ずっと見えている状態ではなく、偶然にも見えてしまった、または故意的に見えたけれどすぐに見えなくなったというケースに使われます。
こちらも「覗く」に通ずる表現なので、あまりポジティブにとらえられないパターンが多いです。
「パンチラ」など女性にとっては不愉快な場合もあるので、男性の皆さんは使うシチュエーションに気を付けた方が良さそうですね。
ちらつく
見えなかったものがわずかに見えるようになるという意味で使われます。
例えば「雪がちらつく」など、見えるようになったとしてもほんの少しである場合が多いです。
また視覚的な物だけではなく感情的な表現をする時があります。
「その時パッと彼女の顔がちらついた」「犯罪者の陰にちらつく外国人組織」などは「想像する」というニュアンスが含まれている表現です。
察する
感覚的に気が付くことを「察する」と言いますが、他人の気持ちを垣間見ることと同じ意味になります。
「胸中お察しします」「彼女の気持ちを察するに…」など、少々自分本位な言葉として捉えられる場合もありますが、察して(垣間見て)いる側としては悪気はありません。
目に止める
興味や関心がある対象に視線を向けることです。
「垣間見る」には意識的に見る場合と無意識に目が向く場合があります。
また「目に止まる」には魅力を感じて目に止まる、もしくは全体を見渡して特定の対象に注目するという2つの意味があります。
垣間見ると同義語になるのは両方とも前者の方です。
垣間見るの使い方
では実際に「垣間見る」を使う場合の例文をご紹介したいと思います。
事故的に現実を垣間見る
この場合の垣間見るとは、何かを目で見るという意味です。
事故的にというのは故意ではなく偶然目にするという意味あいを含んでいます。
しかし「事故」はあまり良い意味では使われない場合が多く、この場合もどちらかと言えば結果的に良くない方向に向かう時に使われます。
つまり予定外のタイミングで物事の現実を見ることによって、何か悪い結果が待っているというシチュエーションでの一言になります。
理解しがたいものが垣間見えた
「垣間見る」は「見る」という言葉が含まれていますが、実際に目で見る場合だけでなく心で感じる場合の意味として使われることがあります。
こちらのフレーズも自分にとって想定外の何かが目の前に現れた場合や、他人が自分には理解できない考え方であることを知った時などに使われます。
例えばこの世のものとは思えない植物や動物を見た時でも良いですし、周りにいる人に対して理解できないことがある時に使うとスマートです。
あの頃から相手の見てはならない姿を垣間見るようになった
そもそも「垣間見る」という言葉は、ジッと見つめたり正々堂々と見ることとは対極的な意味を持っています。
この場合も本当は見てはいけない姿を偶然にも見てしまった、または故意的にちらっと覗き見したという意味になります。
見てはいけないと言われれば言われるほど見たくなるのが人間の本能なのですが、この文章は平安時代から使われている「垣間見る」と意味がリンクしますね。
今回初めて建物の中を垣間見ることになった
この文章の場合はただの「見る」でも違和感がありませんが、何故「垣間見る」が使われているかということに意味があります。
普通の建物なら「中を見せてもらう」で良いですが、何かの事情があって今までは公開していなかった建物の中を見ることができるという事実を強調するためにわざわざ「垣間見る」という言葉を使っています。
またお構いなしにジロジロ見るのではなく、なんとなく遠慮がちにちらちら見る様子がうかがえますね。
あのメロディーを聴くと当時の自分を瞬間的に垣間見る
実際に目で見ているのではなく、頭の中で回想しているシーンを「思い出す」という意味あいで垣間見るが使われています。
若かった頃の自分の姿を思い出すことはよくありますが、特に昔よく聴いていた音楽を聴くと当時の思い出が走馬灯のように蘇ってきます。
ひとつの場面がずっと続くのではなく、部屋でひとりでその音楽を聴いている時、友達と一緒に聴いている時、デートで聞いている時など、場面ごとの光景が頭の中でフラッシュのように切り替わることが「瞬間的に垣間見る」ということです。
新しい一面を垣間見る
ふとした拍子に今まで知らなかったことに気が付くという意味での「垣間見る」です。