忠実な人についてみていきましょう。
忠実ってどういう事なのでしょうか?
ただの言いなりという事でしょうか?
それとも家来なのでしょうか?
今の時代の人にとったらちょっと「?」という感じがする「忠実な人」という意味。
詳しくみていきましょう。
忠実ってどういうこと?
それで「忠実」とはどういう意味なのか。
いろいろな角度からみていく事にしましょう。
忠実とは
忠実についてみていきます。
まごころを込めてよくつとめること
忠実とは「まごころを込めてよくつとめる」という意味です。
「まごころ」とはその気持ちを抱く対象者に対して一片の疑いや軽蔑心もなく、むしろ「尊敬」や「崇拝」といった概念によって形成されている気持ちですね。
「つとめる」という事は、その対象者の手となり足となって労を惜しまず、己の持っている能力、技を出し惜しみすることなく、全精力をもって奉公する、といった意味合いになるでしょう。
例えてみると、時代劇に登場する「武士」がそれに当たりますね。
主君のためならば自らの命も差し出して働く。
もし主君に刃を向ける者が現れたなら、それこそわが命を指しだす覚悟で討ち死にも厭わず、といった気構えを持った奉公の仕方をいうのでしょう。
さあ、このまますべてを今の時代に当てはめるのはちょっと条理に合わない部分もあるかもしれませんね。
とにかく「忠実」とは「真心を込めてよく勤める」という意味合いがよく当てはまるでしょう。
少しの違いもなくその通りにすること
忠実のもう一つの意味は「少しの違いもなくその通りにすること」です。
これは何かを修行していたり、習い事を会得するために行う練習方法といえるでしょう。
いわゆる「真似る」「なぞる」という行為です。
そしてその行為を行っている時は全身全霊を込めており、一介の疑いもなくその方法に集中している、といった状況でしょう。
例えば習い事の代表格である「習字」。
最初は皆、字が下手ですよね。
そこでまずは習字の感覚を掴むために無地の半紙を見本の字の上に重ねてなぞった経験はありませんか?
この時は余計な事は考えず、とにかく忠実に見本の字の通りに筆を動かします。
これが「少しの間違いもなくその通りにする事」の極意ですね。
言うなれば「反抗心」や「逆らう」といった敵意を持った感情が全くない、という気持ちの状態の事を言うのでしょうね。
労苦をいとわず物事に励むこと
忠実の更なる意味に「苦労をいとわずに物事に励むこと」があります。
一切の苦労、困難に対して一言も不平・不満を漏らさず鬼気とした表情すら漂わせ物事に当たる様を言い表しています。
これなども封建時代の武士社会の様相を見事に表しているかのような状況でしょう。
とにかく忠実さというのは上下の絶対関係が存在しているようですね。
例えが悪いかもしれませんが飼い犬と飼い主の関係のようなものかも分かりません。
犬は太古の昔より人間に対して「忠実」さが際立っていたがため。
今日まで人間と共に生存競争を勝ち抜いてきたのでしょう。