表と裏は別々のように見えるのですが、実は密接に関係しているのです。
だから、表か裏かのどちらかが欠けているという状態では存在しないのです。
必ず表裏どちらも同時に存在しているのです。
例えば、コインは表裏一体です。
コインには表と裏があります。
表と裏が同時に存在するのでコインなのです。
光と影も表裏一体です。
光りが無ければ影も存在しません。
影が無いということは光りも存在していないことを意味します。
このように、性格はまったく異なりますが、同時に二つのものが存在していることが表裏一体なのです。
このように物事には表と裏(見えるところと見えないところ)があるということ、表と裏がセットになって一つの物を形成しているということを拡大解釈して例えることもあります。
あるノーベル賞を受賞した科学者は、その研究が無事に完遂できたのは、研究に没頭できるように奥さんが裏方の雑務を一手に引き受けて対応したからのようです。
このように影になって支えてくれた妻の裏の存在があったからです。
こんな時に、あの夫婦は表裏一体となって研究を完成させたと称えるのです。
このように、表裏は一体で分けられない、密接な関係があるのです。
不可分な関係
不可分とは密接に結び付いていて、分けることができないことです。
不可分な関係とは切っても切れない関係のことでもあります。
表裏一体とは、不可分な関係でもありますが、表と裏は誰が見ても表と裏だと区別がつきます。
しかし、夫婦が一緒に稼いで購入した持ち家や自家用車などは、物理上は分けることができません。
そのものの性質や価値を損なうことなく分割ができないのです。
家屋でも、寝室はわたしで居間は主人というように分割して持ち出すことは不可能です。
不可分な関係なのです。
自家用車もそうです。
このように、表裏一体とは表裏が明確だが別々に存在することが出来ないことです。
そして、別れて存在しないので分けることができない関係を不可分な関係と言います。
先ほどの事例で上げたコインは、表裏一体で表裏が同時に存在して成立するのですが、これを物理的に破壊して分けるとコインとしての性質や価値を損ないます。
表と裏は不可分なものでもあるのです。
️表裏一体の使い方
表裏一体という言葉は一体どんな風に使うのがいいのでしょうか?
表裏一体の関係
仲の良い兄弟姉妹は、あまりの仲の良さに大人になってからも同じ仕事をしたりして、ずっと一緒に人生を歩んで行く場合があります。
その中で成功している例を取り出してみると、大企業の社長は兄がやり、副社長は弟がやるなんてケースがあります。
会社のトップは兄が、それを陰で支えながらも実は実際の実権を握る弟、そんな関係を例えるならば「表裏一体の関係」なんていうことができるのではないでしょうか。
表裏一体の間柄
人は人生の中で様々な人と出会って、何度も恋をして、その中で人生の伴侶を決めていくというのが普通ですよね。
でも、子供の頃に出会ったきり、たった4・5歳で出会った「幼馴染」という存在と切っても切り離せない関係になってしまい、そのままゴールイン、結婚する男女がいます。
このような結婚も決して悪いことではありません。
お互いの両親を小さい頃から知っているので、嫁姑等のトラブルがなかったり、他の兄弟姉妹とも仲が良かったりすると、色んなことがスムーズに進んでくれたりするものです。
こんな風にして結婚した男女のことを、「表裏一体の間柄」なんて呼ぶことができるのです。