物惜しみしませんよ」、「ケチりませんよ」、といったニュアンスになりますね。

「物惜しみせずに、喜んで努力します!」って、とても積極的な姿勢を感じさせる表現ですよね。

この「喜んでする!」という意味で「やぶさかではない」と使っている人ももちろんいますが、

文化相が平成25年度に「国語に関する世論調査」によって調べた結果によると、

この意味で使っている人は約34%、逆に「仕方なくする」というちょっと否定的な意味で使っている人は約44%という結果が出ています。

肯定的な意味

「やぶさか」を肯定的な意味として使う場合、「やぶさかになる」「○○をすることにやぶさかだ」というように言うことがあります。

「やぶさかになる」という表現は、形容動詞の「やぶさかだ」の連用形である「やぶさかに」に、動詞の「なる」がついた形ということになります。

「けちになる」「躊躇する」といった意味合いですね。

「○○することにやぶさかだ」という表現も、「○○することに思い切りがわるい」「○○することへの努力を惜しんでいる」という意味です。

漢字も併せて覚えよう!

「やぶさか」という意味がわかったところで、この言葉、どんな感じで書くか知っていますか?

じつは、「吝か」って書くんです。

こんな漢字使ったことない!って方もいると思います。

だって、普段あまり書かない漢字ですよね?

でも、書き方はシンプルですね。

「文」と「口」という二つの漢字が組み合わさったものです。

「吝」という漢字は、音読みで「りん」です。

もともとが「物惜しみする」「けち」といった意味です。

「吝嗇化(りんしょくか)」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これにも「けち」といった意味がありますね。

では、この「吝か」という言葉はどんな由来を持つのでしょうか?

語源

やぶさかは、さかのぼること平安時代の言葉のようです。

本当は「やぶさかる」と使われていて、今と同じような意味をもち「物惜しみする」「けち」というような意味で用いられていました。

物惜しみするという意味を持つ動詞の「やふさがる」とか、ケチであるという意味を持つの形容詞の「やふさし」の同源であると考えられているそうです。

現代では「やふさがる」とか「やふさし」なんて使っていませんよね。

それもそのはずです。

なぜなら、この二つの言葉は鎌倉の中期にはもうすでに使われなくなっていたのです。

しかし、「やふさ」に接尾語の「か」のついた「やふさか」と「やっさか」という語が生まれました。

そのうちの「やっさか」は消えてしまいましたが、「やふさか」は使われ続け、

とき経つうちに「やふさか」の二音節が濁音となり「やぶさか」という言葉になったそうです。

言葉は、時代とともに変わるものですが、それでも平安時代から使われていたなんてすごいですね。

品詞

「吝か」は名詞として使います。

「やぶさか(名詞)~」というような場合、「○○にやぶさかであってはならない」といった感じです。

「やぶさかにしては大々的だ」というような具合です。

もし「~やぶさか(名詞)」というような場合であれば、「褒めるにやぶさか」といった表現などがありますね。

「彼の功績を認めることにやぶさかではない」というような表現です。

さらに「極めてやぶさか」といった具合にも使います。

形容動詞としても使われ、「やぶさかだ」「やぶさかなり」というようにも使われています。

古文でおおく使われている

古文では、この「やぶさか」が結構使われていたりします。

「やぶさかであってはならぬ」とか、「やぶさかならざんことを切望する」「やぶさかであるとは信じ」といった具合です。

「やぶさかなり」という表現もよく読むことがあるとおもいますが、「物惜しみしているよね」「未練がましいよね」「ケチだよね」という意味で使われています。

中世以降に漢文訓読分に多く見られる表現です。

「やぶさか」の使い方


「やぶさか」という言葉って古文でもよく出てくる表現なのですが、現代ではどのように使うのが正解なのでしょうか?

その活用方法を調べていきましょう♪

状況と相手によって使い方を変えよう

まず、先ほども取り上げたように「やぶさか」という言葉自体には「けち」とか「物惜しみする」といった

「やりたくないよ」「気が乗らないんですけど」という気持ちが込められた意味がありました。

それを打ち消す表現として「やぶさかでない」という言葉をよく使うわけです。

それで、いろいろなシーンに合わせて、状況や相手に合わせて使っていくことができます。

では、「物事を進んでするよ!」ということを表すとき、「物事を喜んでするよ!」という時、

さらにプロポーズやビジネスシーンでどのように使うのかを見ていきましょう♪

(物事を)むしろ進んでする場合

他の人から何かを頼まれた時、相手はあなたに遠慮したりあなたが本当にそのことに取り組んでくれるのかを不安に思っているかもしれません。

そんな時、「やぶさかではありません」と言うとどうゆう気持ちを伝えることになると思いますか?

この場合、「わたしはそれを進んでしますよ」「行為を惜しみませんよ」という意味を持たせることになります。

だから、何かこちらから進んでやりたいときに使えばいいわけです。

「全然気がのらないんですけど~」というときには使えません。

気がのらないようなことでも、「むしろやります!」という積極性を表せるわけですね。

例文を一つ上げるとしたら、「敵が来るというのなら、武器を手にして迎え撃つのもやぶさかでない」という感じでしょうか。

「敵が来るなら、わたしは進んで武器を手にして戦う覚悟ですよ」って感じが伝わりますね。

(物事を)喜んでする場合

さらに「喜んでします!」という気持ちを伝えたいときにも使います。

「やぶさかではない」という言葉はその物事に対して反対や不満があるわけではない、という考えを伝えます。

だから、「わたしは反対していませんよ、異存はありません、喜んでそうしますよ」という気持ちを伝えるのです。

だから、まだ不満や納得していないことがあって、思い切って物事に賛成できずに取り組めないような時には使えませんね。

例文としては「そんなにわたしに入ってほしいなら、メンバーに入るのもやぶさかではないな」。

ちょっと上目線の例文ですが、「そこまで言われるなら、メンバーに喜んではいっちゃうよ~」という喜んで参加する姿が想像できるでしょう。

プロポーズの言葉でも使われる

ちょっと照れ屋さんの男性が、「君と結婚するのもやぶさかじゃないよ」というのなら、

それは「君と結婚したい」と言っているということです。

まあ、完全なるプロポーズですね。

気が進まないという意味をもつ「やぶさか」をわざわざ使い、それを否定することで、

「というか結婚してくれ。全力で幸せにするから」といった印象を感じるのではないでしょうか?

「君を一生養うこともやぶさかではない」と言われたのなら、ケチな気持ちはなく、君の幸せのために一生懸命惜しみなく努力したい、という気持ちが受け取れますよね。

ビジネスシーンでも

特にビジネスシーンでは、この「やぶさか」を使うと大人な受け答えのできる知的な人という印象を与えることができます。

例えば、先方の要求に対して「やぶさかではありません。」と答えると、どうでしょうか?

繰り返しになりますが、「やぶさか」には「ためらう」というような意味が含まれています。

それで、このような受け答えをした場合、「こちらとしては進んで要求に応じます」、「ためらわずに要求を引き受けます」というような意味になりますね。

簡単に「わかりました。その件をお引き受けいたします。」と答えることもできますが、

「その件を引き受けることに、やぶさかではありません。」というほうが、

とても知的で、ちょっとレベルの高い受け答えになると思いませんか?

「この人できる人だな。」そんな印象も与えることができるかもしれません。

ちょっと固いイメージの言葉でもあるかもしれませんので、相手を緊張させすぎないように、笑顔でこのフレーズをサラッと言えたらかっこいいですね。