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言葉遣いで気を付けるべき6個のこと(続き4)

一般的な会話の内容でも話している相手と、動作の向かう相手が別のことはよくありますので、このように「お/ご〜いたす」と敬語Iと敬語IIを合わせた表現を覚えておくのもいいでしょう。

次に「申す」ですが、「言う」「話す」の謙譲語になります。

申すも「謙譲語II」に分類されていて、丁寧に述べることで、相手を立てると言う表現方法になります。

ですから、上司や取引先など、敬意を示すべき人の行動に対しては使いません。

一方、似ている表現の「申し上げる」は、「謙譲語I」に分類されて、「社長に申し上げた通り」など、話し手が、自分の行動をへりくだらせ、相手を立てるために用います。

このように「謙譲語I」は、自分の行為を強調するために用いられ、「謙譲語II」は、行為が向かう先がある時に用いられるのです。

非常に混同しやすい

取引先に「一緒に参られますか?」、「明日、お伺いいただけますか?」と聞くのは適切でしょうか?それとも間違いでしょうか?

正解は、これらの表現は全て謙譲語になるので、取引先に正しい敬意を表せていないので、間違いです。

「参る」「伺う」は全て、自分がへりくだる時に使うべきであって、相手に対して使うべき言葉ではありません。

相手の動作を表現したいなら、「いらっしゃる」「お越しになる」などの尊敬語を使うべきなのです。

ですから「一緒にいらっしゃいますか?」「明日、お越しいただけますか?」と聞いて初めて、取引先にふさわしい敬意を表していることになります。

もちろんわざと相手の動作に謙譲語
を使った訳でないとしても、正しい言葉使いをするのは社会人のマナーであり、ややこしい、間違いやすい、悪気はないではすみません。

日本人なら誰でも、謙譲語と尊敬語が混同しやすいことは知っているので、そこをきちんと使い分けるために心を砕いてこそ、相手に対する本当の敬意を表すことができるのでしょう。

丁寧語を覚える

丁寧語は、敬語の一種ですが、尊敬語や謙譲語とは違い、言葉自体が変化することはなく、語尾に「です」や「ます」をつけることによって、話し相手に敬意を表したり、改まった口調にします。

また、主体とする人によって使い分ける必要もなく、誰に対しても、どんな内容の話でも使うことができます。

ですから、一番使いやすい敬語ともいえるでしょう。

相手によっては言葉自体が変わったり、第三者の話をするときなど、目の前の人と、会話に出てくる人両方の立ち位置を気にしないと間違えてしまう可能性のある謙譲語や尊敬語とは違い、丁寧に話すだけで、上品に聞こえますし、硬くなりすぎないというメリットがあります。

丁寧な言葉使いをされて嫌な気持ちになる人は、まずいないでしょう。

なぜなら、きちんと丁寧に話すこと自体が、相手を敬う気持ちの表れだからです。

ですから、日頃から丁寧語で話すように心がけ、育ちの良い人、言葉遣いの綺麗なきちんとした人と周りの人に見てもらえるようにしましょう。

綺麗で丁寧な言葉使いをいつも心がけているなら、それが習慣となり、本当に心も清くなる効果があります。

ですから、自分の口から出す言葉にいつも注意を払うようにしましょう。

「です」「ます」

丁寧語のことを、「です・ます調」と呼ぶくらい、語尾に「です」「ます」をつけることが丁寧語の象徴ともなっています。

具体例をあげると、「10時に寝る」というのを「10時に寝ます」。

「暑い」というのを「暑いです」、「田中だ」と言うのを「田中です」と丁寧にいうことです。

この例文を見ただけでも、その好感度の差は歴然としていますね。

言い切る

尊敬語と謙譲語の違いを意識する

尊敬語と謙譲語は、相手を立てるという目的が一緒でも、その方法が違います。

尊敬語は、尊敬の意を表して使う言葉なので、目上の方が主語になる時に使います。

一方、謙譲語は、自分がへりくだる時に使い、主語を自分にし、自分を低くすることで相手を立てる方法なのです。

このように、主体が誰かと言うことを考えると、その違いがはっきりするのですが、そこを見失ってしまうと、目上の人に対して謙譲語を使ってしまったりするミスにつながります。

ですから、少しややこしく感じた時には、誰がしている動作について話しているのかような表現は、無作法で乱暴な印象があるのに対し、です・ますをつけることによって、上品になり、きちんと相手に伝えようとしている意志も感じ取れるようになります。

「来る」は「来ます」、「言う」は「言います」、「する」は「します」と、語尾に「です・ます」と言う、とても短い表現をつけるだけで、印象がガラリと変わり、相手に敬意を表すことができるのです。

これならできるかもと思われる方も多いのではないでしょうか?「です・ます」も立派な敬語です。

日頃の会話から使うように心がけましょう。