長々と下世話な話しが好きな人と付き合わないほうが良い理由を流々解説してきました。
もし一言で弊害をまとめるならば「疲れる」から止めましょうとなるでしょう。
・聞いていて楽しくもない下世話な話を、興味がある風を装って聞いてあげなければなりません。
・自分もなにがしかの下世話な話題を提供しないとバランスがとれません。
・自分がいない所で自分をネタにあることない事で盛り上がられるかも?とビクビクしなければなりません。
・下世話な話のなかにちょいちょい織り込まれる自慢話には感心してあげなければなりません。
・自分のプライベートを話すことで、誰かの自尊心を傷つけたりしないよう注意しなければなりません。
・一度入って抜けると、嫌がらせ・仲間はずれ・村八分を受ける危険があります。
本来なら楽しくおしゃべりしてストレス発散するはずの場が、これではまるで針のむしろです。
最初にちょっと顔を出して、どんな人達が集まる場なのかをさっと判断しましょう。
これは危ないな?と思ったら深入りせずにさっと離れることをオススメします。
メンバーと認められたらあとが大変です。
下世話ってなに?
下世話は「世話」という単語に「下」がくっついた出来た単語です。
「下世話」が出来たのは江戸時代
そもそも、下世話という単語が出来て定着したのは、天下泰平が長く続いた江戸時代と言われています。
今でこそ「世話」というと、「世話を見る」「世話を焼く」というように、手間をかけて面倒を見てあげることという動的な意味があります。
(転じて手間がかかる厄介事のこと自身も指します)ですが、江戸時代当時の「世話」にそんな意味はありませんでした。
「世話」=「世間」の「話」です。
世間で広く話題になっていること、世間話(せけんばなし)です。
なんで世話の前に「下」がついたかといいますと、江戸時代の町人の上には「上様」が居たからです。
上様やお侍様が政を司る大切なお役目をしてくださっているお陰で、下々の俺たちは安心して生きていける的な江戸っ子の乗りです。
「下世話」とは、庶民の間のしがない噂話ぐらいの意味が成立当初の言葉の意味です。
今の言葉に当てはめるならば、建前じゃない本音の「ぶっちゃけトーク」みたいな感じです。
「下世話」=「下品な話」という訳ではありません。
「下世話」=「お金の話」という訳でもありません。
もちろんぶっちゃけトークですから、「なんだかんだ言ってあの2人は出来てる」的な色恋のお話や、地獄の沙汰も金次第、出生したけりゃ賄賂を払え」的な銭金のお話も当然含まれますが、それは「下世話」の中のごく一部のジャンルに過ぎません。
もっと広く庶民的な話題はなんでも下世話な話だったのです。
辞書に載っている「下世話」の意味
例えば大辞林にのっている「下世話」の意味は、「世間でよくいう言葉や話。また、俗な・こと(さま)。」です。
江戸時代当初の発生の頃の理由に基いて解説されていますね。
言葉は生き物です。
辞書に載っているような正しい意味から離れてしまった状態で定着して広まったら、それが正しい意味・使われ方にいずれ変わります。
それでも言葉の本来の意味を知っていれば、安心して誤用できます。
(誤用にも程度がありますので…)
使い方
下世話の使い方としては、以下のものが既に定着しています。
・「下世話な話」
・「下世話な人」
・「下世話な事」