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よしなにとはどういう意味?使い方や...(続き2)

例えば上司から仕事の指示を出された際に、「よしなに頼むぞ」と言われることがあります。

これは、「いいぐあいになるように仕事をしてくれ」という意味ですが、ビジネスの場においては具体的な指示ではなく、曖昧な表現になりますので、言われて困ってしまう人もいるでしょう。

上司の言う「よしなに」は、こちらの都合のいいように仕事をして欲しいというわけではなく、上司にとって都合のいい形になるように仕事をして欲しい、という意味があります。

そのため、上司の意図がいまいち掴めない場合には、面倒でも上司に細かい指示を仰いだ方が確実でしょう。

少し話が逸れましたが、ビジネスにおける「よしなに」という言葉の意味は、その意図の曖昧さ故に時々トラブルになることもあります。

最近はよしなにを使わない!?

最近では、あまり「よしなに」という言葉を耳にする機会がなくなりました。

テレビや小説の中では目にすることが多いものの、実際に誰かに「よしなに」と言われたことはないという人も多いでしょう。

言葉自体はまだ何となく残ってはいますが、今や「よしなに」は間違いなく旧語となっています。

しかしそれも仕方がないと言えます。

何故なら「よしなに」は日本最古の言葉である大和言葉ですので、現代ではほとんど使われる機会がなくても、それは時代の変化における必然というものです。

そして使われなくなってはきていても、「よしなに」という言葉自体は今でもしっかりと私たちの知るところにあります。

とくに文学の好きな人や、日本の歴史に明るい人、高齢者との関係が深い人などでは、若い人でも「よしなに」の意味をきちんと理解している人は少なくありません。

「よしなに」のように柔らかく言葉を包み込む言葉は、穏やかな言い回しを好む日本人にとっては、時代が変わっても好ましい印象であることには変わりないのでしょう。

年配者が使うイメージ

「よしなに」は、古い言葉ですので年配者で使う人が多いです。

若者でも旅館で働く人や、京都の観光地で働く人など、大和言葉に触れる機会の多い場所にいる人はもちろん「よしなに」を意識して使うことがあります。

しかし、普段使いに慣れていない人がこの言葉を使うとき、どうしても「これで使い方が合っているのかな?」という不安や違和感、気恥ずかしさといった感情を持ってしまうことがあります。

一方で、年配者の場合には昔から使い慣れていますので、まったく抵抗なく何かの折には「では、よしなに」と言葉が自然と出てきます。

年配者が用いる言葉という印象が一般的にも強いので、若い人が「よしなに」という言葉を使っているのを見ると、「教養のある人なんだな」や「おじいちゃんかおばあちゃんと仲が良いのかな?」と周囲には思われることも多いでしょう。

同じ大和言葉でも、「胸を打つ」や「このうえなく」といった言葉はまだ普段使いが多い言葉ですが、「よしなに」はどうしても年配者が使うことの方が多いです。

最近では「宜しく」が多い!?

最近では、「よしなに」の代わりに「よろしく」という言葉が多く使われています。

「よしなに」とい言葉を聞いたことがなくても、「よろしく」という言葉を使ったことがないという人はほとんどいないでしょう。

それほど現代では「よしなに」ではなく、「よろしく」という言葉が広く使われています。

「よろしく」は、その一言だけで「よしなに」以上にさまざまな意味として用いることができます。

「よろしく」は元々、「よろしい」の連用形で、「ちょうどよいぐあいに」「ちょうどよく」などの意味があります。

そのため、「よしなに」の代わりとしてはピッタリの言葉でしょう。

また、「よろしく」には人に好意を示したり、何かお願いごとをしたりするという意味も含まれています。

さらには「当然」という意味もあり、一言でたくさんの言い回しができますので、自然と「よしなに」から「よろしく」と使われることの方が増えていったのでしょう。

よしなにの類語

言葉には必ずといってよいほどに類語があります。

言葉があればあるだけ類語も多く、「よしなに」という言葉にももちろん類語が存在しています。

そのため、もし日常やビジネスの場面で「よしなに」といった意味の言葉を使う機会があり、「よしなに」を使いたくないという場合には、その類語を用いることで相手に自分の意思を伝えることができます。

では、「よしなに」の類語にはどのような言葉があるのでしょうか?以下にご紹介していきます。

適宜

適宜には、「状況にあっていることやそのさま」「その時々に応じて、各自の判断で行動するさま。

便宜に従うこと」といった意味があります。

ビジネスの場などで、時折「便宜をはかって欲しい」といった言葉を耳にする機会がありますが、これは「お手数をおかけしますがこちらの都合にも少し協力して欲しい」といった意味合いが含まれています。

相手に対して便宜を求める場合もあれば、相手の良いように便宜をはからう場合にも用いられます。