「彼の功績を認めることにやぶさかではない」というような表現です。
さらに「極めてやぶさか」といった具合にも使います。
形容動詞としても使われ、「やぶさかだ」「やぶさかなり」というようにも使われています。
古文でおおく使われている
古文では、この「やぶさか」が結構使われていたりします。
「やぶさかであってはならぬ」とか、「やぶさかならざんことを切望する」「やぶさかであるとは信じ」といった具合です。
「やぶさかなり」という表現もよく読むことがあるとおもいますが、「物惜しみしているよね」「未練がましいよね」「ケチだよね」という意味で使われています。
中世以降に漢文訓読分に多く見られる表現です。
「やぶさか」の使い方
「やぶさか」という言葉って古文でもよく出てくる表現なのですが、現代ではどのように使うのが正解なのでしょうか?
その活用方法を調べていきましょう♪
状況と相手によって使い方を変えよう
まず、先ほども取り上げたように「やぶさか」という言葉自体には「けち」とか「物惜しみする」といった
「やりたくないよ」「気が乗らないんですけど」という気持ちが込められた意味がありました。
それを打ち消す表現として「やぶさかでない」という言葉をよく使うわけです。
それで、いろいろなシーンに合わせて、状況や相手に合わせて使っていくことができます。
では、「物事を進んでするよ!」ということを表すとき、「物事を喜んでするよ!」という時、
さらにプロポーズやビジネスシーンでどのように使うのかを見ていきましょう♪
(物事を)むしろ進んでする場合
他の人から何かを頼まれた時、相手はあなたに遠慮したりあなたが本当にそのことに取り組んでくれるのかを不安に思っているかもしれません。
そんな時、「やぶさかではありません」と言うとどうゆう気持ちを伝えることになると思いますか?
この場合、「わたしはそれを進んでしますよ」「行為を惜しみませんよ」という意味を持たせることになります。
だから、何かこちらから進んでやりたいときに使えばいいわけです。
「全然気がのらないんですけど~」というときには使えません。
気がのらないようなことでも、「むしろやります!」という積極性を表せるわけですね。
例文を一つ上げるとしたら、「敵が来るというのなら、武器を手にして迎え撃つのもやぶさかでない」という感じでしょうか。
「敵が来るなら、わたしは進んで武器を手にして戦う覚悟ですよ」って感じが伝わりますね。
(物事を)喜んでする場合
さらに「喜んでします!」という気持ちを伝えたいときにも使います。
「やぶさかではない」という言葉はその物事に対して反対や不満があるわけではない、という考えを伝えます。
だから、「わたしは反対していませんよ、異存はありません、喜んでそうしますよ」という気持ちを伝えるのです。
だから、まだ不満や納得していないことがあって、思い切って物事に賛成できずに取り組めないような時には使えませんね。
例文としては「そんなにわたしに入ってほしいなら、メンバーに入るのもやぶさかではないな」。
ちょっと上目線の例文ですが、「そこまで言われるなら、メンバーに喜んではいっちゃうよ~」という喜んで参加する姿が想像できるでしょう。
プロポーズの言葉でも使われる
ちょっと照れ屋さんの男性が、「君と結婚するのもやぶさかじゃないよ」というのなら、
それは「君と結婚したい」と言っているということです。
まあ、完全なるプロポーズですね。
気が進まないという意味をもつ「やぶさか」をわざわざ使い、それを否定することで、
「というか結婚してくれ。全力で幸せにするから」といった印象を感じるのではないでしょうか?